『3だいの機関車』
ウェルバート・オードリー作/レジナルド・ダルビー絵
桑原三郎・清水周裕 訳
トーマス!
だと思うでしょう?
なんと、この本、トーマス、デテコナイ…
3台の機関車とは、エドワード、ゴードン、ヘンリー。
機関車トーマスシリーズの原作となった『汽車のえほん』シリーズは、この1冊から始まったのだそうです。
作者のウィルバート・オードリーは、息子のクリストファーがはしかにかかった時に機関車の物語を詩にして語り聞かせ、それをもとに本作の物語を書き上げました。
その後、ウィルバートが、息子へのクリスマスプレゼントとして木片から作り上げた機関車のおもちゃに息子が「トーマス」と名付けたことから、トーマスが誕生。次々とお話の続編が書かれていったそうです。
なんと!大人になった息子のクリストファー・オードリーもシリーズを引き継いで(27巻~)物語を書いたんだって。素敵ね!でも、クリストファーバージョンの絵本は日本語には未翻訳なのだそう。絵本シリーズは、2011年に発行された42巻が最終巻なのだそうです。結構最近だね。
『3だいの機関車』は4話で構成されていて、ゴードンは現行とほぼ同じキャラだけれど、ヘンリーは結構わがまま&情けないキャラ。心優しきエドワードが、今のトーマス的位置付けになっている。“ふとっちょの重役”というのがトップハムハット卿。ハット卿ってかわいいよね。帽子が飛ばされてヤギのおやつになる、というくだりで息子がゲラゲラ笑っておりました。そうそう。結構笑えるんだな、これが。
今回読んだのは、2005年にポプラ社から発行された同作名の絵本を新装改訂したものだそうですが、絵もとっても素敵だし、イギリス感が超いい感じだし、ミニサイズで持ち運びにも1、2人への読み聞かせにも便利!かわいい絵本でした。
今はいろんなものに興味が向いてきたけれど、かつては電車命!だった我が息子。横浜の鉄道博物館にトーマスの展示を観に行って、大興奮でジオラマを眺めたのが懐かしい。実際に撮影に使われた模型だったらしいよっ!初めてのクリスマスプレゼントもトーマス。パズルデビューもトーマス。映画館デビューもトーマス。数字はトーマスで覚えたっけ。お母ちゃんは大井川鉄道の動くトーマスに乗ってみたいです。ありがとうトーマス。これからもよろしくトーマス。
さて、私が子どもだったの頃の機関車トーマスといえば、森本レオのナレーションで、リアルな顔した機関車たちがとにかく調子に乗って失敗してトップハムハット卿に怒られて、なんだかモヤモヤすることもあるけど面白い…みたいな感じだったんだけど、今のトーマスはアニメになって、ストーリーも実写時代よりもっとハッピーで前向きだなぁと思う。特に言葉遣いとかね。
前の後味悪いブラックな感じも好きだったんだけどね。時代だね。コンプラ。
絵本の世界も、とっても魅力的でした!
『3だいの機関車』 2010年
発行所 ポプラ社
原作:ウェルバート・オードリー
絵:レジナルド・ダルビー
訳:桑原三郎・清水周裕