絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,児童発達支援スタッフ,年長&0歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を確かめたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。

ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ

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『ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ』 

マーガレット・ワイズ・ブラウン/ 坪井郁美 ぶん 林明子

まだ丸みの残るあどけない4頭身。それでいて精悍な眼差しでまっすぐこちらを見つめる男の子。

まくり上げたズボンの下は裸足。両手に靴を片っぽずつ、右手には野で摘んだ花も携えている。

 

なんて掴まれる表紙絵だろう。小さな体から放たれている、覚悟のようなもの。ちびっこボーイよ、かっこいいぞ。つい、手が伸びる。

  

この絵本は、マーガレット・ワイズ・ブラウン作 ”Willie’s Adventures” に収められた3編の短いお話の中の ”Willie’s Walk” をもとに創られたのだそうです。原作では、ウィリーくん、なのね。ちなみに本作での男の子の呼称は「ぼく」であり、お名前は出てこない。

そしてっ!マーガレット・ワイズ・ブラウンじゃんっ!最近読んだじゃんっ!

bg8qp.hatenablog.jp何も考えずに手に取った本たち。自分では意識していなくても、自然と繋がっていること、って、ある。不思議だけど、そういう巡り合わせがまた、面白いよね。何事も、何かやっていれば、何か、携わっていれば、不思議と繋がってくる。だから、前に進むしかない、何か動き続けるしかない、んだけど…なんだろう、最近、クスブッテルヨ。ワタシ。ワタシノオンガク、ドコヘイッタ?ススメ、ススメ…

 

 

さて、お話の始まりは、おばあちゃんからの電話。

電話を取ったぼくは、一人でおばあちゃんのお家へ行くことになる。

「おうちの まえの みちを まっすぐ いって

 いなかみちを まっすぐ まっすぐ」…(本文より)

そうすれば、おばあちゃんの家に着くという。

ぼくは、初めて見る世界に翻弄されながら、本当に≪まっすぐ≫おばあちゃんのお家へ向かうのだけれど…

 

 

これはもう、超・大冒険。

“ぼく”は、何歳なんだろう。4歳?5歳?その年で一人で歩いておばあちゃんの家に行くなんて!

今、我が息子(もうすぐ6歳)を最寄り駅の向こう側に住んでいる徒歩20分の義実家に一人で向かわせることさえ、私は怖くてできないわ…!

なんて大胆なのよ、ぼくのおばあちゃん!それより、親はどこへ行った!親に何も言わずに家を出るのかっ!!

…なんて、いけずなツッコミは、してはいけない。

 

とにかく、ぼくが、野を越え山を越え川を越え…まっすぐまっすぐ、歩いていく姿が、ひたすら愛おしい。

 

やっぱり、林明子さんの絵は、本当にすごい。体全体に表情があって、あどけなさや好奇心、喜び、驚き、怖さ…男の子の気持ちが、絵からダイレクトに伝わって来る。

 

林明子さんのことを書く度に、すごい、ばっかり言ってる私。笑 

bg8qp.hatenablog.jp

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あの勇敢な表紙の眼差しにすっかり掴まれてしまった私だけれど、裏表紙の口の周りをベトベトのチョコレートまみれにしているのは、紛れもなく、ちいさな男の子。

 

ただ、ひたすら“ぼく”の世界にスポットライトを当てた、林明子さんの手腕が光る1冊だなぁと思う。息子もドキドキしながら、絵に惹きこまれているようでした。

 

平仮名で書かれた易しいお話だけれど、≪まっすぐ≫の意味の面白さに気付くのは、小学生くらいからかなぁ。

 

 

 

ああ。私も、まっすぐ まっすぐ、表紙の“ぼく”のような眼差しで、何かを捉えていたい。

 

なんだべな。春の霞のような心模様の今日この頃です。きっと、耐え期。

…すみません、私情ですけれど。

 

『ぼくはあるいた まっすぐまっすぐ』 1984年

発行所 ペンギン社

作 マーガレット・ワイズ・ブラウン/ 文 坪井郁美/ 絵 林 明子