絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小3&3歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

すてきな三にんぐみ

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すてきな三にんぐみ』 トミー=アンゲラー さく いまえ よしとも やく

 

表紙には、黒マントに黒帽子の怪しい3人組。

彼らは、なんと、それはそれはこわーい、どろぼうなのです。

 

泥棒だ、と分かった時点で「こわい…」と眉をハの字にしてギュっとしがみついてくる息子。

 

そんなこわいこわ~い泥棒なのに、どの辺が「すてき」な3人組なのでしょう…。

 

 

 

50年も昔の絵本とは思えないポップさ、オシャレさ、楽しいストーリー。

そうであってほしくはないけれど…世界中の、寂しい思いをした子どもたちが、この絵本に救われてきたのだろうな。

ノスタルジーを引きずりながらも、時代を超えて楽しめるお話。それをビビットに彩る秀逸な絵。

 

今江祥智さんによる日本語訳が、また、素敵なんだな。講談師のように物語を引っ張っていく。あとがきまで、リズミカルで、愉しい文章。添えられているアンゲラーと娘さんの写真も素敵です。(アンゲラーではなくウンゲラーと表記されているものもありましたが、絵本に倣ってここでは”アンゲラー”と表記したいと思います)

今江さんは2015年3月に83歳にて、作者のアンゲラーさんは、2019年2月に87歳にて逝去されていました。

同い年だったお二人。『すてきな三にんぐみ』以外にも、今江さんはアンゲラーさんの作品を翻訳されていました。まさに、志を同じくして、同じ時代を一緒に生きてきたのね。そのアンゲラーとアンゲラー作品への愛を、敬意を、感じるようなあとがきでした。

 

あとがきと奥付の後ろにある“園で家庭で、いま、いちばん読まれている偕成社の絵本20冊”のラインナップも、ノンタン、パパお月さまとって!、バーバパパはらぺこあおむし、からすのパンやさん、木はいいなあ…などなどなど、なんとも懐かしく、アツい。

 

一冊まるまる、ザ・ロングセラー!の雰囲気、醸し出されてたぜっ!!!!

 

集団で、読み聞かせがしたいなぁ。

 

すてきな三にんぐみ』 1969年

発行所 偕成社

アンゲラー・作/今江祥智・訳