絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

きんのたまごのほん

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

きんのたまごのほん』 

さく マーガレット・ワイズ・ブラウン やく わたなべ しげお 

え レナード・ワイスガード

 

先週の日曜日は、イースターでしたね。

イースターは、イエス・キリストの復活を祝うお祭りで、春分の日以降、最初の満月から数えて最初の日曜日、に行うらしい。それが、今年2021年は4月4日だったのだそう。

日本ではあまり馴染みのない文化ではあるけれど、息子の大好きなおさるのジョージでたまご探しをするお話が放送されていたり、私の大好きなEテレのグレーテルのかまどイースターのお菓子が取り上げられていたり、お店屋さんにもイースターの飾りやお菓子が売っていたりと、イベントとしては何となく、年々盛り上がっている感がある気がする。東京ディズニーリゾートもいつからかイースターのイベントをやるようになったよね。

 

クリスマスを祝って、大晦日に寺の鐘の音を聴き、正月に神社にお参りに行く、折衷大好き・寛容な国・日本、ではあるけれど、イースターがこうして着々と日本の四季に定着していっている理由…

 

それは、なんてったって、かわいいから!だと思う。(個人の感想です。)

 

たまご!

うさぎ!

カラフル!

 

かわいいモチーフに、春らしい色遣い。

寒い冬をやっと乗り越え、春に向かってあらゆるエネルギーが盛大に高まっていくなか、ポップでキュートなイースターグッズたちが、私たちの魂に何も訴えかけてこないなどということがあろうか。(いや、ない。反語。)

 

 

はい、前置きが長いですが!!

とにかく、

きんのたまごのほん』が、かわいいんです!!!!!!

 

 

 

絵本を開くと登場するのは、小さいうさぎの男の子。

ある日、中から何やら音のするたまごを見つけたうさぎは、何が入っているのだろうと想いを巡らせながら、どうにかしてたまごを割ろうとするのだけれど、なかなか割れずに眠り込んでしまう…するとピシピシッとたまごが割れて…

ほんわかニヤニヤ、仲良しのお話。

 

 

 

作者は、マーガレット・ワイズ・ブラウンさん。アメリカの児童文学作家。『詩の絵本』、有名よね。今度ちゃんと読んでみよう。

訳は『エルマーのぼうけん』をはじめ、いろんな児童文学の翻訳や、日本語のお話も自ら書かれた渡辺茂男さん。

 

そして、絵が、『詩の絵本』でもタッグを組んでいる、レナード・ワイスガードさん。

 

この本は、何といっても、絵が!絵が!!!とにかく素敵!!!(個人の感想です。2回目。)

 

…いえ、いや、これは、間違いなく普遍的感覚。

 

だって表紙からして、なんて緻密で素敵な絵なのでしょう。ゴージャスなリボンが巻かれたたまごに描かれた植物ののびのびと、それでいて重厚感のある配置と色遣い。それを無邪気に抱えるふっくらとした愛おしいうさぎよ。

 

ページをめくっても、めくってもめくっても、その美しく愛らしい世界が、ずーっと続くのだから麗しい。

 

むしろ、本文の絵の明るい色遣いとのびやかさこそ、味わっていただきたい。なんならページを開いて飾っておきたい。飾るにしたって、どのページにしようか迷ってしまう全ページのクオリティ。ワンピースにして着たい。

 

まじ、かわいいっす。素敵っす。心躍るっす。

 

 

うさぎとたまごのモチーフ、そして春らしい華やかな絵の世界が、イースターの季節にとってもぴったりの1冊でありました。上質!

 

きんのたまごのほん』 2004年

発行所 童話館出版

文/マーガレット・ワイズ・ブラウン

絵/レナード・ワイスガード

訳/わたなべ しげお