絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり

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『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 

ジャン・ピンボロー 文 デビー・アトウェル 絵 張替惠子 訳

 

”まだ、女の人がじぶんのかんがえで仕事をえらぶのがめずらしかった時代、その女の子は、やがてニューヨークの街にでてせんもんのべんきょうをすると、図書館ではたらきはじめます。そしてニューヨークのあたらしいおおきな図書館に素晴らしい「児童室」をつくったのです。”(そでより)

 

1871年生まれのアン・キャロル・ムーアさんは、子どもたちのための図書館の普及に尽力しました。当時は子どもの入れない図書館が多く、「児童室」をつくるというその試みは、全く新しいものだったのだそう。

 

子どもの体の大きさに合わせた椅子やテーブル、子どもたちの手の届く本棚、居心地の良い空間、読書会、お話会、コンサート…今、当たり前に行われているあたたかな子どもと本との関わり合いは、アンを筆頭とした当時の熱いムーブメントの恩恵なのですね。

 

石井桃子さんが、1950年代のアメリカ滞在中にアンに会い、その思い出を『児童文学の旅』や『子どもの図書館』(共に岩波書店)に書いているとのこと。読んでみたい。

 

絵本自体もとても優しく、とても温かかったです。デビー・アトウェルさんの絵、素敵だなぁ。

 

文章を読んでいると、何度もこんな表現が出てくる。

 

「でも、アンは そんなふうには かんがえませんでした。」

「でも アンは、もっとべつのことを かんがえました。」

「でも、アンは そんなふうには おもいませんでした。」

「でも、アンは そうはおもいませんでした。」…

 

こう!と決まっていることに疑問をもって、新しい道を切り拓くこと。人々を導くこと。

 

今の時代、自分の意見は言いやすくなっているけれど、本当に良いものを見極める眼力、のようなものは、より切実に、大切になっているのではないかな。

胡散臭いものまでそれっぽくできてしまう時代だからこそ、いつも、本当に大切なものが何なのか、時には当たり前のような顔をして目の前にあるものにも疑問を投げかけていくことが必要なのかも。

 

今日は仙台市議選でしたが、ちゃんと投票行って外食(中食)したYO!

ありがとうマクドナルド!ハラペーニョ辛かったね!

 

仙台も、子どもに、また、それと同じように全ての方向に開かれた、すてきな街になっていってほしい。

私も、私の持ち場で、私にできることを、積み重ねていきたいよね。

 

『図書館に児童室ができた日 アン・キャロル・ムーアのものがたり』 2013年

発行所 株式会社徳間書店

ジャン・ピンボロー 文 

デビー・アトウェル 絵

張替惠子 訳