『うし』 内田麟太郎/詩 高畠純/絵
“うし うしろをふりかえった”(本文より)
「うし うしろをふりかえった」
ああ、この一節だけで捉まれる。
まあ、ネタバレ的に言ってしまえば、うしがうしろを振り返ったらうしがいるんだけど、そのうしろにもうしがいて…
児童文学雑誌・こども文学の実験『ざわざわ』第2号に初出したという内田麟太郎さんの「うし」という詩に高畠純さんが絵を描いている。
『ざわざわ』、ちょいくら調べてみましたら、あまんきみこさんやら内田麟太郎さんやら、児童文学にまつわる大人たちを巻き込みながら、ざわざわ楽しそうに創り上げた雑誌のようにみえる。ビッグネームが載っても、媚びない系。いい大人が、ただただ楽しそうに遊んでる系。いや、読んでないからわからんけど!そんな印象。ちょっと読んでみたい。高畠純さんも絵を描いているみたいです。
なんでしょうね、「五十音」を読んだ時に高畠純さんの描く絵に惹きつけられた私ですが、高畠純さんの絵、やっぱり、いいなぁ。
詩の面白さに拍車をかけるような牛のとぼけた表情が何とも言えない。ゆるい。でもなんかマジメ。絶妙。
ああもう、牛の顔見るだけで笑えるからズルい。
そして、最後のページに縦書きで、ザ・詩として書かれた「うし」がまた、全文通して素晴らしい。
ええ、もう、これは、国語の教科書に採用しましょう。
学習発表会で暗唱しましょう。遊びましょう。
『うし』 2017年
発行所 アリス館
詩 内田麟太郎
絵 高畠純
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