『とんでもない』 鈴木のりたけ
この絵本を最初に見たときの第一印象は、
「絵!!!」でした。
ページをめくる度に、動物たちがいろいろ語り掛けて来るわけですが、その迫力たるや。
説得力のある鈴木のりたけさんの圧倒的な画力が、
シュールでコミカルなお話の面白さをぐぐぐっと引き立てて、いや、引っ張っている。
読み聞かせしてると、どんどん先へ進んでしまいがちですが、まじまじ見ちゃう絵の迫力。
細かいところまで、また、いいんです。
親子で読むには、おまけの絵さがしも楽しいかも。
そして、動物たちの台詞が、またいいのよねぇ。
芝居心に火が付きます。
取りあえず「サイ」のページでは中尾彬イメージでダンディに読んでみた。
「とんでもない」という言葉の繰り返しは、子どもたちも喜んで一緒に口ずさんで…叫んで!?くれるでしょう。
かつて、やんちゃな小4のクラスで読んでみたときも、とっても気に入った様子で喜んで聞いてくれました。
「じぶんに ないものは よくみえるけど
あったら あったで いろいろ たいへん」(本文より)
ほんとだねぇ。ほんとだよねぇ。
最後まで読んじまえば、
絵も、言葉も、世界も、素敵。
いやぁ、掴まれちゃったなぁ。
『とんでもない』 2016年
発行所 アリス館
作・絵 鈴木のりたけ
|