家に帰ってくるなり、
「何の本を借りたでしょ~かっ!」
とニヤニヤしている兄さん。
「じゃーーん!」
と取り出したのは『ねずみくんのクリスマス』!
学校の図書室で“本を20冊借りたらしおりプレゼント”という企画があるらしく、しおりGETを目指して毎日せっせと図書室の本を借りて読んでいるのは知っていたけど、「ママも読みたいと思って!」とねずみくんシリーズを探して借りてきてくれたのだそうです。優しいなぁ。嬉しいなぁ。ありがとうね~!
ねみちゃんを驚かせようと一生懸命クリスマスツリーを飾るねずみくん。
完成して喜んでいると、そこへあひるくんがやってきて、ねずみくんのツリーよりも自分のツリーの方が大きいだろう、と自慢をする。ところが今度はそこへうさぎくんがやって来て、あひるくんのツリーより自分のツリーの方が大きいと自慢をする。すると今度はぶたさん、次はくまさん、しまいにはぞうさんまでやってきて…
ねずみくんシリーズは、時折ブラックというか、意地悪だったり、胸がギュっとなるような描写が出てきたりすることがある。
でも、ねずみくんやねみちゃんの懐の深さに自分の傲慢さを省みたり、誰かのために奮起して力を尽くそうとしたり…気持ちの動きのあるお話がいいよね。
『ねずみくんのチョッキ』の最後のシーンも、一番最初はチョッキが伸び切ってがっかりしているところで終わっていたそうなのだけれど、子どもの気持ちが救われるお話でないと、という編集者の方の一声で、ブランコのシーンが付け足されたのだそうです。(ねずみくんのチョッキ展で知った!)やっぱり基本はブラックかも!笑
『ねずみくんのクリスマス』も、まさに、ねみちゃんの優しさと懐の深さが、動物さんたちの気持ちをぐぐぐっと変えてくれたお話でした。
ページがぐーんと広がるツリーのページは作者のお二人からのクリスマスプレゼントかな~。
汚いところ、弱いところ、かっこ悪いところ…それも全部ひっくるめて、生きるということは、難しく、面白く、愛おしい。
街はもう、クリスマスだものね。あたいはクリスチャンじゃないけどさ、このシーズンの特別な温かさが大好きです。
みんなが愛に包まれ、祝福し、祝福されるひとときであってほしいなぁ。
皆様にも、すてきなクリスマスの日が訪れますように。
…やべ、クリスマスカード出さなきゃ!!!!!!(もはや遅すぎる気がする to USA)
『ねずみくんのクリスマス』 1997年
発行所 ポプラ社