絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

もこ もこもこ

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『もこ もこもこ』 たにかわ しゅんたろう さく・もとなが さだまさ え

 

 

「しーん

 

 

 もこ

 

 

 もこもこ にょき

 

 

 もこもこもこ にょきにょき …」 (本文より)

 

 

 

これは、一体、何なんだろう。

 

抽象の塊。

 

有無相生。

 

生命の、宇宙の輪廻か。

 

なんだかよく、いや、全くもって分からないのに、見入ってしまう世界。

 

 

長男がベイビーの頃結構繰り返し読んでいたのだけれど、次男もハマった!!

しーんとした世界。キャッチーな色遣い。ゆっくりと、それでいて、あっという間の展開。

「みるみる絵本」と銘打たれているけれど、なんだかまさに“見る見る”な感じに吸い寄せらせられ、気付けば何度も繰り返し読んでおりました。

何か知らないけどいちいち笑うし、「もこ?」とか「こ?」とか「ぷぅ?」とか、なんかマネしてたよっ!!!かわいいなっ!

 

 

そうそう、このタイトルの一個目の「もこ」さ、

 

もこ⤴なんだよね。

 

もこ⤴。

 

もこ→

 

じゃなくて、

 

もこ⤴。

表紙の文字の並びを見ると、2文字目の「こ」が少し上に浮かんでいるような恰好になっている。だから、もこ、と平坦に読むんじゃなくて、もこ⤴ と、「こ」のイントネーションが上に上がると、いいんじゃないかな。とね、思ったわけですよ。ええ。ちなみに、その配置に気付いたのは、何度も読んでからのことだったんですけどもね。そんなわけで、それはそれは大発見for meだったんですよ。

 

だもんでね、前にテレビ絵本か何かで俳優さんがこの絵本を朗読していたとき、まさに、

 

もこ⤴

 

と読んでいらして。

 

「そうだよねぇぇ!!!!そうそう!!アンタ、分かってるぅぅ!!!!」

 

と上から目線で激しく共感したのでした。

読んでいた方、誰だったんだろうなぁ。

みなさんもぜひ音読する際にはトライしてみてね!!え、知ってた?気づいてた??ほんと?

 

 

 

表紙を開いてすぐ、谷川さんが“そで”に寄せている前書きも、なんともかんとも、良いんだよなぁ。

ああ、この本は、なんだか面白い人たちが作った本なんだなぁ、と、親しみを寄せて読むと、「?」のバリアを飛び越えて、絵と言葉の広い広い世界に思いを馳せることができる。気がする。

もしかしたら、そんな読み手の気持ちまで想像して、谷川さんはあの文章を書いたのだろうか。

 

 

とか、思いつつも。

 

…やっぱり、よく、わからない!

 

本当に、なんなんだろう、この本は。

 

 

もこ。

 

『もこ もこもこ』 1977年

発行所 文研出版

谷川俊太郎/作

元永定正/絵