絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,児童発達支援スタッフ,目下年中男児育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。子育て中のママ・パパ,保育・教育に関わる先生方,読み聞かせボランティアの方etc...絵本を選ぶ方のために,絵本を待っている子どもたちのために,少しでも力になれたら嬉しい。そして自分と本と,子どもたちとの軌跡を確かめたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。楽しんで&役立ててもらえるといいな!

たこやきようちえん

『たこやきようちえん』 さいとう しのぶ

 

幼稚園が大好きな我が息子。“ようちえん”の文字に目を輝かせ、オマケにたこやきもモチロン大好き。というわけで「これ読みた~い!!」という彼のリクエストにて手に取ってみました。

 

表紙には、“たこやき”と書かれたちょうちん、ジュージュー鉄板で焼けている美味しそうなたこやき、そして、ハの字眉の優しそうなたこやき屋のおじさんと、かわいい6人(個?)のたこやきボーイズ&ガールズたち。

 

ニコニコ笑顔でたこやき屋さんの前を通る幼稚園の子どもたちの姿を見て、ちっちゃな6人のたこやきたちは歌い出す。

 

♪いいなあ、いいなあ、ようちえんに いきたいなあ!(本文より)

 

「じゃあ、たこやきようちえんに いくと いいよ!」とおじさんが言って、なんと6人は、次の日から幼稚園へ通うことに…!わくわくドキドキなたこやきたち。さて、たこやきたちは無事に幼稚園へ行くことができるのでしょうか。そして、“たこやきようちえん”って、一体どんなところなのでしょう…

 

 

 

6人のたこやきたちにはそれぞれ名前が付いていて、私は、“じゅうくん”というたこやきが息子に似ていると思うんだけど、それを言ったらなんだか不服そうだったので、胸の中にそのまましまっておくことにしました。結構似てると思うんだけどなぁ。笑

 

ニコニコ優しい大きなタコの“たこや きよこ先生”がお迎えに来て、いろんなことを乗り越えながら幼稚園へ向かう6人。

彼らは事あるごとに歌を歌っているんだけれど、実は歌にはメロディーがあって、絵本の一番最後に楽譜が載っている。そのメロディーに当てはめながら歌を歌えば、気分はたこやきボーイズ&ガールズ。

最後の方に出て来る長~いすべり台は、すべての子どもたちの夢!憧れ!私、まじで小学生の時、屋上から家まで続くすべり台があればいいのに、って思ってたわ。

 

 

作者のさいとうしのぶさんは、ご自身の息子さんと通った幼稚園への道のりに想いを馳せながらこの作品を描いたのだそうです。

我が家は車での送り迎えだけれど、一緒に歩いて通園するって、す~ごく素敵なことだよなぁ、と、思う。そこで出会う人々が、道の草花が、町の風景が、子どもたちの心を(大人の心だって)、育ててくれるよね。車の窓から見る景色だって、車の中でのちょっとした会話だって、もちろん、大切な思い出になっていくんだとは思うけどね。

 

 

あとはね、おじさんが作ってあげる、ちっちゃなちっちゃなお弁当がとっても可愛くてツボ!

なんとも、のほほんとした、ゆる~い絵本でありました。

 

 

 

ちなみに我が家の近くには老舗のたこやき屋さんがあるので、いつも誘惑に負けないように必死。たこ焼きと焼き鳥とビール!!!あああ!!!

 

♪たべたいな~たべたいな~〇〇のたこやき たべたいな~!!!!!!

 

『たこやきようちえん』 2009年

発行所 ポプラ社

作者・さいとう しのぶ

 

 

うちにかえったガラゴ

『うちにかえったガラゴ』 島田 ゆか

 

旅するかばんの屋のガラゴ。

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そんなガラゴの、オフシーズンの、お話。

 

 

寒いのが苦手なガラゴが旅をするのは、暖かい季節だけ。

冷たい北風が吹いてくると、家に帰って、ぬくぬくと寒い冬をやり過ごす。

 

今年も寒い冬がやって来て、ガラゴは山を越え川を渡ってお家に到着。旅の疲れを癒してくれるあったか~いお風呂に入ろうとするのだけれど、どんどんお客さんがやってきて…

 

 

 

いや~ん!やっぱりキュンキュン♡

ガラゴのお家の素敵なこと~!かわいくて楽しいインテリアにニヤニヤしてしまう。

しかも、さすがガラゴ。お風呂まで、かばん型。いろんなお風呂グッズが収納してあって、かわいい上にバッチリ機能的。みんなで入るお風呂って最高だよねぇ~!モコモコ泡で満たされた大きなバスタブにたくさんおもちゃを浮かべて、思い思いにお風呂タイムを楽しむ。息子は、眠ってしまったガラゴが泡まみれの目を開くところで爆笑しておりました。やっぱり、何かと、ツボらしい。

最後にみんなで囲むお食事も、本当に素敵。そして本っ当に美味しそうなのです。窓の外に雪が降るのを眺めながら、キャンドルを水に浮かべたテーブルセッティングでみんなでワイワイお食事だなんて、最高だぜ~!

 

 

ガラゴ家、いいお家だなぁ。あたくしったら、いつもバタバタと家を出ていくけれど、帰ってきたときに気持ちの良い家、というのを心掛けたい、と。そして、暮らしを楽しむ日々でありたい、と。…島田ゆかさんの絵本を見ると、本当にそう思うんですよね。

 

 

 

そしてね、何よりね、サブキャラクターたちが、たまらないんだよぉ~~!!!バムケロに出て来るあの子やこの子…

なんと最後には、あの2人が…!

本編はもちろん、ページのいろんなところにかわい子ちゃんたちが隠れていて、ニヤニヤ、ウフフ、間違いなし。

寒く凍れる心を温める、ほっくほく、冬の大ボーナス的な1冊でした。

 

 

 

やっぱり、冬のぬくぬくって、しあわせだ!

 

『うちにかえったガラゴ』 2002年

発行所 文溪堂

島田 ゆか 作/絵

 

 

ナガナガくん

『ナガナガくん』 シド・ホフ 作・絵/小船谷佐知子 訳

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ナガナガくんは、犬。

 

ナガナガくんは、長い。

 

何が長いのかといえば…

胴がとてつもなくながーーーーーーい犬だったのです…!

 

 

ダックスフントといえば胴長の犬種だけれど、ナガナガは、そんじょそこらのダックスフントとは違う。

あんまり長くて自分のしっぽは見えないし、角を曲がるときはおしりがついてきているかどうか分からない。犬小屋からはいつもはみ出しちゃうし、他の犬たちからは「ソーセージみたい」と笑われる。

でも、ナガナガは全然気にしない。体が長ければたくさんの子どもたちと遊べるし、飼い主のおばさんはナガナガをとても可愛がってくれるのだから。

ところが、ある日、大好きなおばさんを置いて、ナガナガは家出をすることに…

一体なぜ?そして、ナガナガとおばさんは、どうなってしまうのでしょう。

 

 

 

まず、絵がかわいい~!作家のシド・ホフさんは、漫画を描いているだけあって、ポップでコミカルな絵が、眺めるだけでもかわいい。

そして、ナガナガの長さったら、本当に長いのです!インパクト!!出だしから、息子ゲラゲラ。掴みはバッチリ!ニヤニヤしながら読み進めていきました。

 

日本語訳版は1999年に発行されていたけれど、このお話がアメリカで初めに出版されたのは、1964年。60年近くも前だ~!原題は『LENGTHY』。Lengthyという単語は“length”の形容詞だけれど、非常に長い、冗長な、長ったらしい、な~んて意味があるらしい。ちょっと間抜けで、愛らしい。“ナガナガくん”というのは、なんとも名訳だと思う。

 

絵本のそでには、

「1960年代から

アメリカで読みつがれてきた

おおらかで楽しい絵本です。」

と、あった。

 

国や時代を超えて楽しめるテーマ。

笑って、泣いて、ほっとして。

息子もナガナガくんやおばさんに感情移入して、表情をコロコロ変えながら聞いてくれました。

サッパリと笑えるのに、なんだか心にほんわり残る。集団での読み聞かせにもオススメの1冊です。

 

『ナガナガくん』 1999年

発行所 徳間書店

シド・ホフ 作・絵

小船谷佐知子 訳

 

 

ももたろう

今週のお題「鬼」

 

『ももたろう』 馬場のぼる

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節分です!

立春立夏立秋立冬の、それぞれの前の日が節分。本当は節分は年に4回あるけれど、豆まきをする立春の前の節分だけが今は有名になっているんだね~、という話を、去年ググって子どもたちにしたなぁ。その時は豆まきの絵本を読んだなぁ~。1年前かぁ~。遠いような、あっという間だったような。

豆まきするのは2月3日、というイメージだったけれど、今年は暦の関係で124年ぶりに立春の日が1日前倒しとなり、2月2日が節分になったのだそうです。スペシャルイヤー!

 

 

さあ、世には鬼滅旋風が巻き起こっているけれど、仕事でも鬼滅のお面作って豆まき(という名のボール投げ遊び)をしたけれど、YouTube観て鬼滅の折り紙とかめっちゃ折ったけれど…“鬼退治”といったら、やっぱり『ももたろう』でしょうっ!

 

幼稚園でも読んでもらっているようで、息子もストーリーは知っていたみたい。

ところがどっこい、有名すぎるお話って、絵本もいろんなバージョンがあるじゃないですか。日本には、『ももたろう』だけで、一体何種類の絵本が発行されているのだろう。

 

図書館にズラリと並ぶ『ももたろう』から、ママが選んだのは…馬場のぼるさんバージョン。

『ももたろう』ってさ、渋い絵が多いのよね。あとはさ、個性の強すぎる『ももたろう』っぽくない絵も、気分ではなく…なんか、程よくまぁるく、素敵だなぁと思ったのが、11ぴきのねこシリーズを描いている馬場のぼるさんバージョン。パラパラとめくってみれば、ストーリーの語り口も、程よく昔話っぽく、それでいて読みやすい。…程よく、ってなんだ!でも程よいんだ!それはとても大事なことなんだ!

 

ところがね、家に帰って読んでみたら、こりゃあ、ちょっとユニークな『ももたろう』だったのです…!

 

 

 

お話のはじまりは、THE・ももたろう。じさまは山へ柴刈りに、ばさまは川へ洗濯に行く。

みなさんの記憶では、川上から流れて来る桃はどんな風に流れてきますか?私の場合は、小さい頃に母が読んでくれた家にあった絵本バージョンが、確か“どんぶらこっこ、どんぶらこっこ”だったような気がするんだよねぇ。馬場のぼるさんバージョンは、“つんぶ かんぶ つんぶ かんぶ”でした。国語のお勉強で、桃が流れて来る音をいろいろ集めて並べてみるのも面白そう。

 

さて、ばさまが大きな桃を見つけて持ち帰り、割ってみたらば男の子が出てきて“ももたろう”と名前を付ける。

私の記憶の中のももたろうは、その後ぐんぐんとたくましく素晴らしい少年に成長し、鬼ヶ島に勇ましく出発していくようなイメージなんだけれど…なんと、このももたろうはぐうたらで、仕事もせず寝てばかり。ユルい。ユルすぎる。

友達が誘いに来てもすぐ断るし、柴刈りをめんどくさがって大木を丸々ズボっと引っこ抜いちゃうし、鬼退治も行かなきゃならない事態に追い込まれて仕方なく出発。

でもさ、最後に鬼を退治するシーンでは、その傍若無人なももたろうが鬼を倒すことこそが妙にリアルなんだよね。清く正しい優等生のはずのももたろうくんが鬼をズバズバと斬り倒していくよりも、説得力がある。そして、な~んか魅力的。人間臭くて、憎めない。

 

馬場のぼるさんの解説を読んだらば、

「明治時代になって桃太郎は国定教科書に採用され、どうもそのせいで、かしこくて勇ましくて優等生みたいな桃太郎像が一般に印象づけられてしまっております。

 けれども、じつはもっと人間的な桃太郎のお話も残されているのです。ものぐさ太郎やね太郎型といわれる桃太郎です。」(本の解説・『おっとり桃太郎』より抜粋)

と書かれていた。あえて、そっちを選ぶ馬場のぼるさん。11ぴきのねこの世界に触れたならば、なんだかもう、納得してしまう。

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いろんなバージョンの桃太郎を読み比べることがあったならば、ぜひこの1冊はその中に入れてみていただきたい。馬場のぼるワールドのユルさと、その愛とを感じながら、ニヤニヤ楽しめる『ももたろう』。ストーリーを知ってる子の読み聞かせにもぴったりだと思いまっせ!

 

  

そういや、先日、きびだんごを買ったんだけれど、岡山名物かと思いきや、”北海道銘菓”と書いてある…マジカヨっ!!!

絵本のきびだんごは丸いけど、これは四角いよね。でもね、大好き。すっごく好き。

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ちなみに皆さんの地域では節分に何を撒きますか?

私は宮城県生まれ宮城県育ちの仙台在住ですが、お片付けの楽な落花生を撒くことが多いです。昔ケンミンショーで、「えぇ~~??」と驚かれているのを観て、必ずしも落花生が多数派ではないと知った…!たしかに、豆まきの絵って丸い大豆を撒いてるよね。

でも、大豆だと、撒いたら、もう、食べられないじゃん。

 

なくそう!フードロス!撒いた豆は、ハトにあげよう!

 

話が逸れたぜっ!今日は海苔巻きするぜっ!!

 

『ももたろう』 1999年

発行所 こぐま社

馬場のぼる 文・絵

 

 

ばばばあちゃんのおもちつき

ばばばあちゃんのおもちつき』 さとう わきこ・作 佐々木 志乃・協力

 

 

暑い夏に『ばばばあちゃんのアイス・パーティー』を読んだら、

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寒~い冬は、お餅パーティー!!!

 

 

あっという間に1月も終わり。

今年は喪中ということもあって、飽きるほどお餅を食べる、ということはなかったけれど、やはり冬になるとお餅が食べたくなるものです。

…お餅ってさ、時間をかけたくない朝食にも結構活躍してくれるのよね!イマドキの個包装の切り餅は常温でも保存がきくので、パン買ってない!とか、ごはん足りない!とかいう朝にも、お餅を焼いたりチンしたりして、何も無い朝を喰いつなぐことができる!!!あとは、何もない休日のお昼とか、夜のお鍋のシメとか…結局3食使えるね!笑

息子もやっと上手にお餅が食べられるようになってきたので、今後ますます活躍してくれるかも~。誤飲には十分注意しながら、おいしく、お手軽に、今後ともよろしくね!お餅様!

 

 

さてさて、表紙をめくれば、ばばばあちゃんがだるまストーブの上に網を乗せて、お餅を焼こうとしているではないか!そもそも、ダクトの付いただるまストーブなんて、イマドキはどこにもないから、まず息子に「これ何だと思う?」というクイズ&解説から始まる。

 

「こんな さむい ひは、 ストーブの まえで おいしいもの たべて、

 ほんを よんでいるのが いちばんだよ。

 さあて、 ちょうど いいぐあいに おもちが ふくれてきた」(本文より)

 

ああ!最高!あったかい部屋でぬくぬく…しかもストーブでお餅。なんなら焼き芋も焼きたい。

安全面や扱いやすさの課題はあれど、やっぱり火のストーブはいいよね…子どもがもっと大きくなったら検討したい。

 

さて、ぬくぬく楽しんでいるばばばあちゃんのところへ、寒い外から子どもたちがやってきた!でも、おもちは、ばばばあちゃんが食べていたのが、最後の1個。

そこで、みんなでおもちを手作りすることに…!

炊飯器を使った“ばばばあちゃんりゅう”のお餅づくりのレシピや、作り方のコツ、楽しいトッピング、普通のごはんを使ったお餅の作り方まで、子どもたちと楽しいやりとりを交えながら、お話が進んでいきます。

 

 

ばばばあちゃんシリーズ、やっぱり、読んでるだけでワクワクしちゃうなぁ~!

この本を読んで息子も(夫も)お餅パーティーがしたくなり、先日我が家でも、切り餅を使って、きなことあんこと納豆の3色お餅パーティーをしました。お餅づくりからしたら、もっと楽しいよね~!

 

冬は寒くて嫌だけど、あったかい幸せを味わえるのも醍醐味だと思います。

お餅はあったかくないと美味しくない!という、究極のぬくぬくメニュー。

なかなか出かけることもできないし…手作りお餅大会もいい家族イベントになりそう。

 

スローな生活を楽しみながら寒い冬を乗り越えていきたいものです。

 

 

ばばばあちゃんのおもちつき』 1997年(かがくのとも傑作集)

発行所 福音館書店

さとう わきこ・作 佐々木 志乃・協力

 

 

しりとり

『しりとり』 安野光雅 さく/え

 

先日に引き続き、

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またまた、安野光雅さんです。

 

こちらも、パラパラとめくっただけで、すぐにキュン。面白いしかけだぜぇぇぇ! 

 

 

 

この絵本は、全編、ひたすら、ページいっぱいにいろ~んな絵(と、言葉)が描いてある。

 

まず、読んでいる人は、はじめのページから1つ、好きな絵を選ぶ。

初めて読んだ時、このページの中から息子が選んだのは、“いわし”

 

次のページにもいろんな絵が。その中にある、”いわし”の“し”から始まる絵(言葉)を探してみると…あ!あった!“しか”だ!

 

さぁ、ではでは、お次のページ。ふむふむ、“か”、“か”、“か”…あった!あれ?“かめ”に“からす”!2個あるぞぉ~!

…そうです、そんなときはどっちか好きな方を選ぶことができるんです。なんかラッキー!

 

そ~んな風に、最後までしりとりをつなげていくと、もちろん最後のページは、“ん”で終わるわけだけれど、なんと!選び方によっては最後のページにつながらないこともあるんです…!そしたら、また最初のページに戻って(ちゃんとつながるようになっている!)、もう1周!するんだよ~ん!さあ、がんばろうっ!

 

 

ルールが分かれば、スイスイできちゃうし、使われている言葉のチョイスが面白いので、普段は触れられない語彙の習得にも一役買ってくれそう。絵がまた、いいんだよね~。渋い。でも、コミカル。何度も出てくる言葉もあって、あ!まただ!とか気付いてニヤニヤするのも楽しい。

息子氏、しばらくは毎日寝る前に1回しりとりをしてから眠りについておりました。

最初に選ぶものを変えるだけで、すごく新鮮な気持ちで読めるのがいいんだよなぁ。毎日、違うルート。毎日、新たな出会いがある。

どの言葉を選ぶか、というのも、個性が出て面白い。怖がりの息子はどうしても“ゆうれい”だけは選びたくなかったのだけれど、ある日、どうしても選ばなきゃいけない状況になって「いやだぁ~~…!」とハの字眉でさっさとページをめくっていたのにはウケたぜ。どんまいっ!

 

ここ数か月でぐぐっとしりとりが上手になった息子に、ぴったりの絵本でした。

こどものとも」やっぱり、いいなぁ。

 

『しりとり』 2018年(月刊予約絵本「こどものとも」通巻747号)

発行所 福音館書店

安野光雅 さく/え

 

 

10人のゆかいなひっこし

『10人のゆかいなひっこし』 安野光雅

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安野光雅さんの訃報が届きました。

 

 ニュースで見て、「あれ…あの、素敵な地球の本を書いた人だ…!」というのが第一声。

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と言うのも、不勉強な私は安野光雅作品をぜんぜん通ってこなかった。ちょっと前に幼馴染の友達がブログで子どもの頃読んだ絵本のことに触れていて、その中のお気に入りに安野光雅さんの作品もあったのだけれど、私は『まるいちきゅうのまるいちにち』を読んだ直後くらいだったから、へぇ~、やっぱり有名な人なんだぁ…と思った、というくらい、全然、彼のことを、知らなかった。

そこへ飛び込んできた訃報。絵本愛好家の方々のインスタを見れば、続々と哀悼と深い愛の投稿が…。これは、読んでみたい、触れてみたい、と思ったのです。

 

 

今回手に取ったのは、『10人のゆかいなひっこし』。

表紙には三角屋根のお家。裏表紙には四角屋根のお家。

よ~く見れば、小さく“美しい数学Ⅰ”とある。

見開き1ページ目には、

「まず この ほんを おしまいまで みて ください。」(本文より)

この1文から始まって、文字がズラリと並んでいる。絵本の読み進め方、楽しみ方が、書いてあるみたい。

ふむふむ、なるほど。では、まずは取り急ぎ“おしまいまで”読んでみようじゃないか、と、ページをめくっていけば、あれれ、ひたすら、絵。絵。絵。ひたすら、お家と、子どもたち。なんだかお家の窓はところどころくり抜かれていて、しかけのある絵本になっているみたい。

最後のページまで見たけれど、やっぱり、ぜ~んぶ、絵。

そこで、また、最初のページに戻って、本文を読み直してみる。

 

「この ページの こどもたちの うえに、ひとつずつ おはじきを おいて

 その おはじきを かぞえて みて ください。

 この おはじきは あとで きっと やくに たちますよ。」(本文より)

 

淡々と、それでいて好奇心をくすぐられるような語り口。

左側の三角屋根の家に住んでいた10人の子どもたちは、右側の四角屋根の家に引っ越すことになり、1人ずつ順番に引っ越しをはじめたのだという。

そうか、この本は、引っ越しをする子どもたちの数を数えながら遊んでいく本なんだ。

 

ではでは早速、おはじき(…は我が家に無いので、硬貨で代用。笑)を置いて読み進めてみる。

 

最初は、三角屋根の家にいる子が10人。余っているおはじきは0枚。だから、四角屋根のお家にいる子は、0人。

…そうね、四角屋根のお家はまだ、がらんどう。

 

次は、三角屋根の家にいる子が9人。余っているおはじきは1枚。だから、四角屋根のお家にいる子は、1人。

…本当?と、めくってみれば、大正解!少年が1人、やぁ、と顔を出す。

 

その次は、三角屋根の家にいる子が8人だから、四角屋根のお家にいるのは2人。

その次は、三角屋根の家にいる子が7人だから…

 

最後の解説を読めば、“10という数をいろいろに分解して考える遊びによって、子どもに数と量の感覚を身につけさせることがこの本のねらい”と書かれていた。

 

 “1と9で10”、“2と8で10”、“3と7で10”…

10の構成というのは、小学校低学年の算数では、すごくすごく大切な考え方。それを絵本で遊びながら考えていくことができる。

 

就学前の子どもが10までの数に触れられるように、という前提で描かれているので、小学校に入る前にこの絵本に出会って、その考えが理解できたら、すご~く、素敵なことよね。

同時に、いくつといくつ、の学習の補充として、1年生に読んであげるのもいいなぁと思いました。

 

息子とおはじきを使わずに読んだ時も、

「今、こっちのお家には何人いると思う?」と聞くと、目に見える人数を数えて、10人になるにはあと何人…というのを自分なりに数えて、ちゃんと答えが出せていた。わ~お!これ、引き算じゃん!

 

窓が開いているから窓から見える子の数をもとに見えない子の数を推測することもできるし、男の子5人・女の子5人で構成されているから、男女に注目して5の分解にも触れられるんだって。レベルアップの術がいろいろ隠されているのも、なんだかもう、アカデミック!ワックワク!何度でも楽しめるんだなぁ。面白いなぁ。

 

 

 

絵がまた、いいのよね。お家が、ま~た素敵で、子どもたちが、ま~たかわいいのよ!

緻密で、行き届いていて、そんでもって、朗らかな絵。

あぁ、とっても上質な絵本だなぁ、と、今、出会えてよかったなぁ、と、しみじみ味わえた1冊でした。

 

安野さん、素敵な絵本を、本当にどうもありがとうございます。

安野作品、これからも読んでいきたいな。

安野光雅さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

 

『10人のゆかいなひっこし』 1981年

発行所 童話屋

作者/安野光雅

 

 

 

十二支のおはなし

『十二支のおはなし』 内田麟太郎・文 山本 孝・絵

 

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クリスマスに、ばーば(義母)がくれた絵本!

年末から読み始めて、最近の息子の1番のお気に入り。

「これ、めっちゃおもしろいんだよなぁ~!」だって!ばーば、喜んじゃうね!ありがとうございます!!

 

 

いわゆる十二支にまつわる昔話なのだけれど、山本孝さんの絵がインパクト大!内田麟太郎さんの文章も、昔話的な言い回しも楽しみつつ笑える感じなので、平成・令和のイマドキッズにも受け入れやすいバージョンかもしれません。

役者勢揃い!な豪華な表紙も、いいよねぇ~!

 

我が家の5才には言い回しが難しいかなぁという言葉もあったので、初めて読むときは少し噛み砕いてゆっくり説明しながら読み、概要が分かった今は、絵本に書いてある通りの言葉で読んでいます。

まず、干支ってなんじゃ?というところからのスタートだけれど、去年はねずみ年で今年はうし年だってことは知ってたし、12種類の干支が順番に一年ずつ交代していくということは何となく理解したらしい。まぁ、それを理解しようとしまいと、単純にエピソードも面白いのだ!

家族の干支を覚えたりして、少しずつ暮らしに広がっていくのも嬉しいです。

ちなみにひつじ年の息子。何でも1番じゃないと気が済まない彼は、「えー、ぼく8番なの~…?」とちょい不満顔。笑

大丈夫!君が大将になる年も来るからね。笑

 

 

2年生の国語でいろは歌春の七草、十二支などなどの学習があって、その時に十二支のお話の絵本を読んだと思うんだけれど、確かこの本だったような気がするなぁ。導入やちょっとしたすきま時間のお楽しみにも使えると思います!別な人が書いた同じお話を読み比べるのも楽しいよね。

 

ね、うし、とら、う…お風呂で暗唱の練習もしてみようかなぁ~!

 

『十二支のおはなし』 2002年

発行所 岩崎書店

著者 内田麟太郎

画家 山本 孝