『ふくろうくん』 アーノルド ローベル 作 三木 卓 訳
がまくんとかえるくんを楽しんでくれた息子。
別のアーノルド・ローベル&三木卓作品も読んでみよう~!ということで、前に拝見したインタビューでもオススメされていた『ふくろうくん』を読んでみました。
絵本ナビのインタビューはこちら☟
『ふくろうくん』に収録されているお話は全部で5編。
そのどれも、登場人物は、まさかの、ふくろうくん、オンリー!
それなのに…すんごく笑える。笑
もうね、読めば読むほど、ふくろうくんという人は、情けなくて、かわいそうで、破滅的で、愛しい。読み聞かせをするのならば、いかにその面白さと愛おしさを表現できるか、その手腕が問われる、とさえ思う。
私は『なみだのおちゃ』が好きだなぁ~。そこまで悲しみに没頭できる、それを愉しんでさえいる、ヤバさ。笑
なんでしょう、ふくろうくんって、本当、完全に、ヤバい奴なの。
でもさ、私、多分、そういうヤバいところ、持ち合わせていると思うんだよね…いや、人間みんな、そうだと思うよ?まぁ、夫に読ませたら、お前みたいだ、って言われそうだけどね…へへへ
でもさ、いいじゃない。一人なんだから。いいじゃない。誰にも迷惑かけてないんだから。
ふくろうくんの破天荒さと裏腹な丁寧でスローな暮らしもまた、ほっこりとさせてくれる。
三木卓さんが絵本ナビのインタビューで、
「ふくろうくんを見ていると、なんだか、この人は奥さんに逃げられたんじゃないかななんて思ったりね(笑)。よっぽど立派な奥さんじゃないとついていけないよね。こんな階段上ったり降りたりしてたら。」
と話していらしたのだけれど、なんかね、もうね、本当、分かる。笑
奥さんに逃げられたオジサン…うーん、なんだか、ぴったりしっくりきてしまう。
だって、すーごく愛しいんだもん。だから、結婚したくなっちゃう。でも、一緒に暮らしてたら絶対大変だな、って。笑
最後の1話は、なんだかしっとりと、ほっこりと、そのまま眠りに就きたいような感じ。やっぱり、寝る前に1話ずつ読むのにちょうどいいお話のボリュームだなぁと思います。息子はどんどんせがんでくるから結局最初は5話ぶっ通しで読んだけどね。笑
あのねぇ、これねぇ、一人芝居にしたら面白いと思うんだよねぇ。
悲しい、愛おしい、おじさん。
誰か、男性の役者さん、『ふくろうくん』を題材に一人芝居をやってみてはいかがでしょう。
観たいなぁ。そして、ニヤニヤしたい!!!
『ふくろうくん』 1976年
発行所 文化出版局
アーノルド・ローベル作 三木 卓訳