『えらぶえほん』
絵=ニック・シャラット 文=ピッパ・グッドハート 訳=聞かせ屋。けいたろう
万人にとって、暮らす、というのは忙しい。
殊、子育てしながら働く者の家庭生活はカオスだと思う。
我が家の場合、夜みんなが帰宅するや否や私はイライラと白目剥きながら食事と風呂の支度をし、アニキの宿題の丸付けとピアノ練習で怒号が飛び(飛ばさないように気を付けてはいるんだ…いるんだぜ…)、保育園から帰って来た子豚ちゃん、いや、次男がお腹空いた何か食べたいと叫びまくる、というのがデフォルトなのだが。
先日、何だか平和な空気が流れていると思ったら、パパを囲んで男たちが何だか楽しそうにキャッキャウフフしている。
と思ったら、この本を読んでいた~~!
「きみが いって みたいのは どこ?
うみ? やま? じゃんぐる?
ゆびを さして おしえてね」(本文より)
一面に広がる楽しそうな世界。
穏やかな湖や砂漠、都会的な街、広大な海に、噴火する火山まで。
絵本の読者は行ってみたい場所を選んで指を差す。
行ってみたい場所だけじゃない。友達になりたい人、家族になりたい人、住んでみたい家、部屋に置きたいもの、乗りたいもの、食べたいもの、着たいもの…いろんなFavoriteを「選ぶ」ことで楽しむ絵本。
とっても楽しそうだったもので、「ママも混ぜて~!」と入れてもらったのだが、好みって本当にそれぞれ違うのね~。みんなそれぞれに「らしい」ものを選ぶから面白かったです。2歳もちゃんと選んでいました。
そういえば中学生の頃も友達とファッション雑誌見ながら、どのコーディネートが好き?ってせーので指差したりしてたし、アイドルの写真を見てどの人がタイプ?とかやったよねっ。なんかそういうのやるよねっ。
こうしてみんなそれぞれに選んでみれば、価値観や、何を好しと思うのか、というのは、ほんとうに一人一人違うのだということが良く分かる。
そして、何人にも邪魔をされず、これが好き、と言えること、選べることは、楽しくて、幸せで、「自分」を大切にする気持ちを満たすことができる機会になると思う。
いや~なんか素敵だと思ったらさ、世界で100万部のベストセラーなんだってよ!
一人一人の違いをへぇ~!って楽しんで、それもいいねって共感しあって、全ての人がのびやかに生きていける世界が来ますように。意見の押し付けヨクナイヨ!潰し合いヨクナイヨ!そういうのコワイヨ!
2024年。悲しみや不安が過る度に胸が締め付けられてしまうけれど、どうか困っている方、苦しんでいる方が、一刻も早く安心して暮らせるようになりますように。少しずつでも悲しみが癒えていきますように。
まずは、目の前の、暮らし!!!おだやかな暮らし!太い根を生やし!!
今年も、素敵なこと、楽しいこと、幸せだなぁって思える瞬間が、世界中の全ての人にいっぱい、いっぱい、ありますように。
2024年も飛ばしてくぜ!!!(気持ちだけはなっ!)
今年もよろしくお願いします!!!!!
『えらぶえほん』 2019年
発行所 株式会社 講談社
絵/ニック・シャラット
文/ピッパ・グッドハート
訳/聞かせ屋。けいたろう
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