『はこぶ』 文 佐々木幹郎 絵 いわむらかずお
はこぶ。
風や波が。虫が。獣が。鳥が。そして、人が。
運ぶ、もの。運ばれる、もの。運ぶ、道。
14ひきシリーズのいわむらかずおさんの温かく優しいイラストに、ふわっと漂うユーモアが何ともすてき。
一緒に読んでいた長男も絵を眺めてフフっとしておりました。
気になったのは、発行所の名前“復刊ドットコム”。発行所のHPを見てみると、
「復刊ドットコムは、絶版・品切れの本を皆さまからのリクエスト投票により、復刊させるサービスを行っています。」
とのこと…なんてワクワク。他の本もチェックしてみたい。
ということは、この本もかつての名作の復刊なのでは。と思ったら…やはり!
※本書は、1983年に日本ブリタニカ社から刊行された「ブリタニカ絵本館ピコモス」(全25巻)の中の『はこぶ』を底本に、新たな装丁で復刊するものです。
との記載が。
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1983年、訪問販売のみで発売された伝説の「ピコモス」絵本シリーズが、“五感のえほん”として復刊!
詩人・佐々木幹郎と「14ひきのシリーズ」(童心社)などで知られる絵本作家・いわむらかずおが描く『はこぶ』が、あらたな装丁でよみがえります!
▼<五感のえほん>とは?
★復刊ドットコムが放つ、新・絵本レーベルです★
元々は1983年に、ブリタニカ絵本館ピコモス(日本ブリタニカ社刊/全25巻/監修・谷川俊太郎、小松左京)として“訪問販売でのみ”発売された絵本シリーズ。
再編集にあたり、わたしたちの社会や生活に根付く五感(みる、きく、かんじる…)でのセレクトを行い、<五感のえほん>(全10冊・第1期/第2期)として発刊いたします。
人間の動作的なものに加え、子どもたちが日常の中で直面すること、感じてほしいことを一流作家たちが存分に表現したオリジナル絵本です。
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(以上HPより引用させていただきました)
2016年発刊なのに、この懐かしいときめきは何なのだろうと思っておりました。ずーっと眺めていたいような絵。触れていたい言葉。世界。
そして、なんとなくお話のベクトルがあちらにこちらに自由に飛び回っているように感じたのは、再構成したからこその空気感だったのね。
シリーズの他の絵本も読んでみたいなぁ。
さてさて、あっという間の新年度ですね。本当にどうしてこうも時間は過ぎてしまうのか。
昨日すれ違った車のボンネットに、桜の花びらがたくさん乗っていたのだけれど、
どこから来た車だったのかなぁ。どこへ行くのかなぁ。
車も、そして、私たちも。
運んでいるのね。
生きている限り。
素敵なものを、運びたいな。運んでいたいよな。
『はこぶ』 2016年
発行所 復刊ドットコム
文 佐々木幹郎
絵 いわむらかずお