絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小3&3歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

おこりんぼママ

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『おこりんぼママ』 ユッタ・バウアー 作 小森香折 訳

 

 

これは、素敵なお友達から貸していただいた本。

 

いつも丁寧に温かく、気持ちをまあるく包んでくださるお姉さま…年下の私がお友達、と呼ぶのは図々しいかもしれないけれど、いつも私のがむしゃらを、奔放を受け止め、背中を押して下さる、大切なお友達です。

 

その名も“大人のための絵本よみやさん 香(かおり)”さん。

 

出会って、もう、きっと10年近くなる。あるライブをきっかけに連絡を取り合うようになり、その間に、香さんは、流しの絵本よみやさん、大人のための絵本の朗読会など、いろんな面白い活動を展開されてきました。まだまだ小さい息子を連れて香さんに絵本を読んでもらいに(息子に、でなく、私に!)行ったことや、絵本と音楽のセッションという試みで一緒に共演をしたこともありました。楽しかったなぁぁぁ!!!

私が絵本のことを書き留めてみよう、と思ったきっかけの一つとして、香さんのご活躍がキラキラと私の目に飛び込んできていたことは、間違いない。

お会いした時から素敵な方ですが、いつまでも、ますます、素敵に輝いていく香さんです。

 

そんな香さんが、今の状況でできることを…ということで、期間限定・お友達限定で絵本の貸出をしてくださいました。

いろいろなテーマで3冊の絵本を組み合わせてご提案してくださるなか、「お任せセット」をお願いすると、私のために、3冊、選んでくれる!というではあ~りませんか!そりゃ~、選んでもらっちゃうよね!ドキドキ…♡

 

『おこりんぼママ』は、香さんがSNSで紹介されていて、気になっていた絵本。

お任せの3冊のうちの1冊に、選んでくださっていました。あぁ~もう!粋!です。

私ときたら、本当に正真正銘のおこりんぼママなので、ワクワク、ヒヤヒヤ笑、ページを開きました。

 

 

 

「きょう、ママが、ものすごく どなった。

 あんまり すごく どなるもんだから、

ぼくは、バラバラになって とんで いっちゃった。」…(本文より)

 

出て来るのは、ペンギンの親子。

ママが怒鳴ったら、息子ペンギンの体は、頭は宇宙へ、お腹は海へ、翼はジャングルへ、くちばしは…おしりは…ぜ~んぶバラバラになって飛んでいってしまった。

脚だけになってしまった「ぼく」は、バラバラになった体を探しに出かけるのだけれど…

 

かわいい絵とフォント、装丁。いろんな場所にポツンとある体たちが、笑える!

そして、最後は、愛。温もり。

 

 

いやぁ~もう、分かっちゃいるけど、怒鳴っちゃう毎日…母ちゃんって、親子関係って、どうしてそうなんでしょう。

いつもごめんね。いつもありがとう。

でも、もし君がバラバラになっても、きっと探して、見つけてあげる。

 

そして、ここにいる「ぼく」が、私が、1つの体で、考えたり、動いたりできることが、どれだけ尊いか。

君と君、君と私。

体が、心が、つながっていることの奇跡、その幸せにも、思いを巡らせていました。

 

未熟な自分も受け止めて、まったくもう!と鼻息を荒くしながら、ごめんねと、大好きだよ、を伝え続けていこう。

 

 

 

香さん、絵本を読む前用と、読んだ後用にお手紙を付けてくださって…本当にもう、なんて素敵なんでしょう!いろんな場面で、いつも、素敵な言葉をプレゼントして下さるのです。

 

あと2冊も、また、ご紹介するね~!

 

『おこりんぼママ』 2000年

発行所 小学館

絵・文 ユッタ・バウアー  訳 小森香折  日本語版デザイン 小西啓介