『ぐるんぱのようちえん』 西内みなみ さく 堀内誠一 え
わたし的、懐かしいシリーズ!!
ぐるんぱのようちえん!
ひとりぼっちだった象の「ぐるんぱ」が、町に働きに出て、失敗を何度も繰り返しながらも、たくさんの子どもたちと出会い、楽しい幼稚園を開いてみ~んな仲良し、もう、ひとりぼっちじゃないよ、というお話。
絵本の扉に書かれている表題に、「これは ぐるんぱが かいた じ です」という注が付いていて、うちの坊主は「ぐるんぱ上手だね!」とびっくりしていました。そういうユニークさもとっても素敵。
調べてびっくり、発行されたのは1965年。私の母でさえ、子どもだった時代。
今なお色褪せることなく、書店でも、現役でギラリと輝いています。
子どもの頃は、幼稚園をひらいた最後のページが大好きで、大好きで、何回も眺めていました。大きな靴でかくれんぼ、お皿のプール、大きなピアノ、乗り放題のスポーツカーに、食べきれないほど大きなビスケット…なんて最高!楽しいお話として、心に残っておりました。
さて、大人になった今、改めて読み返してみると、
・ひとりぼっちで暮らす象(独居)
・大きくなったのにいつもぶらぶらしている(ニート)
・みんなで更生させ、働きに出す(就労支援)
・度重なる失敗に仕事を変え続ける(転職の一般化)
・幼稚園開設(保育需要の増加)
…こ、これは、現代社会問題を映し出すような一冊ではないか!笑
みんなの力を借りて見違えるように立派に なったぐるんぱの嬉しそうな顔、それなのに失敗ばかりで落ち込むしょんぼりした顔…なんだか切なく、しょっぱく、胸がチクっとしてしまう。あたし、もう、大人なのに。いや、大人だから、かな。
それでも、ギブアンドテイクで起死回生!み~んな仲良く、楽しく遊べる。ほっ!
お互いが、お互いに、できることで、補い合う。
ウィンウィンで、助け合う。
やっぱり、そういう社会が、いいと思うんだよね。
今、私が、受け取っているもの。
私から、届けられるもの。
思いがけず、考えさせられちゃいました。
『ぐるんぱのようちえん』 1965年
発行所 福音館書店
作者 堀内誠一 西内みなみ
☟これ欲しいっ!