絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小3&3歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

ぐるんぱのようちえん

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『ぐるんぱのようちえん』 西内みなみ さく 堀内誠一 え

 

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わたし的、懐かしいシリーズ!!

 

ぐるんぱのようちえん!

 

ひとりぼっちだった象の「ぐるんぱ」が、町に働きに出て、失敗を何度も繰り返しながらも、たくさんの子どもたちと出会い、楽しい幼稚園を開いてみ~んな仲良し、もう、ひとりぼっちじゃないよ、というお話。

絵本の扉に書かれている表題に、「これは ぐるんぱが かいた じ です」という注が付いていて、うちの坊主は「ぐるんぱ上手だね!」とびっくりしていました。そういうユニークさもとっても素敵。

調べてびっくり、発行されたのは1965年。私の母でさえ、子どもだった時代。

今なお色褪せることなく、書店でも、現役でギラリと輝いています。


子どもの頃は、幼稚園をひらいた最後のページが大好きで、大好きで、何回も眺めていました。大きな靴でかくれんぼ、お皿のプール、大きなピアノ、乗り放題のスポーツカーに、食べきれないほど大きなビスケット…なんて最高!楽しいお話として、心に残っておりました。

 

さて、大人になった今、改めて読み返してみると、

・ひとりぼっちで暮らす象(独居)
・大きくなったのにいつもぶらぶらしている(ニート
・みんなで更生させ、働きに出す(就労支援)
・度重なる失敗に仕事を変え続ける(転職の一般化)
・幼稚園開設(保育需要の増加)

…こ、これは、現代社会問題を映し出すような一冊ではないか!笑


みんなの力を借りて見違えるように立派に なったぐるんぱの嬉しそうな顔、それなのに失敗ばかりで落ち込むしょんぼりした顔…なんだか切なく、しょっぱく、胸がチクっとしてしまう。あたし、もう、大人なのに。いや、大人だから、かな。

それでも、ギブアンドテイクで起死回生!み~んな仲良く、楽しく遊べる。ほっ!

 

お互いが、お互いに、できることで、補い合う。

ウィンウィンで、助け合う。

やっぱり、そういう社会が、いいと思うんだよね。

 

 

今、私が、受け取っているもの。

私から、届けられるもの。

 


思いがけず、考えさせられちゃいました。


『ぐるんぱのようちえん』 1965年
発行所 福音館書店
作者 堀内誠一 西内みなみ

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