絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

おじいちゃんの木

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『おじいちゃんの木』 内田麟太郎 ぶん 村上康成

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大変ご無沙汰しております。私です。

仕事復帰して日々にまみれておりますが、何とかやってるぜ!やってるのか?やってるんだ!やってることにしよう!

ヨシケイのカットミール便利ね…!

いろんなことがある毎日だけれど、みなさまお元気でお過ごしでしたか?

 

 

 

歌いながら自転車を漕ぐ、こざるのモンちゃん。

 

「♪ おじいちゃんの

   おじいちゃんの

   おじいちゃんに

   あいに いくんだよ ♪」 (本文より)

 

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんなんていないよ、そんなに長生きしないよ、と、みんなは言うけれど、モンちゃんは全然気にすることもなく、きこりんきこりんと自転車を漕いでゆく。モンちゃんが目指していたものとは…

 

 

 

この本は、長男が生まれたときに、母のお友達がお祝いにプレゼントしてくださった1冊。長男の名前が木にまつわるものであったことから選んでくださったのだと思います。名前のこと、そして、父方のおじいちゃんが自転車屋さんだったことなど、なんだか身近に感じてとっても嬉しい気持ちになったことを覚えています。

 

優しい、ことばと絵。偶然にも、前回書いた『はるのごほうび』と同じ作り手さんたちの絵本でした。

 

久しぶりに長男と読んでみようと思ったら「ぼくが読んであげるよ!」だって。頼もしくなったもんだなぁ。

ちょっとたどたどしいところも、歌のところでちょっと節を付けて読むのも、なんとも愛しい読み聞かせでした。

 

 

bg8qp.hatenablog.jp

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今年は子ども読書の日の記事は書かなかったのだけれど。

 

実は、子ども読書の日がお誕生日の、チャーミングな母方のおじいちゃんは、昨年の12月に天国へ。誕生日が1日違いの同じ星座同じ干支のソウルメイト的おばあちゃんも、一昨年亡くなっていました。

 

子どもの頃、人はいつか死ぬと知っていても、おおよそ年老いた人から先に逝くことが多いのだと知っていても、もしもを想像すると怖くて怖くて、どうか絶対に絶対に絶対に長生きさせてください、お願いします、と毎晩のように布団の中で神様にお祈りをしていた…そのくらい、私には大きな存在だったおじいちゃんとおばあちゃん。

それを思えば、みんな揃って結婚式にも来てもらえて(おばあちゃんにはお色直しの退場のエスコートもしてもらった!)、曾孫をかわいがってくれて、私がオバサンになるまで元気でいてくれて。

すっごく寂しいけど、やっぱり、それって、とんでもなくありがたいことだと思う。だから、おじいちゃんおばあちゃんには、なんだか、もう、心から、感謝でいっぱいなのです。そして、いつも細やかに気を配って、みんなが元気に長生きできる暮らしを必死で支えてくれていた叔母にも。少しずつ弱っていくおじいちゃんおばあちゃんと家族たちを、絶えず明るく元気付けてくれた母にも。

…本当にありがとうね。もちろん、今もね。

 

 

おじいちゃんが亡くなって少し経った頃、

「おじいちゃん、おばあちゃんに会えたかな。久しぶりって走っていってぎゅーってして、おばあちゃん、おっとっとってしてるんじゃない?」

って長男が言っていたのが忘れられなくて。

二人を想う度に、なんだかその光景が目に浮かぶのです。

 

超仲良しな二人だから、天国でも一緒にみんなを見守ってくれているはず。

 

もちろん、父方のおじいちゃん、おばあちゃんも。

 

おじいちゃんのおじいちゃんも。そのまたおじいちゃんも。おばあちゃんのおばあちゃんも、そのまたおばあちゃんも。きっとね。

 

 

 

 

そんな風にたくさんのご先祖様が紡いできたこの世界に、今、私たちは生きているんだね。

 

そして、また、この暮らしが、未来につながっていくんだよね。

 

平和な未来が、孫の孫の孫の孫の孫のさらにその先の世代にも、どうか開かれ続けていきますように。

 

『おじいちゃんの木』 2004年

発行所 佼成出版社

ぶん:内田麟太郎 

え:村上康成