絵本のブログを書くにあたって、
1冊目の絵本は絶対『ぐりとぐら』にしよう、と決めていました。
『ぐりとぐら』と言えば、野ねずみのぐりとぐらが森で大きな卵を発見し、大きなカステラを作ってみんなで食べる、名作中の名作。
大人も、子どもも、みんな1度は読んだことがある絵本かもしれません。
あの大きなフライパンからこんもり顔を出す黄色いカステラに、心を奪われた幼少期。母にせがんで何度も読んでもらいました。
最後に出て来る卵の殻でできた車を見て、
「どうしたらあんなにきれいに卵が割れるんだろう…」と思い悩んだものだったなぁ。真面目だなぁ~。笑
でも、子どもの頃、そうして何か心に引っかかっていたものって、いつも思考を広げて、深めてくれていた気がする。
何でも分かりやすくて、何でも理にかなっていたら、それは時に、解決するための想像力を、そして創造力を、奪ってしまうのかも。
時は経ち、大人になって、息子が生まれ、絶対読んであげようと、勇んで新たに購入。
読み返してみると、
“ぼくらの なまえは ぐりと ぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら” (本文より)
この部分は歌だったのだ、ということに気付きます。
メロディーを付けて歌って読み聞かせていたら、今では息子は当たり前のようにそのメロディーで歌ってくれるようになっちゃった。母ちゃん、嬉しい!
息子は、文字も読めない発音もままならない2才の頃から、「…あまごが○▲※・・でしゅ。」と、私の真似をして『ぐりとぐら』の読み聞かせにトライしていたものでした。ベラベラ喋れちゃう今となっては、あの拙さが愛おしい。
そんなわけで、『ぐりとぐら』は、
母との思い出であり、音楽の思い出であり、息子との思い出である。
私の、大事な大事な1冊です。
さあ、私よ、ここを出発点に、絵本を通して、自分の歩みを見つめていこうではないか。
そして、私の思いや、感じたことが、また誰かの愛おしい時間やその思い出へとつながっていきますように。
がんばります。よろしく!
『ぐりとぐら』 1963年
発行所 福音館書店
作 中川 李枝子 絵 大村 百合子
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