『おたすけこびととあかいボタン』 なかがわちひろ 文 コヨセ・ジュンジ 絵
「そうじきの なかは さがしましたか?」
「けさは そうじを していません。
それに ゆうべは あったんです」 (本文より)
小さな小さな女の子と、人間のお母さんとの電話の風景からお話は始まる。
「さあ、しごとだ!」 (本文より)
次のページには、見開きいっぱいに黄色い工事車両や重機、そして、たくさんのこびとたちの姿が!
やって来たのはおたすけこびと。こびとたちは、人間の要請を受けて家にやって来ると、クレーン車やはしご車、いろんな道具を使ってあの手この手で失くしものを探してくれる。
今回探しているのは、赤いボタン。娘さんのうさぎのぬいぐるみの目が片っぽだけ取れてしまったのだ。
ボタンはすぐに見つかるのだけれど、取ろうとした時にメダカの水槽に入ってしまったから、さあ大変!こびとたちは無事に赤いボタンを救出できるのでしょうか…!
ああああ…かわいい…すごく可愛いよ!この本!
息子が「この本、はやい(言葉が少ない)んだよ」と言って私に読んでくれたんだけど、読んでびっくり!いぎなしハマった!(宮城弁)
少ない文字数も納得の、圧倒的な絵の情報力。ディティール。そして、すごく短いはずの言葉の一つ一つに、なぜか心が揺り動かされる。
“おたすけこびと”という、その設定に、まずもって、きゅん!ミニチュアな車や道具たち、あっちこっちで働くこびとたち一人ひとりが、もう、可愛すぎるー。
私は初めて読んだけれど、とっても人気のあるシリーズだったんだねっ!外国語に翻訳されているものもあるみたい!1作目から、ぜひ読んでみたいと思います。
あああ、嬉しい。良い出会いでした。長男、ありがとう。きゅんきゅん。
『おたすけこびととあかいボタン』 2014年
発行所 徳間書店
なかがわちひろ 文 コヨセ・ジュンジ 絵