『わくわく発見!世界の民族衣装』 竹永絵里 画
先日のオリンピックの開会式で、上半身が裸の民族衣装で入場した選手を見た長男が一言。
「なんで裸なのぉ~~!!」
…おぉ、そうか。息子からしたら、上半身に服を着ないで歩いている人がいる、というのは不思議な光景なのかも。
そんな中、お盆休みの夫にくっついて別の図書館に行ったら、この本を発見!上の一件を思い出し、あぁ、これはいいかもしれないなぁと、手に取ったのでした。
この本には、アジア・オセアニア、ヨーロッパ、中東・アフリカ、アメリカから、45か国の民族衣装が紹介されている。
一緒に開くと、息子は知っている国旗を指差して楽しみながら、おぉ~、だの、かわいい、だの、次は何~?だの言いながら、パラパラ。あまりにサッサとめくっちゃうから、じっくり読みたい母ちゃんは、後でもう一回読み直したぞっ!
パプアニューギニアやオーストラリアなどの、裸で腰巻きだけ身に着けている衣装を見つけると、ワタクシ、ここぞとばかりに、しかしさりげなく、「この間のオリンピックで裸だ、って言ってたけど、この人たちにとっては当たり前の正しいお洋服なんだよ~、恥ずかしいことじゃないんだよ~」と言ってみたのだが、「でも、ぼくは恥ずかしいよ~!」だそうです。ふむ。そっか!まぁ、これからよね!
…ちなみに、説明しながら、”洋”服、という言葉はここでは適切ではないかもしれないな、でも、子どもには”おようふく”が一番伝わるな、と、ふと思った。言葉って本当に絶妙で微妙だ。
「日本で着物を着るみたいに、〇〇くんが七五三で袴を着たみたいに、他の国にもいろんな民族衣装があるんだよ」というようなことを話すと、ふーん、と言っていた。伝わったかは分からないけど、母ちゃんの自己満かもしれないけど、少しだけでも一緒にいろんな文化に触れられたことが嬉しかったな。
息子としては、中東の女性が顔を隠すことがとても不思議だったみたいで、男の人は隠さないの?なんで?だそうです。ジェンダーレス!そうだよねぇ。さすが時代は令和です。
フランスの頭に被るコアフを見たときには「ママ被ったら~?」だって。似合うかな♡あは♡
私はやっぱり、ヨーロッパのメルヘンな民族衣装も素敵だと思うし、何よりアフリカをはじめとした暑い地域で着られている衣装の柄や色遣いが好きだなーーー!!
絵がとっても可愛くて、言葉もあたたかくて、キュンキュン!!満たされましたーー!
こんなにたくさんあっても、45か国。世界中には、本当はもっともっといろんな民族の、いろんな衣装があるのだろうなぁ。
オリンピックの実施は賛否両論あるけど…私もいまだにどうすることが正解なのかわからないけど…やっぱり開会式の入場行進で、世界中のアスリートがそれぞれの民族衣装やそのモチーフを身に纏って笑顔で歩いている姿は、すごく素敵だった。しかも、それが東京で、日本のリアルタイムで起きていることだと思うと、やっぱり、嬉しかった。
自分の知らない世界を見て”おかしい”と思うことって、たくさんあると思うけど、いろんなものやいろんな考えに触れることで、世界には自分の知らないことがたくさんあるのだということ、それが相手にとっては当たり前で大切なことなのかもしれないということを、少しでも想像することができたら…。それだけで、世界は少しでも平和に近付くんじゃないかなぁ。
想像できる人間で、ありたいなぁ。
パラリンピックもいよいよ始まりますね。
どうか、どうか、正しい感染対策のもと、誰もが元気で開催されますように。
今日の日を目指してきた全ての人に!頑張れ!!
『わくわく発見!世界の民族衣装』 2017年
発行所 河出書房新社
画:竹永絵里