絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,発達支援スタッフ,目下年中男児育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。子育て中のママ・パパ,保育・教育に関わる先生方,読み聞かせボランティアの方etc...絵本を選ぶ方のために,絵本を待っている子どもたちのために,少しでも力になれたら嬉しい。そして自分と本と,子どもたちとの軌跡を確かめたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。絵本選びに役立つといいな!

へんしーん

『へんしーん』 谷川晃一

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開いてびっくり。

上下2分割。

いろんな髪型、いろんな帽子。そして、いろんなお顔。

ページをペラペラめくりながら、偶然の巡り逢わせに胸をトキメカセル。

楽しい、しかけ絵本

 

読み聞かせというよりは、一人でじっくり、もしくは少人数でニヤニヤ、楽しめる。

息子も一人でウフウフ、やってましたぜ。

 

くせになる絵!かわいい。

 

昔あったよね、女の子の着せ替え塗り絵的なやつ。トップス、ボトムス、脚で3分割とかされてて、ページをめくって着せ替えを楽しむの。今もあるかな、ありそうだな。

それを思い出しました。きゅん!

 

『へんしーん』 2000年

発行所 偕成社

作・絵 谷川晃一

 

あった☟胸熱…!!!

 

ねこのピート だいすきなよっつのボタン

『ねこのピート だいすきなよっつのボタン』

作/エリック・リトウィン 絵/ジェームス・ディーン 訳/大友剛 文字画/長谷川義史 

 

ねこのピートシリーズ!

『だいすきなしろいくつ』はこちら☟

bg8qp.hatenablog.jp

今回も、ザ・ポジティブ!

 

ねこのピートには、4つのボタンが付いたお気に入りのシャツがある。

そして、うれしくて歌を歌う!

ところが、びよよよーーーん!ボタンが1つ、取れちゃった!

それでもピートは泣かない!3つのボタンも、最高!また、歌っちゃうよっ!

その後も、また1つ、また1つ、ついには最後の1こまで取れてしまうのだけれど…

 

 

本当に、ポジティブって、気持ちがいい。

なんか、もう、欧米かっ!(欧米だよ!)

すごくさっぱりと、ありのままを受け止めて、楽しむ。

とっても合理的。泣いたって仕方ない。確かに、そうだっ! 

つい、普段の生活では、いろんな思いに振り回されてうじうじしてしまうけれど、「次!次!」「エンジョイ!」みたいな、思い切りの良さって、やっぱり気持ち良い。

まぁ、そう思いつつも、現実はそう上手く割り切れなかったりするんだけどね…

 

今回は、4つのボタンが1つずつなくなっていくので、

4-1=

3-1=…

といった具合に、ひき算の式も出てくる。算数! 

相変わらず、掛け合いも楽しい。

 

今回の歌はメロディーがリズム譜になっている(音程が決まってない)ので、リズムに乗っておしゃべりして、ラップ的に楽しむ感じだねっ!オゥイェ!フリースタイル!かーまーせー!!

 

『ねこのピート だいすきなよっつのボタン』 2014年

発行所 株式会社ひさかたチャイルド

作/エリック・リトウィン 絵/ジェームス・ディーン 訳/大友剛 文字画/長谷川義史 

 

 

 

ぶーちゃんとおにいちゃん

『ぶーちゃんとおにいちゃん』 島田ゆか

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図書館が再開し、嬉しいこの頃。

またしても息子のリクエストで、バムケロシリーズを借りたいなぁと思って図書館へ行ったら、なんと、バムケロも、その他、読みたいなぁ~と思っていた絵本も、続々、貸出中!

みんな、図書館を、本を、待ちに待っていたんだなぁぁぁぁ…!←もれなく、私も。

図書館がいかに日々多くの人々に利用されているかということに、それが長く閉館することがいかに影響力のあるものなのかということに、公共施設が人々の日々の暮らしのそばにある愛しさに、ありがたさに、改めて気付かされました。ありがとう図書館。これからもよろしく図書館。だいすきよ図書館。

 

そんなこんなで、島田ゆかさんコーナーは、がらんがらん…

1冊だけ、残っていたのが『ぶーちゃんとおにいちゃん』でした。

はっ…!こ、これは、バム…!?

 

 

登場人物は、犬の兄弟。弟のぶーちゃん、そしておにいちゃん。

 

ぶーちゃんは おにいちゃんが だいすき

だから いつも おにいちゃんの まねばかり(本文より)

 

お絵描き、読書、居眠り、あれも、これも…お兄ちゃんがやることやること、片っ端からマネするぶーちゃん。

でも、おにいちゃんは、ぶーちゃんにおもちゃを貸してくれなくて…

 

 

んも~!兄弟あるあるですね!

私も二人姉妹の妹として育ったので、身に覚えがありまくる…。

でも、なんだかんだお互いに存在を意識しながら、いろんな形で想い合っている兄弟の姿が愛おしい。

とにかく、まねっこするぶーちゃんが、かわいい!かわいすぎる!

おにいちゃんも、子どもらしくてとてもかわいい。ふははは!

 

 

さて! “はっ…!こ、これは、バム…!?”問題。絵を見比べてみました。

ぶーちゃんは、白耳。おにいちゃんは、左耳の先っぽだけ黒いブチ。…バムは黒耳

…ということは、やっぱり2人ともバムじゃなかった!!!

バムではないけれど、バムとケロの世界で生きている兄弟なのでしょう。

ケロちゃんファンの息子は、最初「ケロちゃんがいない…」と寂しそうにしていたのだが、なんと!よくよく見ると、すべてのページにケロちゃんがいる!息子、歓喜!!

しかも、他にもバムケロで見覚えのあるキャラクターがたくさん出て来るし、ガラゴの絵本もあったよ!宝探しみたいで、島田ゆかさんファンには、たまらない1冊かも。

 

オチもオールオーケー!みんなで笑い飛ばそうぜ!!

とっても、かわいい1冊です。

 

『ぶーちゃんとおにいちゃん』 2004年

発行所 株式会社白泉社

著者 島田ゆか

 

 

くまさぶろう

『くまさぶろう』 もりひさし/ユノセイイチ 

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おこりんぼママ☟

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あの人が歌うのをきいたことがない☟

bg8qp.hatenablog.jp

 に続き、香さんに紹介していただいた本。ついに3冊目!

 

「せかいじゅうに ひとりきりいないくらいの、

 すばらしい どろぼうのめいじんがいました。

 それが、くまさぶろうです。」(本文より)

 

シャベル、コロッケ、傘、ミニカー…老若男女いろんな人からいろんなものを盗んでしまう“くまさぶろう”

あるときから、くまさぶろうは「ひとのこころ」をぬすみとることができるようになって…

 

 

とっても、胸に迫ってくる、良い絵本でした。

「くまさぶろう」という本の名前から、クマサブロウ!筋肉モリモリの熊が出て来る面白い話かな!とか勝手に思っていたんだけれど(どんなイメージだっ!)想像を裏切る、切なさ、温かさ。

本当に、たくさん、名作ってあるんだなぁ。嬉しい出会いでした。

  

「くまさぶろうは、いまごろ どこらへんを あるいているのでしょう。

 もしかしたら、あなたのうちのすぐちかくまで きているかもしれませんね。」(本文より)

 

…最後の1ページで“くまさぶろう”をよりリアルに、身近に、感じる。そして、自分が置かれている泣きたくなるような状況も、いつか、きっと、もうすぐ、ふっと消え去ってくれるんじゃないか、という淡い希望が燃え上がって来る。

発行年は1978年。イマドキじゃない、描写、話し口。でも、その距離感こそが、子どもの悔しさとか、惨めさとか、いろんなザラザラした気持ちをちゃんと描いて、そして、救ってくれる。

子どもたちは、いつの時代だって、この複雑な味わいを、日々、噛み砕いて生きている。

…大人だって、そうだよね。

 

 

 

相手の心を盗むって、自分のものにするって、難しいなぁ。

 

わたしも“くまさぶろう”みたいな人になりたい…なれないけど…でも、やっぱり、そうあれたらいいな、って思う。

 

たとえほんの少しだって、君の嫌な気持ち、盗んで、元気に、してしまいたい。

 

『くまさぶろう』 1978年

発行所 こぐま社

著者 もりひさし/ユノセイイチ 

 

その気になった!

『その気になった!』 五味太郎

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形から入る、っていうこと、あるよね。

 

 

これは、「ぼく」の「ぼく」による「ぼく」のための絵本。

 

野球のユニフォームを着たら、

ジャカジャカギターを鳴らして歌っていたら、

エプロンに三角巾を身に付けたら、

…いろんな格好をしてたら、その気になっちゃったぞ!ぼく!

そして、最後はね…

 

 

五味さんらしい大らかな語り、楽しい絵。

ちょこちょこすっとぼけてて、息子も楽しそうに笑ってました。   

子どもって、何かになりきるのが大好きだけれど、殊更、男子には共感できるものがあるんだろうな。

先日は息子が空になったお茶の箱を被って何かやってた。インカム的な装備付き。パウパトロールのケント?らしい。

 

その気になった「ぼく」がかわいい!愛しい!

そして最後には、勇気とエネルギーが漲ってくる!男子の希望満ち満ちる1冊です。

 

 

さぁ、仕方ねぇ!やる気スイッチを入れるために、母ちゃんも、立ち上がるかぁ~。

 

お化粧したら、「その気になった!」

 

仕事頑張れる気になった!!

 

『その気になった!』 2009年

発行所 絵本館

作 五味太郎

 

 

ねこのピート だいすきなしろいくつ

『ねこのピート だいすきなしろいくつ』

作/エリック・リトウィン 絵/ジェームス・ディーン 訳/大友剛 文字画/長谷川義史 

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隣の教室から、度々、歌声が聴こえてきた。

かわいい声なんだな、これがまた。

声の主は、隣の教室の担任の先生。

かわいい女なんだな、これがまた。

 

歌っていたのは、絵本の中の歌なのだという。

 

「大好きな絵本なんです~!」って言ってたのに、結局、私、読まず仕舞いだった。

今だったら、「なになに~!面白そ~う!!読ませて~!」ってすぐにでも言いたいところなのに…もちろん、いいなぁ、素敵だなぁ~とは思ってたけど、ずっと気になってたけど…忙殺の日々にいろんな気持ちがかき消されてしまっていたのかなぁ。本当、余裕がなかったのかなぁ…わたし。

 

 

 

そして!!

今になって!読んでみましたっ!!

 

 

 

まず、開いて、惹きつけられた!!!!

作者、訳者、絵、文字を描いた4人の写真がババーン!みんないい写真!長谷川義史さん!そのようなご尊顔でいらしたのね!笑

文字画を長谷川義史さんが描く、というのも面白い。そして、間違いなく、素晴らしい。

それぞれが楽しんで作った絵本なんだなぁ~ということがひしひし!伝わってきたのでした。

 

ねこのピートは新しい真っ白な靴でおでかけする。

そして、うれしくて歌を歌う!

ところが、いちごの山に登っちゃって、真っ白の靴が真っ赤に…

それでもピートは泣かない!赤い靴も、最高!また、歌っちゃうっ!

その後も、ピートの靴はいろんな色に染まっていくのだけれど・・・

 

 

 

もうね、これは、ザ・ポジティブ!!!です!

あっかるい気持ちになる絵本。

 

そして、台詞が掛け合いになっていて、何度も繰り返されるから、初めて読んだ息子とも、楽しく掛け合いできました。この本を何度もクラスで読み聞かせていた彼女、素敵だなぁ~!読み聞かせに、とってもぴったりだと思います。

なんとページの最後には歌のメロディーの楽譜も付いている!

ノリノリな歌っ♪

 

外国らしいポップな色遣い。

ひたすら、前を向くポジティブさ!

シャイニングでブライトな一冊でありました。

 

かつての隣の君にも読んだよ~!って報告したよっ!

この本に出会えて、嬉しい!ありがとう。

 

『ねこのピート だいすきなしろいくつ』 2013年

発行所 株式会社ひさかたチャイルド

作/エリック・リトウィン 絵/ジェームス・ディーン 訳/大友剛 文字画/長谷川義史 

 

 

あめだま

『あめだま』 作 ペク・ヒナ 訳 長谷川義史 

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インパクト大!の表紙!

気になっていた~~!やっと読めた!

 

 

主人公のドンドンは、ひとりぼっち。

ある時、ビー玉を買いに行ったお店で“あめだま”を見つける。

いろんな模様の、いろんな飴玉。

それは、それは、特別な飴玉で、舐めたらいろんな声が聴こえてきた…!

ソファの声、犬の声、パパの声、きっと、亡くなってしまった、おばあちゃんの声…

いろんな声を聞いた少年ドンドンは、友達と、家族と、自分と向き合って、一歩、前へ進む。

 

 

これは、韓国の絵本なのです。

 

…なんで関西弁やねん!

 

翻訳するなら標準語でもええやろ!

 

と思うのですが、関西弁がなんとも絶妙に、最高!

かわいいんだよぉ~!笑えるんだよぉ~!そして、めっちゃいい話なんだよぉ~~!!

関西弁って、強い。そして、あったかい。翻訳は長谷川義史さん。オールラウンダー!!

 

この本は、挿“絵”ではなく、作者のペク・ヒナさんが作ったお人形が、写真で生き生きと動き回る。

粘土の艶、色遣い、リアルな質感。コミカルで、魅力的な動き。背景も、小道具も、コマ割りも、写真の仕上がりも…とっても素晴らしい。

特に、ドンドンの表情がたまらない。超かわいい。表紙はもちろん、ハッカの味の飴玉を舐めた顔なんて、最高!最後の台詞の表情が、また、たまらんのよね…

 

 

表紙から勝手に抱いていた印象から、良い意味で裏切られた1冊。

 

すごいクオリティ。素敵な、お話!

 

『あめだま』 2018年

発行所 ブロンズ新社

作 ペク・ヒナ 訳 長谷川義史

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あめだま(韓国書・ハングル)
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あの人が歌うのをきいたことがない

『あの人が歌うのをきいたことがない』 作 堀込高樹 絵 福田利之 

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あの人が歌うのをきいたことがない / 堀込高樹 【本】
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『おこりんぼママ』☟

bg8qp.hatenablog.jp

でご紹介した「大人のための絵本よみやさん 香(かおり)」さんから貸していただいた絵本のうちの1冊。

2020年4月発行ですから、本当に新しい本!できたてほやほやです。

 

「あの人が歌うのをきいたことがない

 マイクが回ってきても隣の人に譲ってしまう

 歌わない人っているのです」…  (本文より)

  

おしゃれで、丁寧で、しーんと冷たくて、でも、どこか救いのある、絵。お話。

 

 

この絵本の中で語られている「歌」って、一体何なんだろう。

 

もちろん始まりは「歌」そのものなんだけど…主張、秘密、心の叫び、波長、バイオリズム、命の鼓動、存在そのもの…目に見えるもの、耳で聴こえるものと、そうでないもの。何か、感じる、もの。何だろう、「歌」では、一括りにできない、もっと、広いもの。もっと、深いもの。

そして、もしかしたら「歌」そのものが、そういう一括りにできないような、広くて、深いものなのかなぁ。

そんな内なる「歌」を聴き合って、私たち、出会っているのかも。もしかして。

 

「大人のための」をテーマにしている香さんが選んでくださった本ならではの、大人に染みる、大人が“感じる”絵本でありました。私たちの出会いも「歌」だったから…とっても嬉しい。

 

ちなみに私は、いつも歌いまくってるしマイクなんか回ってきたら喜んじゃうし、本当にオクユカシサとかツツマシサとかミステリアスナカンジとか…ちょっと研究しないと!笑

 

著者であるキリンジ堀込高樹さんが、本と同タイトルの楽曲を配信されていて、聴いてみました。私はYouTubeで。場面ごとに、7部作に分かれています。オシャレサウンド!ラグジュアリー。

音の紙芝居。一人で黙って読んでいた時よりも立体的で、作者の描いた感情の起伏が迫ってきて、なお味わい深い…素敵でした!!

そして、言葉と、音楽…香さんと絵本と音楽のセッションをした時のことを思い出していました。

 

 

余談ですが、本を読む前に、タイトルから、Sundayカミデと奇妙礼太郎のバンド・天才バンドの「天王寺ガール」という曲を思い出していたのよね。こっちは歌じゃなくてダンスです。最高にかっこいいから、こっちも聴いてっ!

 

秘めた情熱は、何より美しく、力強く、エモーショナルなの。

 

『あの人が歌うのをきいたことがない』 2020年  

発行所 888ブックス

作 堀込高樹 絵 福田利之