絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

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『木』 佐藤忠良 画 木島始 文

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木 (こどものとも傑作集) [ 佐藤忠良 ]
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木が好きです。

好きといっても、パッと見て何の木だか分かるのは数種類がいいところ。でも、その頼もしさに、温かさに、素朴さに、グッときちゃう。

あんなにも朴訥で、それでいて生き生きとしているものって、他にはないだろう。ほれぼれしてしまう。いい男。好みのタイプ。そうだ。もしかしたら、そんな感じ。

特に今の季節はいいですね。体感として、ゴールデンウイークを境に、宮城の新緑は輝き始めるように思う。青い空に映える青葉の、薫風の、心洗われるような季節。本当に、最高!

 

 

佐藤忠良さんといえば、『おおきなかぶ』。宮城県出身の芸術家で宮城県美術館にも常設の記念館がある。地元の市民センターにも佐藤忠良作の彫像があって、ポーズの真似をして写真撮ったりしたっけな。

木島始さんといえば、彼が作詞をし、萩京子さんが作曲をした『発見のうた』という歌を半年ほど前に歌ったことがあって、それがまた素敵な詩で。

とにかく、『木』という題名で、表紙にお二人の名前を見たら、なんだか思わず手に取らずにはいられなくなってしまった。

 

「おおきな木は

なにを かんがえているのかな

 

おおきな木を

えに かくと

 

おおきな木は

いろいろ はなしをしてくれる」(本文より)

 

佐藤忠良さんの、ごつごつと力強く、生き生きとさわやかで、命に満ち満ちたいろんな表情の木のスケッチ。木島始さんの、穏やかで、のびやかで、それでいて好奇心に満ちた少年のような、語り口。最後には、ページが広がるしかけがあって、大きな木を本当に見上げているような存在感がある。

もしかしたら、実物より、写真より、リアル。何と表現したらよいのだろう。いつまでも眺めていられるような、すごいエネルギー。

 

 

学校で読むなら…生活科もいいし、図工で木をデッサンする前に読み聞かせしてみるのもいいかも。

 

木のすごさを、木とともに生きる喜びを味わえる1冊。自然礼賛。

 

『木』 2005年(こどものともは2001年)

発行所 福音館書店

佐藤忠良 画 木島始 文