『おふろだいすき』 松岡享子・作 林明子・絵
“ぼく”は、お風呂が大好き。
あひるのおもちゃのプッカを連れてお風呂に入る。
プッカとおしゃべりしながらお風呂に入っていると、大きなかめが、ペンギンが、オットセイが…いろんな動物がぼくのお風呂にやってくる。
現実とファンタジーの垣根の無い感じ、日常とお話の世界が隔たりなく続いている感じが、なんとも不思議で、面白い。個人的には、中川李枝子さん・大村百合子さんの『いやいやえん』を思い出すような感じ。
ブックレコメンドで『いやいやえん』について書いています。
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おもちゃだったはずのプッカが喋ること、続々とナイスキャラクターな動物たちが出てくること、いつの間にかお家のお風呂が温泉みたいに大きな湯舟になっていること…こんなにもファンタジーなのに、お風呂から上がった後、大きなタオルに飛び込んでお母さんに体を拭いてもらう感じ、ほんわかとあったかくて、石鹸のにおいが漂ってくるような感じはあまりにもリアルで、絵を見るだけで誰もがその空気をまるでその場にいるかのような気分になってしまう。そのリアルさが、動物たちと過ごした幻のようなひとときをより特別に際立たせているような気がする。
お風呂のあったかほわほわな湯気…やっぱり、林明子さんの絵はすごいなぁ。お風呂に入りたくなっちゃうぜ。
この本、2年生の国語の教科書に載ってたかなぁ…?ブックトーク的に紹介した記憶があります。うっすら。
すっぽんぽんボーイが出てくるもんだから、女子がキャーとか言ってた気がする。ふへへ。
すっぽんぽんは関係ない。本文と関係ない。
冒険と、温もりと、しあわせ。
『おふろだいすき』 1982年
発行所 福音館書店
松岡享子 作 林明子 絵