『きょうの おべんとう なんだろな』 きしだえりこ さく やまわき ゆりこ え
恥ずかしながら、お弁当なんて、数えるほどしか作ったことがなかった。
それが、3月から急に休校になった影響で、この私が!毎日、毎日、お弁当を作っています。(偉そうにするなー!)
元々、4月からは私はお弁当の予定だったけれど、教員の夫も今のところは毎日お弁当。
手を抜き、気を抜いているので、もはや冷凍食品を活用しまくっておりますが、毎日のお弁当ライフにも、慣れてきました。
息子は、本当にありがたいことに幼稚園で給食をいただけるのですが、お弁当が大好き。朝に3人分お弁当を作って、息子は朝食にお弁当を食べる、という日もしばしばあります。
『きょうのおべんとうなんだろな』の作者は、岸田衿子さん。
岸田衿子さんと聞いて私が思い出すのは、『うたをうたうのはわすれても』という詩です。津田元さんという方が作曲され、大学時代に合唱の授業で混声で歌ったことがあったのですが、なんだか、もう、とてつもなく大好きで、今でも、いつかカバーしたいと思っている曲のひとつ。
「うたをうたうのはわすれても ゆうぐれののべの花は目にのこります」…
初任でボッコボコに潰れてヘコんでいた、あの、春。
どうしても体に力が入らなくて、心も、体も、地中に沈んでしまった、あの、夏。
疲れちゃったとき 嫌になっちゃったとき 先が見えないとき。
それでも、花はきれいなんだよな。
歌を忘れそうになっても、この歌は口をついて出てきて、涙が、そして、ちょっぴり力が、湧き出てくる。
そんな岸田衿子さんが、作ったお話。
くま、ぶた、うさぎ、りす、ねこ、ぞう、虫、男の子…みんなが野原で仲良く遊んで、お弁当を食べる。
「きょうの おべんとう なんだろな」
お弁当のふたを開けるのって、なんてワクワクするんだろう。
みんなが、それぞれ好きなもの。嬉しい、嬉しい、お弁当タイム。
朗らかな楽しいお話に、山脇百合子さんのかわいい、丁寧な絵が、素晴らしく映える。
私、山脇百合子さんの描く白ぶたちゃんが大好きなんだよね~!たまらん!
福祉の世界に入門し、毎日、いろんな子どもたちとお弁当を食べている、今。
「きょうのおべんとうなんだろな」
って言いながら、みんなでお弁当を食べる時間…やっぱり、子どもたちって、お弁当が大好きなんだなぁと、微笑ましくなります。
お弁当は、愛情だ。
そう、あってほしい、なぁ。
『きょうの おべんとう なんだろな』 1991年
発行所 福音館書店
岸田衿子 作/山脇百合子 絵