『すいかのたね』 さとう わきこ さく・え
ばばばあちゃんシリーズって、どの絵本が最初なんだろう。
私も何冊も読んでいるはずだけれど、子どもの頃、特に母に読んでもらうのが大好きだったのが『すいかのたね』。
宝物が埋まってると勘違いされ、掘り返される度に、つまらん、つまらん、と言われ続けたすいかの種が、プッチン怒ってシュルシュルーーーーっと蔓を伸ばしてドデーン、ドデーン、とすいかの実を生らせてしまう。
図体でかいくせに弱虫で臆病者だった幼き日の私は、すいかの種のプンスカしてるのとか、思いっきり言い返しちゃうばばばあちゃんとか、んもう、かっこよくて大好きだった。
ばばばあちゃんは、とにかく懐が深い。パワフルで、お茶目で、どこかガサツで、そしてあったかい。
比較的優しく(甘く?)、柔らかく育ててもらった子ども時代の私は、グイグイ、パーソナルスペースに土足で踏み込んで来るようなパワフルなオジチャンオバチャンが、多分、苦手だった。ちょっぴりね。
だから、実際にはなかなか触れられない、熱い、厚い、ばばばあちゃんに、憧れていたんだ、きっと。
そして、ばばばあちゃんを愛することで、強い大人を、アツい大人を、味わっていた。
絵本は、いろんなことを、練習させてくれる。
そんな『すいかのたね』で、やっぱり、何度も読みたくなるのは、種の弾けるところと、伸びていくところ。
あっという間においしいすいかが生っちゃうんだもの、植物に怒鳴りつけたら、早く生長してくれちゃうのかな、ラクチンだな、とか、思ってた。
今もまだ、思ってる。
久しぶりに、ばばばあちゃんシリーズ、もっと読みたいなぁ~!
『すいかのたね』 1982年
発行所 福音館書店
さとう わきこ 作・絵
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