『おへそのあな』 長谷川義史
小2の道徳で命の授業をしたときに、いくつか選んだ絵本のうちの一つ。
おなかの中にいる赤ちゃんが、お母さんのおへそのあなからこの世をのぞいている…
みえる、みえる。赤ちゃんを楽しみにしている幸せそうな家族たちが。
長谷川義史さんの絵って、すごく、包容力がある。
子どもが描いたみたいな、ごつごつとしたフォルム、ゆがんだ線。
あったかくて、いきいきと、愛に溢れている。
赤ちゃんがのぞいている世界は、逆さまの世界。
頭を下にして、お母さんのお腹に入っているからね。
お腹の中の赤ちゃんって、こんな風にぼくたちのことを見ているのかなぁ。
ぼく、わたしって、こんな風に望まれて、生まれてきたのかなぁ。
弟や妹が生まれるお兄ちゃんやお姉ちゃんにも、ぜひ読んであげたい。
面白くって、ワクワクしちゃって、なんだか、じーんと、じわぁーっと、心に残る一冊。
一緒にいても、いなくても、顔を、声を、知らなくても…おへそがあるのは、「お母さん」に産んでもらった、証拠なんだよね。
『おへそのあな』 2006年
発行所/BL出版株式会社
作/長谷川義史
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中国語バージョンもあった!