絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

ぐるんぱのようちえん

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

『ぐるんぱのようちえん』 西内みなみ さく 堀内誠一 え

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ぐるんぱのようちえん (こどものとも絵本) [ 西内ミナミ ]
価格:990円(税込、送料無料) (2020/4/23時点)

楽天で購入


わたし的、懐かしいシリーズ!!

 

ぐるんぱのようちえん!

 

ひとりぼっちだった象の「ぐるんぱ」が、町に働きに出て、失敗を何度も繰り返しながらも、たくさんの子どもたちと出会い、楽しい幼稚園を開いてみ~んな仲良し、もう、ひとりぼっちじゃないよ、というお話。

絵本の扉に書かれている表題に、「これは ぐるんぱが かいた じ です」という注が付いていて、うちの坊主は「ぐるんぱ上手だね!」とびっくりしていました。そういうユニークさもとっても素敵。

調べてびっくり、発行されたのは1965年。私の母でさえ、子どもだった時代。

今なお色褪せることなく、書店でも、現役でギラリと輝いています。


子どもの頃は、幼稚園をひらいた最後のページが大好きで、大好きで、何回も眺めていました。大きな靴でかくれんぼ、お皿のプール、大きなピアノ、乗り放題のスポーツカーに、食べきれないほど大きなビスケット…なんて最高!楽しいお話として、心に残っておりました。

 

さて、大人になった今、改めて読み返してみると、

・ひとりぼっちで暮らす象(独居)
・大きくなったのにいつもぶらぶらしている(ニート
・みんなで更生させ、働きに出す(就労支援)
・度重なる失敗に仕事を変え続ける(転職の一般化)
・幼稚園開設(保育需要の増加)

…こ、これは、現代社会問題を映し出すような一冊ではないか!笑


みんなの力を借りて見違えるように立派に なったぐるんぱの嬉しそうな顔、それなのに失敗ばかりで落ち込むしょんぼりした顔…なんだか切なく、しょっぱく、胸がチクっとしてしまう。あたし、もう、大人なのに。いや、大人だから、かな。

それでも、ギブアンドテイクで起死回生!み~んな仲良く、楽しく遊べる。ほっ!

 

お互いが、お互いに、できることで、補い合う。

ウィンウィンで、助け合う。

やっぱり、そういう社会が、いいと思うんだよね。

 

 

今、私が、受け取っているもの。

私から、届けられるもの。

 


思いがけず、考えさせられちゃいました。


『ぐるんぱのようちえん』 1965年
発行所 福音館書店
作者 堀内誠一 西内みなみ

☟これ欲しいっ!