絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

【雑記】宮西達也Newワンダーランド展に行ってきました~!

お久しぶりでございますが、みなさん元気~?

 

私は忙殺の夏休みを終えまして、やっと息が吸える日が…ハァ…フゥ…もう息切れですね!!!火曜日なのに!!!フハハハハハハハ

 

 

さて、今年のお盆休みは帰省を諦め肉体の疲労と懐の破壊を覚悟の上、静岡の大井川鉄道のトーマス号に乗りに行く予定だったのですが、まさかの!乗車日!15日!だけ!台風7号による運休が決まってしまい、全行程をキャンセルに…3月から予約してたんだぜ…ピンポイントすぎるぜ…宝くじも当たる勢いだぜ…でも、ピンチはチャンス、と、夫の祖母宅の滞在を延ばし、私の実家にも行き、いわきの叔母と大叔母にも会いに行くことができました~!

 

その時いわきで泊まったホテルに、宮西達也さんのNewワンダーランド展のポスターが貼ってあり、よっしゃ、行ぐべ!と相成ったのでございます。

kankou-iwaki.or.jp

 

宮西達也さんと言えば、『おまえ うまそうだな』をはじめとした恐竜のシリーズや『おとうさんはウルトラマン』シリーズが有名ですが、私のお気に入りは何といっても『ニャーゴ』!東京書籍の2年生の教科書に載っていて、教員の初任時代に指導案を書いたこともあったなぁ。なつかしいなぁ。長男の教科書にも載っていたので、宿題の音読を聞くのが今から楽しみです。

 

 

さてさて~~~!

どん!!!!

 

どどん!!!!!!!

 

いぇ~い!すごいよね!!

絵本の原画やスケッチ、制作に関わるエピソードなどの展示はもちろん、ジオラマとか立体の展示もいろいろあって、面白かった!

期間中に何回か宮西さんご本人のワークショップ等も行われていたみたいで、その時の直筆の絵やメッセージなども飾ってありました。

しかも、展示は撮影可!太っ腹っっ!!でっかいウルトラマンの前で家族写真も撮れました~!嬉しかった!

 

壁にも怪獣がいっぱい!

楽しい仕掛けもありました。喜ぶ次男。

 

今回の展示を見て、宮西達也さんって本当に多作な作家さんなんだなぁ〜とびっくり。シリーズもいろいろあって楽しかったです。

ロビーに宮西さんの絵本が自由に読めるコーナーがあって、家族4人でしばらく楽しませていただきました。子どもたちにニャーゴの巨大絵本を読み聞かせしてたら私が泣きそうになっちゃったよ…桃食べたくなったよ…福島の桃美味しいよ…亘理の桃も美味しいよ…話を聞いてないって幸せなことなのかもしれないよ…

 

会場は、いわき市草野心平記念文学館。こちらの常設展も面白かった…草野心平、初めてちゃんと作品を知ったのだけれど、良かった…。荒々しく、猛々しく、血気迸るような言葉もあれば、繊細さやまっすぐさ、だらしなさ、独特なユーモアもあったり。そして、自然と共に生きている覚悟と、人間の弱さ、愚かさと、希望。アート。展示もそれを体現するような世界で面白かった…大人向けの展示で子どもたちは飽きちゃいそうだったので、夫に二人を託し、一人で浸らせていただきました…詩集も買っちゃった…自然にも癒された…

www.k-shimpei.jp

国語の便覧眺めながら、間寛平に似てる、とか、ぼーっとしたこと言ってる場合じゃなかった。

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そして去年のねずみくんのチョッキ展を思い出していた。

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そんなこんなで楽しく過ごせた夏であった…。

 

絵本も買ったし、読み聞かせにぴったりの楽しいお話も見つけたし、宮西達也さんシリーズ、また投稿すると思います!いえす!

 

『宮西達也Newワンダーランド展』は9月24日(日)まで開催されているので、お近くの方はぜひ!入館料がリーズナブルなのも良い!小中学生160円!素敵!いわき市

 

 

 

ちなみにトーマス号は、子ども達の年齢的にも今年がベスト…でも諸々の都合で他の時期に動かすのは難しいな…ということで!忙殺の夏休み勤務の中、週末を利用して弾丸で行って来ちゃったYO…!!執念!!私の身体的疲労が大変なことになりましたがとにもかくにも楽しかったです…ほんとに…ほんとうに…。ありがとうトーマス。暑かったよトーマス。千頭も行ってみたいなトーマス。

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残暑厳しすぎる毎日ですが、光の色は確実に秋の色になってきている。

だもんで、少しくらい涼しくなってもいいかと思いますよ。地球さん。

私の大好きな涼しい風の通る秋の夜まではもう少し。

みなさまどうか元気でお過ごしくださいね。

 

私も元気超回復したいっす!!!!!!!

 

ピコーン ピコーン

 

 

 

 

図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり

『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 

ジャン・ピンボロー 文 デビー・アトウェル 絵 張替惠子 訳

 

”まだ、女の人がじぶんのかんがえで仕事をえらぶのがめずらしかった時代、その女の子は、やがてニューヨークの街にでてせんもんのべんきょうをすると、図書館ではたらきはじめます。そしてニューヨークのあたらしいおおきな図書館に素晴らしい「児童室」をつくったのです。”(そでより)

 

1871年生まれのアン・キャロル・ムーアさんは、子どもたちのための図書館の普及に尽力しました。当時は子どもの入れない図書館が多く、「児童室」をつくるというその試みは、全く新しいものだったのだそう。

 

子どもの体の大きさに合わせた椅子やテーブル、子どもたちの手の届く本棚、居心地の良い空間、読書会、お話会、コンサート…今、当たり前に行われているあたたかな子どもと本との関わり合いは、アンを筆頭とした当時の熱いムーブメントの恩恵なのですね。

 

石井桃子さんが、1950年代のアメリカ滞在中にアンに会い、その思い出を『児童文学の旅』や『子どもの図書館』(共に岩波書店)に書いているとのこと。読んでみたい。

 

絵本自体もとても優しく、とても温かかったです。デビー・アトウェルさんの絵、素敵だなぁ。

 

文章を読んでいると、何度もこんな表現が出てくる。

 

「でも、アンは そんなふうには かんがえませんでした。」

「でも アンは、もっとべつのことを かんがえました。」

「でも、アンは そんなふうには おもいませんでした。」

「でも、アンは そうはおもいませんでした。」…

 

こう!と決まっていることに疑問をもって、新しい道を切り拓くこと。人々を導くこと。

 

今の時代、自分の意見は言いやすくなっているけれど、本当に良いものを見極める眼力、のようなものは、より切実に、大切になっているのではないかな。

胡散臭いものまでそれっぽくできてしまう時代だからこそ、いつも、本当に大切なものが何なのか、時には当たり前のような顔をして目の前にあるものにも疑問を投げかけていくことが必要なのかも。

 

今日は仙台市議選でしたが、ちゃんと投票行って外食(中食)したYO!

ありがとうマクドナルド!ハラペーニョ辛かったね!

 

仙台も、子どもに、また、それと同じように全ての方向に開かれた、すてきな街になっていってほしい。

私も、私の持ち場で、私にできることを、積み重ねていきたいよね。

 

『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 2013年

発行所 株式会社徳間書店

ジャン・ピンボロー 文 

デビー・アトウェル 絵

張替惠子 訳

 

 

 

よるのあいだに… みんなをささえる はたらく人たち

『よるのあいだに… みんなをささえる はたらく人たち』 

文 ポリー・フェイバー 絵 ハリエット・ホブデイ 訳 中井はるの

 

「わたしがパジャマにきがえるころ、

 ママは、でかける。

 たいせつな仕事にいくんだ。」(そでより)

 

皆がしーんと寝静まった夜。今、この瞬間にも、みんなのために働いている人がいる。

ビルのお掃除をしているサミーさん、ビルの安全をカメラで見守るジョルジオさん、警察官のハッサンさんとアミーナさん…

いろんな人が、いろんな場所で、いろんな人のために働いている。

 

温かくて優しい表情がとっても素敵な絵。

作者のお二人がイギリスの方ということで、ページをめくれば外国らしい町並みや色遣いが広がっているのだけれど、絵本の中に描かれている暮らし自体は、日本もイギリスもそう変わらないのだなぁと思う。働いている人々の名前が、ちゃんと一人一人書かれているのもいい。長男は“ルイージ・ベーカリー”というパン屋さんの名前を見て「マリオのルイージだ!」って大興奮しておりました。

 

ページをめくる度に夜の静かでひんやりとした空気やオレンジ色の灯の温度が伝わってくるようで、なんだかドキドキ、ウキウキ、ソワソワするような気持ちになってしまう私。これは大人ならではの感覚だろうか。長男はどんな風に感じているんだろう。寝る前にもぴったりの、何度でも読みたい1冊です。

 

 

 

さてさて、こちら、今年の低学年の部の課題図書となっている本でありました。

 

ババーーン!!!

 

課題図書!

と!

 

言えば!!

 

BUN★BUN★

 

DOKUSYO★KANSOBUN★★★

 

 

長男氏、昨年小学校に入学して初めて読書感想文に挑戦していたわけですが…

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なんと!

 

その後コンクールにて“部会長賞”というなんか凄そうな賞をいただいておりました~~!一年越しの後日談~~!

 

凄そうなだけで多分そんな凄くなくて市内止まりだったと思われますが、なんか貫禄ある賞の名前で賞状がかっこよかったです☆

親子そろってビギナーズラック☆(上記記事参照☆)

 

 

さてさてそんな調子で嬉しくなっちゃって「今年も書くぞ!」と燃えている長男ですが。

感想は彼が述べ、書き留めたとして。今年も、それらを並べで再構築してこんな順番で書いてはどうかと完全なるリーダーシップを発揮して文を完成させ、誤字脱字に目を光らせながら清書をさせるといういばらの道に歩み出せるのか!?私!?

 

(別にそんなことしないで任せたっていいんだけどね!!!やるからにはちゃんとやりたいよね!!!???)←職業病

 

まあ、楽しんで挑戦してみたいと思います☆今回星多め☆つのだ☆ひろダイアモンド☆ユカイ☆☆ダイアモンドユカイ六芒星だったかな☆☆☆

 

 

 

 

 

チラリと目に入って気付いたのだけれど、絵本の帯に「第69回課題図書の会は、課題図書の売上の一部を、被災地の学校図書館の図書整備のために、寄付をいたします。」という一文が。

 

去年に引き続き、課題図書から1冊好きなの買ってあげるよ~!という甘い囁きで長男を釣り上げているわけだが、なるほどどうして、購入費の一部が被災地の学校図書館の図書整備に使っていただけるなんて素敵じゃあないの。

お気に入りの課題図書を見つけたら、ぜひ新品でお手元に迎え入れていただき繰り返し繰り返し楽しんでみてはいかがでしょうか。(関係者じゃないくせに宣伝してみる)

 

 

そうして、それが巡り巡って、また別のどこかで誰かが素敵な本と出会うきっかけとなったなら、なんか、いいよねぇ。

 

『よるのあいだに… みんなをささえる はたらく人たち』 2022年

発行所 BL出版株式会社

文 ポリー・フェイバー 

絵 ハリエット・ホブデイ 

訳 中井はるの

 

 

わすれられないおくりもの

『わすれられないおくりもの』 スーザン・バーレイ さく え 小川 仁央 やく

 

ここ半年、いや、もしかしたら1年くらい。もっとかな。

 

「ぼく、死んじゃわない?」

 

と、長男が、よく呟くようになった。

 

寝る前。寂しい時。舞台や映画などで心動かされた時。あとは、すごく嬉しいことがあった後にも。

 

曾祖父母との別れを経験したり、いろんなニュースの影響とかもあるのかなぁ。

 

とにかく、ふとした隙に死の恐怖のようなものがヒューっと入ってきては、彼を悩ませているらしい。

 

大丈夫だよ、と受け止め続けているけれど、あまりにも言うもんだから、時に「大丈夫だってば!」と冷たく言い放ったりすると、わかった、と言いながら「ぼくは死なない、死なない…」と小さくモゴモゴ唱えていたりする。ううぅぅ、こうやって改めて書くとかわいそうだな。。。

 

そういう感覚は私にも痛いほど覚えがあって。

 

私も小学校低学年の頃、そして高学年の頃。自分の中では2回。死ぬのが怖くて怖くて仕方なかった時期があったように思う。

寝る前には布団を頭までかぶって毎晩神様にお祈りをした。自分が死なないように。自分の家族が、友達が、みんな、みんな、世界中の人が、みんな、死なないように。

 

息子も、今、そういう時期なのかなぁ。

 

 

 

何となく良い関わりができないかなぁとずっと思っていた時に、Eテレの「グレーテルのかまど」で『わすれられないおくりもの』のしょうがパン(ジンジャーブレッド)の回を観た。

 

繊細な彼にこの本を読むのが良いのか、そうでないのか、すーごく、すーごく、迷ったけれど、絵のかわいさに引き寄せられるように「これ読んで~」と言うので、心を決めて、ちょっと悲しいかもよ、でも、とってもいいお話だよ、と添えて、丁寧に、読んでみることにした。

 

 

 

かしこくて、いつもみんなに頼りにされていて、困っている友達を誰でも助けてあげる、知らないことはないというぐらい物知りのアナグマ

そんなアナグマは、自分がもうすぐ死ぬということを知っていた。自分が死ぬことは怖くないけれど、残していく友達が気がかりで、自分が死んでもあまり悲しまないように、と伝えていた。

ある日、ついに、アナグマは死んでしまう。友達はみんな、ひどく悲しむのだけれど…

 

 

 

結論から言えば、息子の反応は、特に、なし。

 

「ぼく、死んじゃわないよね?」の変化も、特に、なし。

 

いいお話だねぇ、

 

と言って、普通に、眠りについた。

 

 

 

でも、その後も何度か「読んで」と言って来るから、きっと、多分、怖くはないのだと思う。

 

天然くんなので“長いトンネルのむこう”という表現を理解していないだけなのかなとも思ったけど笑、可愛い動物たちが出てくる優しい絵を眺めながら、2歳の弟も一緒になって静かにお話を聞いてくれる。

 

言葉や絵に込められた絵本の優しさや愛情のようなものは、ちゃんと、届くのだと思う。

 

 

 

ちょっと前におばあちゃん(私の母)が泊まりに来た時にも、「ぼく死んじゃいたくない…」と呟いた長男くん。

 

「そりゃあ、死なないように生きるしかないわよぉ~!!」

 

と、母。お母さんのこういうところ、ちょっと良いと思う。

 

心と体においしいご飯を食べて、よく遊び、よく眠り、安全に過ごせるように努める。そうして、元気に、前を向いて、生きていくしかない。それが、生きるということなのかな。

 

 

 

長男が生まれたとき、小さな丸い顔を見ながら、この顔がしわしわのおじいさんになるまでどうか生きていってほしい、と願った。

 

たくさんの人と出会い、たくさんのことを知り、たくさんのことを経験し、そしてもう十分、と思えた後に死んでいくということができたら、それは、幸せなことなのだと思う。

 

 

 

どうか、私の子どもたちが、周りの全ての人が、世界中の、みんなが、最後まで、幸せに、生きていけますように。

 

布団の中でお祈りしたくなる気持ちは、今もそう変わらないけれど、死なないように、ではなく、幸せに生きていけるように、になったのは、大きな変化かもしれない。

 

息子も、そんな風に、生きるということを、大切に、思い始めているのかな。

 

『わすれられないおくりもの』 1986年

発行所 評論社

スーザン・バーレイ さく え 

小川 仁央 やく

 

 

はこぶ

『はこぶ』 文 佐々木幹郎 絵 いわむらかずお

 

はこぶ。

 

風や波が。虫が。獣が。鳥が。そして、人が。

 

運ぶ、もの。運ばれる、もの。運ぶ、道。

 

 

14ひきシリーズのいわむらかずおさんの温かく優しいイラストに、ふわっと漂うユーモアが何ともすてき。

一緒に読んでいた長男も絵を眺めてフフっとしておりました。

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気になったのは、発行所の名前“復刊ドットコム”。発行所のHPを見てみると、

 

復刊ドットコムは、絶版・品切れの本を皆さまからのリクエスト投票により、復刊させるサービスを行っています。」

 

とのこと…なんてワクワク。他の本もチェックしてみたい。

ということは、この本もかつての名作の復刊なのでは。と思ったら…やはり!

 

※本書は、1983年に日本ブリタニカ社から刊行された「ブリタニカ絵本館ピコモス」(全25巻)の中の『はこぶ』を底本に、新たな装丁で復刊するものです。

 

との記載が。


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1983年、訪問販売のみで発売された伝説の「ピコモス」絵本シリーズが、“五感のえほん”として復刊!

詩人・佐々木幹郎と「14ひきのシリーズ」(童心社)などで知られる絵本作家・いわむらかずおが描く『はこぶ』が、あらたな装丁でよみがえります!

 

▼<五感のえほん>とは?

復刊ドットコムが放つ、新・絵本レーベルです★

元々は1983年に、ブリタニカ絵本館ピコモス(日本ブリタニカ社刊/全25巻/監修・谷川俊太郎小松左京)として“訪問販売でのみ”発売された絵本シリーズ。

再編集にあたり、わたしたちの社会や生活に根付く五感(みる、きく、かんじる…)でのセレクトを行い、<五感のえほん>(全10冊・第1期/第2期)として発刊いたします。

人間の動作的なものに加え、子どもたちが日常の中で直面すること、感じてほしいことを一流作家たちが存分に表現したオリジナル絵本です。

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                 (以上HPより引用させていただきました)

 

2016年発刊なのに、この懐かしいときめきは何なのだろうと思っておりました。ずーっと眺めていたいような絵。触れていたい言葉。世界。

 

そして、なんとなくお話のベクトルがあちらにこちらに自由に飛び回っているように感じたのは、再構成したからこその空気感だったのね。

 

シリーズの他の絵本も読んでみたいなぁ。

 

 

 

さてさて、あっという間の新年度ですね。本当にどうしてこうも時間は過ぎてしまうのか。

 

昨日すれ違った車のボンネットに、桜の花びらがたくさん乗っていたのだけれど、

どこから来た車だったのかなぁ。どこへ行くのかなぁ。

 

車も、そして、私たちも。

運んでいるのね。

生きている限り。

 

素敵なものを、運びたいな。運んでいたいよな。

 

『はこぶ』 2016年

発行所 復刊ドットコム

文 佐々木幹郎 

絵 いわむらかずお

 

 

 

がたん ごとん がたん ごとん

『がたん ごとん がたん ごとん』 安西水丸さく

 

 

“がたん ごとん がたん ごとん”と走る汽車。

「のせてくださーい」と待っていたのは、ミルクの入った哺乳瓶。次の駅ではコップとスプーン、その次の駅ではりんごとバナナ。その次の駅ではねことねずみが待っていて…

 

言葉も絵もストーリーも、とってもシンプルな絵本。ベイビーにもぴったり、にっこり。

長男が赤ちゃんの時にプレゼントでいただいて何度も何度も読みましたが、次男もやはり何度も何度も読んでいます。絵本というエンターテインメント、コスパ良すぎるぜ!感謝!般若!

 

あっという間に4月末に2歳になる次男は、かなりおしゃべりが達者になってきて、物の名前もいろいろ覚えてきたし、周りの人が話した言葉を真似して言うことも増えてきたし、歌も歌えるようになってきたし、昨日は「ママ、おぁぇり~♡(ママ、おかえり~)」なんて言ってくれちゃってびっくり&嬉しかったんだけど、なぜか未だにママとパパの区別がついてない彼…そうよ、私がママよ!イグザクトリィーー!!!でもまた今朝私のこと「パパ!!!」って呼んでたな。早く覚えてね(はぁと♡)

 

最近は兄貴同様鉄分多めに育っていて(説明するのは野暮ですが鉄道の鉄です)、「でんしゃ!!!!!!!」の勢いが半端ねぇ。「かっこいいよ~!!!!!」と推しへの愛が止まらない。(最近の推しは、こまちとドクターイエロー)

 

私の言葉を反復しながら一緒に読んでくれる君…まさに絵本のゴールデンエイジやね。全然新規開拓できてないけど、言葉の世界を繰り返し繰り返し、楽しんでくれているみたいです。

 

この絵本、顔が、色が、何とも素朴でかわいいんだよねぇ~。そして、なんかシュールなのも良い。

身近な道具、食べ物、生き物。

最後まで読んで裏表紙を閉じると、汽車のシーンは、最後に出てくる女の子の遊びの世界を描いていたのかなぁ、と、思う。こどもの、こどもによる、こどものための、せかい。

 

最後にねことねずみが来るところでは、客車?荷台?は、もういっぱいなのにどうするんだろう…とドキドキするんだけれど、そこに乗るんかーーい!というツッコミとともに汽車の優しさを知るわけですね。もはやインドですね。これは。

 

人気絵本だけあって、グッズも売ってて嬉しい♡

絵本と一緒にプレゼントするのも楽しいよっ

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こちら、1987年発刊だったのですね!

…同い年やないかい♡

 

私の歌に長男を想って書いた汽車の歌があって、絵本を手に取った長男が何気なく口ずさんでくれて嬉しかったです。ありがとうね。

 

 

さて、またしても久々になってしまいましたが、どうにかこうにか元気にやってます。

みんなも元気?

どうか元気でありますように。元気がモリモリ湧いてきますように。

またね!!!

 

『がたん ごとん がたん ごとん』 1987年

発行所 福音館書店

安西水丸 さく

 

 

 

 

キース・へリング ぼくのアートはとまらない!

キース・へリング ぼくのアートはとまらない!』 

ケイ・A・へリング 文 ロバート・ニューベッカー 絵 

梁瀬 薫 訳 中村キース・へリング美術館 監修協力

 

 

あけましておめでとうございます。

なんということでしょう、年が明けてしまいました。

そしてなんということでしょう、もう7日になってしまいました。

時間って不思議!←今週のおさるのジョージでも言ってたYO。

 

 

さて、2023年一発目はキース・へリングの伝記絵本から!

表紙の“光りかがやく赤ちゃん”が何とも新年のおめでたい空気にぴったりですよね、そうですよね!!??2023年が世界中の全ての人々にとって明るい一年になってほしいなぁと思います。…ほんとうに。切実に。

 

「キースという名前の、

   絵をかくことが大すきな男の子がいました。

       いつもかいて……

           またかいて……

   やがて、ゆうめいな

   アーティストになりました。

   でも、キースにとって

   一番だいじだったのは、

   じぶんのアートを

   みんなとわかちあうことでした。」 (そで より)

 

キース・へリングといえば、踊っている人の絵や、四つん這いの人の絵(…これが前述の“光りかがやく赤ちゃん”そう、これが赤ちゃんである、ということをこの本を読んで初めて知り、超感激している私!赤ちゃんか。これ。そうなのか!そう思ったら尚、最高じゃん。超いいじゃん…!)などなど有名な作品を描いたアメリカのアーティスト。ハスラーのCMにも使われていたわねっ!長男も一昨年買ったキース・ヘリングの絵が描かれたTシャツを気に入って着ていたなぁ。エネルギッシュで、ポップで、すごくキャッチ-な絵。

この絵本は、そのキースの妹によって描かれたもの。キースの幼い頃からアーティストとして活躍するようになるまでの様子や、その貢献と活躍ぶり、亡くなった後も尚、人々に愛されていることなどが、ご本人の作品とともに描かれている。

 

さて、絵本を読んだワタクシ、いかに自分が欲深い人間か、と、打ちのめされてしまいました…

キースが高校生の時に一等賞を取った絵をお金持ちの夫婦が買いたいと言うと、彼は無料であげると申し出たのだそう。また、ニューヨークで暮らし始めると、街中の壁や歩道や街灯のはり紙など、掃除されたり雨に流されたりして消えてしまう場所にも次々と絵を描き、壁に描いたら罰金だと言われれば罰金を払って絵を描き、子どもの病院の壁に絵を描き、子どもたちとともに絵を描き、何にでも絵を描き…描いた絵は惜しみなく相手に譲り、その絵の解釈さえ観る者に委ねて、自身が絵を描くこと、そして絵を観る人が自由に楽しむことを喜びとしていたみたい。

何より私がゴーーーーンと頭を殴られたような気持ちになったのは、ギャラリー一面の絵が全て売り切れた時に、売ったお金をどうするか聞かれた時のこの言葉。

 

「まんぞくにごはんを食べられない子どもたちがいるって新聞で読んだんだ。きのうまでこのお金はなかったけれど、ぼくはしあわせだった。あした、もし、このお金がなくても、ぼくはしあわせだよ。だから、ごはんを食べられない子どもたちに、ぜんぶあげるんだ」(本文より)

 

…なんて。なんて。

そうだよね…今の暮らしの不満ばかりを述べて、〇〇だったら、もう少し〇〇になれば、なぞと文句ばかり垂れてしまう私。

でも、今、私には、家族がいて、やりたいこと、やるべきことがあって。節約がライフワークにはなったけれど、食べることに困ってはいないし、時には私たちなりの贅沢だってできる。

もちろん、みんながよりハッピーになる暮らしを追い求め続けていきたいとは思うけれど、それはお金があるとか、いい暮らしをするとか、そういうことではないのだと。芸術とは、そんな傲慢なものではないのだと。…なんだかもう、背筋がバリバリのびてしもうたよね。なんかね、転職したこともあって、金、金、金、みたいに思っちゃった時期があってね。マジ反省。ろくでもねぇ。そして、心から、自分の傲慢さを恥じました。そして、芸術とは、と、いま、思いを巡らせているのです。

日本にも「中村キース・へリング美術館」というのが山梨県にあるのね!行ってみたいなぁ。

とっても素敵な絵本でした。

この言葉や今の気持ち、心が動いたこと。ちゃんと胸に留めておきたいと思う。

 

 

さて、2023年も、きっとうさぎの如く飛び飛びの更新となってしまうかもしれませんが、いろんな絵本と出会ってその世界に触れ、日々の隙間をぬいながらパソコンの前に座って言葉を綴っている時間がやっぱり私には面白いのです。ぼちぼち、ぴょんぴょん、今年も少しずつやってみようと思っています。あとは、音楽の方も充実させたいです。仕事もいろいろ変化がありそうなので心身を大切に楽しんでいきたいと思います。そして何より家族がみんな元気で過ごせるよう、今年も走り続けたいと思います。

 

みなさんにとっても、素敵なこと、幸せな気持ちがたくさんあふれる一年になりますように。

今年もこの駄文にお付き合いいただきながら、絵本の、そして日々の暮らしの嬉しさ、楽しさ、美しさ、それ以外にも…どうか気軽に、一緒に味わっていけましたら幸いです。

 

今年もよろしくね!!!!!!!!

 

キース・へリング ぼくのアートはとまらない!』 2018年

発行所 評論社

ケイ・A・へリング 文 

ロバート・ニューベッカー 絵 

梁瀬 薫 訳 

中村キース・へリング美術館 監修協力

 

 

 

オーケストラ 世界の町で 楽団員を さがそう!

『オーケストラ 世界の町で 楽団員を さがそう!』 さく・え クロエ・プラルノ やく うちださやこ

 

図書館にて、長男に迷路や絵探しの本を借りようかなぁ~と思ってその辺りのコーナーを見に行ったら、めちゃきゅんきゅんする本を見つけた!!!

 

「みんなバカンスに行ってしまったって!?」

「コンサートまで1週間しかないぞ。はやく、楽団員をさがしにいこう!」 (本文より)

 

こう話しているのは、オーケストラのマエストロとアシスタント。

アイスランド、日本、ポルトガル、ロシア、フランス、ギリシャ、トルコ、エジプト、イタリア、ブラジル、コートジボワール…各国のいろんな都市に旅に出てしまったオーケストラの団員たちを、彼らから届いた手紙をヒントに探していく。

 

『せかいじゅうから たっくさん!』

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とか、『MAPS』みたいな雰囲気に、ウォーリーを探せ要素をプラスした感じね!まるで世界旅行~!!

オーケストラの楽器にも触れられるから、長男と楽器の名前を確認しながら読み進めるのが楽しかったっ!!

 

 

東京のページのカオスさはなかなかのもの。あれですね、監修してくれ!と突っ込まざるを得ないぶっ飛んだ日本語の看板の数々。ぜひこの本を手に取ったらその辺りも注目して読んでみてほしい。おもろいです。笑

ネットフリックスの“ミッドナイトアジア”っていう番組が面白くて、東京の回を観て、世界におけるジャパン、トーキョーのイメージって、こんな感じなんだな~と思ったりしたんだけど、外国(特に欧米)から見た東京の街というのは、やはりどこかオリエンタルでカオスでユニークな印象なんだね~。きっと。

 

 

最後のページのコンサートに、世界中の各都市からお客さんが聴きに来ているのもとても素敵。世界はひとつ。ひとつなんだよー。

 

長男は太鼓から足が生えてる人?が気に入って、めちゃ笑ってました!あと、イタリアのシンバルさんね!!

 

こういう本、好き~!楽しかったぁ~!

 

『オーケストラ 世界の町で 楽団員を さがそう!』 2018年

発行所 KTC中央出版

作者 クロエ・プラルノ