『こけしがこけて』 新井洋行/作・絵
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こけし、かわいいですよね。
タイトルと表紙から、「こけしの話かぁ~」と思ってページをめくると、
だるま落とし、赤べこ、起き上がり小法師、独楽、でんでん太鼓、きじ馬、さるぼぼ…日本全国の伝統工芸や玩具が続々出てくる。
だるま落としやコマ、でんでん太鼓はもちろん、東北生まれ東北育ちなので、こけしも赤べこも起き上がり小法師もすーごく身近に感じているので、ただそれらが出て来るだけでテンション上がっちゃう。ひゅ~!
震災以降、地域の伝統を守っていこう、同時に、時代に合わせて進化させていこう、という風潮がますます高まっている気がする。工芸品も、伝統的な手法を守りながらも、オシャレにパワーアップしてきているように思います。仙台のパルコ2にも東北の伝統工芸品や雑貨、食品などのオシャレなお店があるよ~。東北スタンダードマーケット。大好き!
『こけしがこけて』は、そういうオシャレでカワイイ雰囲気をまといながら、いろんな民芸品に触れつつ、楽しく読むことができる。
ビビットなイエローの背景に、表情豊かでコミカルな動きの玩具たち。そうそう、そもそも、子どもたちの遊び道具だったのだもの、現代の子どもたちだって、楽しいよね。遊んでみたくなるかもしれないね。
一冊を通して言葉遊びになっていて、パパ―っと読むと1分で読める。
でも、言葉の意味や、玩具の名前、遊び方を確認したり、知らない玩具を調べてみたりしながら読んだら、ゆっくり、じっくり味わえる。小学生なら、どの都道府県の玩具なのか調べたり、おもちゃマップを作ったりしたら面白いんでない?自主学習とか、社会のお勉強にも使えるかもっ。
それにしても、
あの赤い顔のない忍者みたいなの、「さるぼぼ」っていうのか…
張り子の犬………犬だったのか…
勉強になりました。
『こけしがこけて』 2016年
発行所 鈴木出版株式会社
作・絵/新井洋行