『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』 デミ 作 さくまゆみこ 訳
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まず、表紙が、美しい!
これは、インドの算数の昔話。
昔、インドのある地方に王様がおりました。ところが、王様はお米を独り占めして、町の人はひもじい思いをしていました。ある日、賢い町娘のラーニは王様のお米を拾って届けたことで、王様から褒美をもらうことになります。
「きょうは、おこめを1つぶだけくださいませ。そして、30にちのあいだ、それぞれまえのひのばいのかずだけおこめをいただけませんか?あしたはおこめを2つぶ、あさっては、おこめを4つぶ、というように」(本文より)
さて、30日後には、どれだけの量になるのでしょうか…!
あまりにも絵が美しくて、オリエンタルな魅力ムンムンなので、東洋の香り…と勝手に思い込んでいたら、作者のデミさん、アメリカ出身の方でした!リアリー!?
でも、建築家の父と画家の母の間に生まれ、インドでも学び、いろんな文化の国を旅して、東方芸術、仏教芸術への関心を深めたのだそう。なるほどなぁ~。
屏風から人物が飛び出しているようなレイアウト、細やかな飾り、洗練された色遣い。金色が効果的に使われていて、すごく高級感がある。ページが広がるしかけもあって、眺めているだけでも大満足の、すごく豪華な1冊だなぁと思います。
うちの5歳児も、お米がどんどん増えていく様子に興奮していたし、動物もいっぱい出て来るし、文章は平仮名で書かれているので、小さい子どもにも読める。倍の倍の倍…の凄さに気付けるのは、小学校中学年くらいからだろうか。中学生、高校生の数学の導入にも十分に活用できると思う。
そして!発行所、光村だ~!教科書も作ってる会社。
光村の教科書って、個人的に、何となくハイセンスなイメージ。
算数の面白さに触れられて、お話も面白くて、絵がまた素晴らしい。
算数、数学の先生にもおススメしたいです。
『1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし』 2009年
発行所 光村教育図書株式会社
作 デ ミ 訳 さくまゆみこ