『おにぎりをつくる』 文・高山なおみ 写真・長野陽一
表紙には大小2つのおにぎり。おいしそ~!
ひらがなとカタカナで書かれた易しい文章。
くっきりと、でも、温かみのある写真。
大人の手、子どもの手。
時々出てくる、かわいいイラスト。
お米を研ぐところから、おにぎりができるまで。
余計な具がないところが、また、いい。
あくまでもシンプルな塩むすび。
おしゃれ!素敵な本!!!
我が家でも、息子とおにぎりを作ってみたよ~!
残りご飯を使ったので、お米を研いで炊くところは省略。
にぎにぎ…
でけた!!!!!
のりとお味噌。ダッフィー様もヨダレじゅるり。
私も子どもの頃、お母さんとお茶碗にご飯を入れてコロコロおにぎりを作ったっけな!
昔使っていた、角の丸い、実家のダイニングテーブルを思い出した。
裏表紙には、
“子どもたちが、
自分ひとりでも
できるようにと思って、
この絵本をつくりました。
おかあさんもおとうさんも
外で働いていて、
家にだれもいないとき。
はらぺこのおなかには、
おにぎりは「いのち玉」です。”(以下略)
とある。
先日も、胸が張り裂けそうなニュースがあった。
信じられないことだけど、そういう現実は、ある、のだ、と、ぐじゃぐじゃに思う。
ひとりぼっちで、お腹を空かせて、さぞ辛かったろうな。悲しかったろうな。
千と千尋の神隠しで、ハクがくれたおにぎり。
観ているだけで口の中に広がる、涙でしょっぱいおにぎりの味。
震災で家に帰れなかったとき、お義母さん(当時は結婚してなかったが)が作ってくれた、でっかいおにぎりの味。
「いのち玉」とは、よく言ったものだと思う。
もちろんこの本に、そんな説教臭い意図は無いのだろうけれど、
おにぎりには、やっぱり、そういう力があるものなのかもしれない、と思ってしまう。
『おにぎりをつくる』 2020年
発行所 ブロンズ新社
文 高山なおみ 写真 長野陽一