『ぱんだちゃん』 えとぶん MAYA MAXX
先日、次男と図書館デートをしました。
私のお気に入りの図書館はカフェが併設されていて、それはそれは素敵な空間とコーヒーの良い香りがいつも私を誘ってくるのだけれど、子連れでゆったりカフェなんてのはなかなか難しく、ベイビーともなれば尚のこと難しく、スルーすることにすら慣れてしまっていた。が、どうしても私の心を掴んで離さない存在が…ショーケースの中に…いつも…左下におはす…「キャロットケーキ」!!!
福島県の天栄村のブリティッシュヒルズでアフタヌーンティーに出てきたキャロットケーキが素晴らしく美味しくて、それはそれはどうしようもなく虜になって帰ってきたのだけれど(たまらずテイクアウトしようと思ったのに売り切れで叶わず、それもまた私の心に火をつけた気がする)、図書館のカフェにはいつもキャロットケーキが置いてあって、すーーごく美味しそうだったのだ。
いつか、一人で図書館に行けるタイミングがあったらカフェで食べよう、と心に決めて半年…そんなタイミングが訪れることは無く、いっそ、もう、ベイビー連れて行っちゃえばいいんじゃない、もういいんじゃない、挑戦しちゃえばいいじゃない、と畳みかけて来られたらしょうがないよね、お店に入っちゃうよね。畳みかけたのは他でもなく私の心の声だけどね。それでも、いざキャロットケーキ、と心を決めて尚、テイクアウトが良いかイートインしちゃうかすーーごく迷って、お店の前で出たり入ったりしてたのは私です。
そして、いよいよ念願のキャロットケーキとのご対面…
きゃーきゃーきゃーきゃー…
えーと、もう、それは素晴らしく美味しかったです…
ガツンとくるスパイスの香り、上のクリームはチーズクリームですか、スパイスもナッツもドライフルーツも全てがちょうどぴったりの量で、それはそれは至福のお味でありました。もう、キャロットケーキ屋さんになりたい。
が、そんな幸せそうな母を次男坊が優しく隣で眺めていてくれるわけもなく、
「ん~?(ねーねーママ何食べてんの?)」
「ま?(おいしいの、くれるよね?)」
「ま!(それ!それだよ!よこせよ!)」
の熱烈アピール。スパイシーな大人な味だし、食べねぇべな、と思ってひとかけら(もはやひとくず)口に入れてみたら、なんと気に入ってしまったらしく、1歳児にはあまりにも罪な味…と思いながら図らずもおめめぱっちりで嬉しそうにする次男くんとシェアして楽しんでしまいました。ギルティック。
ほんでもって、連続的「ま!」を浴びながらも、ママもゆっくりケーキを味わいたいわけで、せめてフォークで切って口に運ぶくらいの間は欲しいわけで。
そんな時こそ、
♪ててててんっ え~ほ~ん~~~~(ドラえもんのひみつ道具出すときのやつ)
というわけで借りたばかりの『ぱんだちゃん』をフル活用させていただき、わずかなモーメントを稼ぎながら私は至福のキャロットケーキを食んでいったのでした。
「たけを
むしゃ むしゃ
ぱんだちゃん
たくさん たくさん
むしゃ むしゃ むしゃ」 (本文より)
ふわふわの子パンダ、ぱんだちゃん。竹をむしゃむしゃ食べている。遊んだり、うんちしたり、ママにだっこしたり。
次男氏、はっきりくっきりした色遣いとかわいいぱんだちゃんをしっかりと見つめながら、むしゃむしゃ食べる様子を指さして「あむあむあむあむ…」とエンドレスリピートしていました。ありがてぇ…ありがとな…ぱんだちゃん…
パンダって相当な量を食べるそうですね。カロリーがあるとは到底思えない笹を主食にしてあんだけの体重を維持するんだものね!しゅごいね!新潟の笹団子食べたくなったね!
MAYA MAXXって誰だっけ、と思ったときに瞬時にまちゃまちゃ(エンタの神様に出てた摩邪)が浮かび、ああ、あの方は絵本も描いているのか芸達者だな、と思って本を手に取ったのですが、全くの別人でした!ごめんなさい!
MAYA MAXXさん!ポンキッキーズにも出てたんだっけ。赤いクマちゃんの絵、懐かしいなぁ。
もはやキャロットケーキの話だね。
『ぱんだちゃん』、ありがとう!
月間予約絵本「こどものとも0.1.2.」
『ぱんだちゃん』 2018年4月号(通巻277号)
発行所 福音館書店
Text&illustrations ©MAYA MAXX