絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,児童発達支援スタッフ,年長&0歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を確かめたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。

ケイゾウさんは四月がきらいです。

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『ケイゾウさんは四月がきらいです。』 市川宣子 さく さとうあや え

 

 

かつて働いていた小学校の学校図書館で紹介されていて、表紙を見てずっと気になっていた本でした。

ケイゾウさんは、にわとり。お話の舞台は幼稚園。

ケイゾウさんと、うさぎのみみこを取り巻く幼稚園の1年間を切り取った短編が10編。

福音館書店の月刊誌「母の友」に掲載した9編と最終章で構成されているそう。

ああ、また「母の友」!やっぱり母の友は素敵すぎるかもしれない。年間購読しちゃうっ!?

 

“読んであげるなら 5才から
 じぶんで読むなら 小学校中級~おとなまで”

となっている。ふむ。

もう間もなく5才の我が家の坊やも、やはり幼稚園のお話ということで、嬉しそうに聞いてくれた。1話あたりの読み聞かせ時間は、3~4分というところかしら。

今回はお話の2つは息子と読み、残りは、自分で読みました。なんだろう、いいのだ。とてもいい。自分で味わって読んでみたくなるお話でありました。この本、小学館児童出版文化賞という賞を受賞しているとのこと。なるほど納得の上質なお話たちです。


子どもたちは、やんちゃで、無邪気で、ケイゾウさんは損な役回りばっかり、みんなのアイドル・うさぎのみみこは実は嫌な奴で、でも、みんな憎めなくて。

子どもたちの憎らしさも、可愛らしさも、にじみ出て、あふれ出て、胸がキュンとなる。

大人、の私は、子どもたちでもなく、みみこでもなく、幼稚園の先生でもなく…いつの間にかケイゾウさんに自分を重ねて、読んでいた。

 

文字の量や絵のバランスも易しく、優しく、小学生の読み物としてぜひおすすめしたいし、大人も読んで楽しめる。

 

毎日1話ずつ寝る前に読んでもいい。

 

ああ、なんだろうなあ。私が学校で追い求めていたのは、こういう、生々しい、愛、だったのかなあ。

 

出会いと、別れと、いろんな思いが交錯する、春に、読みたい1冊です。


『ケイゾウさんは四月がきらいです。』 2006年
発行所 福音館書店
作者 市川宣子 画家 さとうあや