絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

きんのたまごのほん

きんのたまごのほん』 

さく マーガレット・ワイズ・ブラウン やく わたなべ しげお 

え レナード・ワイスガード

 

先週の日曜日は、イースターでしたね。

イースターは、イエス・キリストの復活を祝うお祭りで、春分の日以降、最初の満月から数えて最初の日曜日、に行うらしい。それが、今年2021年は4月4日だったのだそう。

日本ではあまり馴染みのない文化ではあるけれど、息子の大好きなおさるのジョージでたまご探しをするお話が放送されていたり、私の大好きなEテレのグレーテルのかまどイースターのお菓子が取り上げられていたり、お店屋さんにもイースターの飾りやお菓子が売っていたりと、イベントとしては何となく、年々盛り上がっている感がある気がする。東京ディズニーリゾートもいつからかイースターのイベントをやるようになったよね。

 

クリスマスを祝って、大晦日に寺の鐘の音を聴き、正月に神社にお参りに行く、折衷大好き・寛容な国・日本、ではあるけれど、イースターがこうして着々と日本の四季に定着していっている理由…

 

それは、なんてったって、かわいいから!だと思う。(個人の感想です。)

 

たまご!

うさぎ!

カラフル!

 

かわいいモチーフに、春らしい色遣い。

寒い冬をやっと乗り越え、春に向かってあらゆるエネルギーが盛大に高まっていくなか、ポップでキュートなイースターグッズたちが、私たちの魂に何も訴えかけてこないなどということがあろうか。(いや、ない。反語。)

 

 

はい、前置きが長いですが!!

とにかく、

きんのたまごのほん』が、かわいいんです!!!!!!

 

 

 

絵本を開くと登場するのは、小さいうさぎの男の子。

ある日、中から何やら音のするたまごを見つけたうさぎは、何が入っているのだろうと想いを巡らせながら、どうにかしてたまごを割ろうとするのだけれど、なかなか割れずに眠り込んでしまう…するとピシピシッとたまごが割れて…

ほんわかニヤニヤ、仲良しのお話。

 

 

 

作者は、マーガレット・ワイズ・ブラウンさん。アメリカの児童文学作家。『詩の絵本』、有名よね。今度ちゃんと読んでみよう。

訳は『エルマーのぼうけん』をはじめ、いろんな児童文学の翻訳や、日本語のお話も自ら書かれた渡辺茂男さん。

 

そして、絵が、『詩の絵本』でもタッグを組んでいる、レナード・ワイスガードさん。

 

この本は、何といっても、絵が!絵が!!!とにかく素敵!!!(個人の感想です。2回目。)

 

…いえ、いや、これは、間違いなく普遍的感覚。

 

だって表紙からして、なんて緻密で素敵な絵なのでしょう。ゴージャスなリボンが巻かれたたまごに描かれた植物ののびのびと、それでいて重厚感のある配置と色遣い。それを無邪気に抱えるふっくらとした愛おしいうさぎよ。

 

ページをめくっても、めくってもめくっても、その美しく愛らしい世界が、ずーっと続くのだから麗しい。

 

むしろ、本文の絵の明るい色遣いとのびやかさこそ、味わっていただきたい。なんならページを開いて飾っておきたい。飾るにしたって、どのページにしようか迷ってしまう全ページのクオリティ。ワンピースにして着たい。

 

まじ、かわいいっす。素敵っす。心躍るっす。

 

 

うさぎとたまごのモチーフ、そして春らしい華やかな絵の世界が、イースターの季節にとってもぴったりの1冊でありました。上質!

 

きんのたまごのほん』 2004年

発行所 童話館出版

文/マーガレット・ワイズ・ブラウン

絵/レナード・ワイスガード

訳/わたなべ しげお

 

 

バルバルさんとおさるさん【こどものとも2021年4月号】

『バルバルさんとおさるさん』 乾 栄里子 文 西村 敏雄 絵

 ソース画像を表示

こどものとも」4月号です!

 

バルバルさんシリーズ!

 

まちのはずれにある、青いやねの小さな床屋さん「とこやバルバル」。

バルバルさんのお店には、人間のお客さんだけでなく、ときどき動物のお客さんもやってくる。

ある朝、バルバルさんが開店準備をしていると、おさるさんがやって来る。

お客さんだと思っていたら、いつの間にかエプロンをして、バルバルさんの仕事を手伝い始めるおさるさん。あまりに熱心なので、明日からも来てもらうことに。

さて、おさるさんがバルバルさんの床屋へやってきた理由とは…?

 

 

『バルバルさん』(福音館書店 2008年)は、前に読んだことがあったので、おぉ!あのシリーズだ!とピンときた。『バルバルさんとおさるさん』はシリーズ第3弾だという。

楽しいシリーズの新作が、できたてほやほやで読める。やっぱり「こどものとも」、いいなぁ…!とニヤニヤする私。ありがとう!ありがとう!!

 

 

それにしたって、おさるさんが本当に働き者なのだ。ちょっと不器用なのに、一生懸命頑張る姿は、オバチャンなぜか涙が出そうになるヨ。そして、急に押しかけてきて働きまくるおさるさんを温かく受け入れるバルバルさんの包容力よ…!

 

おさるさんのカットが大人気になり、猫や羊や犬までおんなじ髪型になっているところで、息子ゲラゲラ。

人間と動物が当たり前に一緒に生きる世界。優しい。温かい。愛。

柔らかでユニークな絵に映える、ブルーの背景がとってもおしゃれ。バルバルさんの床屋さんで、穏やかにおしゃべりを楽しみながら、髪を切ってもらいたくなる。

 

 

さて、いきなりバルバルさんのお店におさるさんがやってきた理由…そのカギは、前作『バルバルさん きょうはこどもデー』に隠されているのだそうです。そちらも読んでみたいな!!

 

月刊予約絵本「こどものとも

『バルバルさんとおさるさん』 2021年4月号(通巻781号)

発行所 福音館書店

乾 栄里子 文 西村 敏雄 絵

 

よるのさかなやさん

『よるのさかなやさん』 穂高順也・文 山口マオ・絵

 

ページを開けば、タイ・タコ・カニイカ・サンマ・ホタテ・ウニ…

 

「ここの さかなは、

 いつも ピチピチ しんせんで

 まるで いきているみたい」(本文より)

 

と、大評判の魚屋さん。

ところが、夜になって店じまいをすると…なんと、魚たちは”死んだふり”をやめて、ひょっこりひょこひょこ店を飛び出し、のびのび自由に遊び始めるのです…!

 

 

お魚好きの息子。行きつけのスーパーの魚コーナーではいつも魚を覗いていく。

そういえば、少し前までは大きな声で「すごぉ~い!」とか「おっきいねぇ!!!」とか、ちょっと恥ずかしくなるようなオーバーリアクションで感動を表現していたが、最近は静かにぐるっと一周して、じーっと見つめると、さらっとその場を離れていくようになった気がする。いや、もちろん、必ず覗きに行く様子からして、お魚には興味があるし、都度、彼なりに感動しているのだとは思う。ただ、THE☆小さい子、みたいにキャッキャしなくなってきたなぁ。成長する、というのは、そういうことなのかなぁ。もう年長だもんなぁ…うむむ…愛しさと切なさと心強さと。いや、ま~だまだ無邪気なんですけどもね。

 

 

さて、みんなが寝静まった後、実は、〇〇は〇〇してます!!的な世界観!

おもちゃのチャチャチャ!的な!

わくわくするよねぇ~!

子どもの頃、お雛様はいつも人間に聞こえないくらいの小さな声でおしゃべりをしている、というお話を読んで、七段飾りの前に正座してお雛様を眺めながら耳を澄ませたことを思い出した。

お魚たちが、野球したり、かくれんぼしたり、夜空を泳いだり…

そんな世界があったら、どんなに楽しいだろう。

そして、そんなこと、お店のおじさんは知らないんだろうな、という、ヒミツのナイショ感もドキドキワクワクする。

寝る前に読めば、今頃、お魚たちは動き出す準備をしているのかなぁ、と思いを巡らせ、夜の世界でのびのび遊ぶお魚の夢が見られそう。

集団でサクっと読み聞かせる1冊にも良さそうです。

 

絵は、わにわにシリーズの山口マオさん。

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ゴツゴツと力強い版画の世界が、「魚屋」という舞台にえらく映える。そしてやっぱりコミカルで、な~んか、オシャレ。色遣いが、いいよなぁ。

 

 

息子は、最後の朝のシーンで、お店に戻り損ねたタコを見つけて、ゲラゲラ笑っていました。

探してみてねっ!

 

『よるのさかなやさん』 2016年

発行所 文溪堂

文/穂高順也 絵/山口マオ

 

 

ふたりはともだち

『ふたりはともだち』 アーノルド・ローベル 作  三木 卓 訳

教員時代に使用していた東京書籍の2年生の国語の教科書に、『お手紙』という教材文があった。子ども時代に勉強したなぁ、とか、お子さんの教科書に載ってるなぁ、とか、ご存知の方もたくさんいらっしゃるかもしれない。

 

登場するのは、緑色のかえるくんと、茶色いがまがえるのがまくん。ある日かえるくんががまくんの家にやって来ると、がまくんは悲しそうに玄関の前に座り、郵便受けに手紙が来るのを待っていた。なぜ手紙を待つことがそんなに悲しいのかというと…実はがまくん、一度も、誰からも、お手紙をもらったことが無かったのだ。それを聞いたかえるくんは、がまくんにお手紙を出すことにするのだけれど…

 

がまくんとかえるくんが、可愛くて、愛おしくて、ほっこり笑えて…役割読みをして感情移入なんかしたら、なんだか泣いちゃいそうなくらい。回を重ねるほど、好きになるお話。研究授業も何度かしたっけなぁ。

 

そんな『おてがみ』※が収録されているのが、この『ふたりはともだち』という本。

 

※新出漢字の学習のために、教科書の題名はお手紙、と漢字にしてあるのだと思うのだけれど、『ふたりはともだち』に収録されているオリジナルタイトルは平仮名で『おてがみ』。その他にも、教科書に載る都合でオリジナル版からのちょっとした変更があるかと思うので、お子さんの教科書に載っていたらラッキー!一緒に探してみるのも楽しいかも。当時のクラスでも、がまくんかえるくんシリーズやアーノルド・ローベル三木卓さんの他の絵本を借りてみんなで読み合っては、子ども達がどんどん感想を教えてくれて、贅沢な時間だったなぁと思う。

 

がまくんとかえるくんのシリーズは他にもあるのだけれど、この『ふたりはともだち』は、三木卓さんが絵本を翻訳した初めての作品なのだそう。

絵本ナビのホームページに素敵なインタビューがあったので、ぜひご一緒にご覧ください。

www.ehonnavi.net

 

インタビュー内には、『すてきな三にんぐみ』の訳者、今江祥智さんの名前も挙がっている。

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アンゲラーと今江さんのように、アーノルド・ローベル三木卓さんも、同じ時期に生まれ、三木さんはたくさんのアーノルド・ローベル作品を翻訳してきた。三木卓さんは飄々とおおらかに語っていらっしゃるけれど、やはり、ローベルには親近感がある、のだそう。

きっと、そうだ、そうじゃなきゃ、こんなにのびのびとした翻訳はできないんじゃないかな。

子どもの頃、外国のお話があんまり好きじゃなかった私。やっぱり翻訳した文章って、なんか硬かったり、ぎこちない感じがしたりして、それも特別な感じで良いのかもしれないけれど…私には、日本語の流れや、会話のリアリティみたいなのが大切だったんじゃないかなと今になって思う。そういう意味で、がまくんとかえるくんのお話は、すごく、スムーズ。殊に、台詞が秀逸。(エラそうでスミマセン)でも、本当に、そう思う。

三木卓さんが、その世界を味わって、楽しんで、臨場感をそのまま一緒に吐き出してくださったような感じ。

 久々に読み返してみたけれど、やっぱり、いいなぁ。

 

 

 

さて、絵本を開くなり「おぉ、これ、ぼくが読めそうな感じだなぁ!」と、息子。

そうなのです。ほとんど平仮名。漢字もルビが振ってあるから、一人で読むにも易しい。

すぐにがまくんとかえるくんのファンになってくれました。

 

『おてがみ』を含めて、5編のお話が収録されていて、1編を読むのにかかるのは、5分弱。

寝る前に1話ずつ読むにもちょうどいい。

どのお話が好き?と聞いたら、全部!だそうですが、『おてがみ』に出てくるかたつむりくんが特に気に入ったらしい。息子らしくてニヤニヤ。

 

あったかくてこんなにも愛情深いのに、全然かしこまってなくて、笑えるのが、いい。

 

ああ、本当に、いい。

 

 

 

 

 

このブログも今日で開設から1年。

 

☟ブログの最初の記事です。もしよかったら昔の記録も読んでみてね!

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最初はとにかく記事をたくさん書き溜めたくてものすごいスピードで書き続けていたけど、もはや思いっきりペースダウンしていて、ごめんなさい。笑

 

…というのも、実は、第2子を妊娠し、体調の優れない日が続いた時期があって、無理しないペースで、と思っていたらこんなにノロマな感じになってしまったのでした。

おかげさまで、今日から産休。予定日は5月の半ば。ゆったり過ごしながら、少しずつブログも充実させていきたいなぁと思います。生まれたらまた更新が途絶えてしまうかもしれないけど、NEWベイビーとの記録も、どうか楽しみにしていただけたら嬉しいです。

年長になる息子氏は、初めての兄弟にドキドキしながらも、とっても楽しみに待ってくれて、そのお兄ちゃんぶりも楽しみな母であります。

 

 

『ふたりはともだち』の冒頭に収録されている『はるがきた』は、春の訪れにぴったりのお話。

 

我らが宮城県はコロナで大変なことになってしまって、面会はもちろん、少し前には再開するかも、と言われていた立ち合い出産もできなくなってしまい、本当に孤独な産前産後を過ごすことになってしまいそうだけれど…命を授かることができたことに心から感謝して、とにかく母子ともに健康に出産ができるように祈りながら、今だけのゆったり引きこもり生活を味わいたいと思います。

 

「ばかな こと いうなよ。

きみが 見ているのは

4月の すきとおった 

あたたかい ひかりなんだぜ。」(『はるがきた』本文より)

 

そうだね!かえるくん!

このあたたかい光からいっぱいパワーをもらいながら、顔を上げて背筋伸ばして、一歩踏み出していこう!!!

 

さあ!4月だよ!!

新しい1年のはじまりだよ!!

 

皆様にも、たくさんの素敵なことがありますように!!!

 

『ふたりはともだち』 1972年

発行所 文化出版局

作 アーノルド・ローベル/訳 三木 卓

 

 

かくしたのだあれ

『かくしたのだあれ』 五味太郎さく

 

表紙には、わに、かに、にわとり、かまきり、あとは…これ、たぬき?レッサーパンダ??

裏表紙には、きりん、さめ、かめ、くちばしの長い鳥。

 

1977年に発行されたこの絵本、奥付を見るとサブタイトルに≪どうぶつあれあれえほん≫と、ある。

あれあれ、というのは、どの辺が「あれあれ」なのだろうか。「あれあれ、何かおかしいぞ」のあれあれなのか。そもそもどうぶつあれあれえほん、というシリーズがあるのか。はたまたこの本そのものがどうぶつあれあれえほん、なのか…

それにしては表紙における“どうぶつあれあれえほん”の表記があまりにもひっそりと、消極的なんだよなあ。

それでも、絵本の情報を調べると漏れなく≪どうぶつあれあれえほん≫と、サブタイトルが付いてくるんだよなあ。

 あれあれ、あれあれ…

 

 

 

さて、ページを開けば向かい合った二羽のにわとり。

 

「てぶくろ かくしたの だあれ」(本文より)

 

にわとりの一羽は立派なとさかを持っている。

もう一羽は…あれあれ、かわいいピンクの手袋のとさか。

『手袋はどこ?』『この動物は、なあに?』…ほほぅ、こんな風に探しながら、遊びながら、会話しながら読んでいくのか。

 

次のページには、わに。…あれあれ、一匹だけ、歯が歯ブラシになってるわにがいるぞ??

『歯ブラシはどこ?』「見つけた~!」『わにの歯が歯ブラシだったらどうする?』「えー!」

…息子氏いわく5歳児には「これ見つけるのかんたん!」なんだそうな。

 

次のページも、あれあれ、靴下が…!

 

 

 

 

 

…お気付きだろうか。

私ったら、読みながら“あれあれ”って言っちゃってるんだわ。言うわ。言ってるわ。これ、言っちゃうわ。

あれ?でもなく、おやおや?でもなく、あれあれ、と言わずにはいられないこの感じ。うーん、やっぱり、これは、「どうぶつあれあれえほん」なのだ。誰が何といおうと、「どうぶつあれあれえほん」なんだ…!

 

 

 

 

 

さて、息子と読みながら気付いたのだけれど、この絵本、私も子どもの頃、読んだことがあるような気がするんだよなぁ…もちろん全部は覚えていないのだけれど、わにの歯とか、スプーンとフォークのおさげの絵を見ると、わぁ…って、脳みその裏側にこびりついていた懐かしさがじわぁ~~っと沁みだしてくるような感じ。幼き日の、温かで、どこか、切ないような、記憶。五味太郎さ~ん。

 

これまでに息子と一緒に絵本を読んできた時間も、彼にとっては人生のほんの一瞬でしかないけれど…彼の脳みその裏の奥の奥の奥にでも、何か、小さく、残っていてくれていたらいいな。

そしていつか、ふとしたときによみがえって、彼を助けてくれたり、励ましてくれたり、笑わせてくれたりしたらいいなぁ、と、思うのです。

 

『かくしたのだあれ』 1977年

発行所 文化出版局

五味太郎 さく

 

 

なぞなぞ【こどものとも2021年3月号】

『なぞなぞ』 安野光雅 さく/え

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こどものとも という月刊誌が福音館書店から出ているようなんだけど〇〇くん(息子)に一年間プレゼントしようかな」

 

前に切手をくれた大好きな叔母

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からの、嬉しすぎるひとこと!

 

我が家に「こどものとも」が、3月号から届くことになりました~!!わーーい!!ありがとう!!!!!

 

子どもの頃、幼稚園を通して母が注文してくれていた記憶があって、ブログを書くようになってからも、いいな、いいな、と思いながら、なんだかんだ購読しないまま過ごしてきてしまった「こどものとも」!!なんて最高のプレゼントでしょう…!〇〇ちゃん(叔母)、本当にありがとうね!!!

 

しかも、初めに届いたのは、3月号。安野光雅さんの作品。亡くなってから発刊されたものは、遺作、となるのだろうか。

 

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こどものとも」には、絵本と一緒に“絵本のたのしみ”という大人向けの折り込み付録が付いて来て(これ、これからもすっごく楽しみ!)、かつての著作から抜粋した安野さんの言葉も載っている。プロフィールも東京都在住、で締めくくられているから、きっと、年末のご逝去は、ご病気でいらしたとは言え、本当に突然のことだったのだろう。そして、本当に、最後まで粛々と、お仕事をなさる方だったのだろう。

安野光雅さんは、お人柄も素晴らしい方だったらしい。それも、作品を読めば、しっとりと、伝わって来るような気がする。

 

 

さて、『なぞなぞ』を手にした息子。『しりとり』を描いた人だ!とピーン!と来たらしく、というか、『しりとり』そのものだと思ったらしく、「大好きなやつだあぁ~!!」と目を輝かせる。

左綴じの絵本を一緒に開いてみると、左のページに、いきなり、なぞなぞ。

 

「かぼちゃの ばしゃに のって

おしろの ぶとうかいに いったのは

だれでしょう」(本文より)

 

右のページには、3択で答えが載っていて、その中から正解だと思うものを選ぶ。

正解は次のページの隅に書いてあって、答え合わせをしながら読み進めていくことができる。

息子、迷わずシンデレラを選ぶ。…おぉ、分かるんだ!笑

 

絵本は積極的に読むようになったけれど、そういえばオーソドックスな昔話は、ほとんど読んでやっていない我が家。幼稚園で、きっと読んでもらったり観たり聞いたりするのかな。ありがたいな、と、思う。

そう、このなぞなぞたち、昔話の登場人物や伝説に出て来る神様、妖怪、鬼なんかが題材になっていて、読めば読むほど、息子の知らないモノたちもたくさん、出て来る。

はじめにパラパラめくってみたときは難しいかなぁ、と思ったけれど、巻末には解説も載っているし、なんだかんだ2人で言いながら、読み解いていくのがまた、面白い。そうだ、分からなくたって、一つ一つ、知っていくのが、楽しいんだよなぁ。

最後の解説で安野さんが「この本には、見たことのない人も不思議と知っているものを描きました。」と言っている。確かに、シンデレラも、ろくろ首も、誰も見たことがないはずなのに、知っている。”絵本の楽しみ”の”編集部だより”では、この本を「空想の美術館」だと言っている。

 

ちなみに、途中に“雷神”が出てくるのだけれど、桃鉄桃太郎電鉄というゲーム)のCOMキャラ(人間と対戦してくれるコンピューターのキャラクター)に雷神というのがいて、息子(桃鉄が好き。でも、鬼が怖い。)はなんか一人でビビリながらもテンションが上がっていた。

しかも、先日幼稚園から持って帰ってきた制作帳には、ちゃっかり雷神の絵まで描いてある。構図は、安野さんの絵本の雷神と同じ。あぁ、読んだものは、ちゃんと記憶に残っていくのだな、と実感。しかも、それが、安野さんの絵だ、ということが、なんか文化的な感じがして、ウレシイ。(ただのミーハー。)

 

 

とにかく、こんな風に、新作絵本と毎月ふれあうことができるのか、と思うと、やっぱり、「こどものとも」って素敵だなぁ、と思うのです。

そして、誰かに年間購読をプレゼントする、ということもできるんだぁ、という嬉しい気付き!

姉にも我が子と同学年の可愛いBOYがいるのだが、そちらには「かがくのとも」の年間購読をプレゼントしたのだそう。ピッタリすぎてニヤニヤ。

他にも年齢別にいろんなコースがあるので、これからもチェックしてみようかな。

 

わくわく!本当にありがとう!

 

4月号も届いたので、また記録したいと思います。

 

これからも楽しみ!!!!!

 

月刊予約絵本「こどものとも

『なぞなぞ』 2021年3月号(通巻780号)

発行所 福音館書店

安野光雅 さく/え

 

なっとうぼうや

『なっとうぼうや』 わたなべ あや

 

ごめんやさ~い!

 

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の、わたなべあやさん。

 

お野菜たちもとってもかわいかったけれど、こっちは納豆かぁ~!と思うと、ニヤニヤしてしまう。

なんてったって、私は納豆が大好き。早い、安い、美味い。たんぱく質。最高。

息子も離乳食の頃から大好き。超きざみっていうのがそのまま使えて超便利だった!

最近では、Eテレのすイエんサーでやってた裏技(熱い汁ものに箸をつけると、納豆のネバネバ糸が切れやすい)を試しながら、昨日だって思いっきり髪の毛に納豆の糸をまとわせて納豆ご飯をかき込んでいた。

ちなみにめかぶもとろろもオクラもとにかくネバネバしてるものは全部大好き。大戸屋のばくだん丼みたいなやつ、大好物です。大好物です…!!食べたくなってきたぁぁぁ!!

ネバネバ上等。ネバーギブアップ!

 

 

 

さて、表紙には納豆ご飯。ふっくらとしたかわいい納豆たち!豆のフォルムがなんとも大豆らしくてとてもよい。

ある日、キリンの“のったくん”が朝ごはんのお手伝いをしていると、納豆のパックの中からこんな歌が聴こえてくる。

 

♪ネバ ネバ ネバ ネバ

 なっとうぼうや

 おてて つないで ネバ ネバよ

 

すると、なんと、パックの中の納豆たちが、おててを繋いでお外へ逃げ出してしまうのです…!のったくんは果たして納豆を食べられるのか…!?

 

 

 

…えーと、なんでしょう、この世界観は…!

お話はまったりと優しくて、とてもかわいいのだ。だけれども、納豆たちは本当に気まま過ぎるし、納豆たちとのったくんの家族がネバネバ手をつないで踊るシーンはなんだか別世界とフュージョンしちゃってブッ飛んじゃってる。そして納豆というテーマによるネバネバ感、その生温さ、生々しさが、なんともわずかにスッキリとしないものを残していく気がする。

最後には青空の下で縄跳びしてる納豆たちがまた健やかで可愛いので、こんな風に感じるのは私だけかもしれませんけども。本当に。変なこと言ってすみません、わたなべあやさん。笑

 

なんとまあ、巻末のプロフィールを読めば、この作品がわたなべあやさんの初めての単行本なのだという。その後かわいい素敵なお話をたくさん描いていくわけだけれど、ここがスタートなんだなぁ。

 

息子は、どさくさに紛れてスプーンとフォークが納豆と一緒に出てっちゃうところにツッコミを入れて満足そうにしてました。

 

 

 

そうそう、母によると、姉は小さい頃「なっとうが綱引きしてる」な~んて可愛い名言をつぶやいていたらしい。

なるほどねぇ~♡綱引き♡

お姉ちゃん、かわいい事、言うじゃないの♡

小さい子の世界って、言葉って、本当にかわいい。

息子も、もうすぐ年長さん。いつまで可愛い事言ってくれるんだろうなぁ。

 

『なっとうぼうや』 2004年

発行所 学習研究社

わたなべ あや

 

 

ぼくのトイレ

『ぼくのトイレ』 鈴木のりたけ

 

 

出たぁ~~~!!!!『ぼくの』シリーーーズ!!!

 

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しかも、トイレ。笑

 

お子様って、お下品なのが好きよね。

 

女の子も、意外と好きよね。

 

お利口なちょっとお堅い女子とかが、結構、案外、好きだったりするよね。ウケるね。

 

いや、トイレ自体は全ての生き物たちの暮らしの必需品でありお下品でも何でもないんですけどっっっ

 

でも、トイレ、なぜか、笑える。

 

もちろん息子はゲラゲラ笑いながら、楽しく本を手に取ってくれました。

 

 

 

いつものように、ふにゃふにゃトイレに、たかいトイレ、ルーレットイレ…楽しい妄想を繰り広げながら、弁士のような調子のある鈴木のりたけ節で物語は進む。息子は、すべりだいトイレとロケットイレがお気に入り。

そんなことを考えていたら“とんがりあたまの けむくじゃら”のゴリラくんが、ぼくのお家のトイレを盗んじゃった!今宵もぼくは勇ましく、トイレットコースターのレールを駆け下りて、“とんがりあたまの けむくじゃら”を捕まえにいくのです…!

 

 

 

…やっぱり楽しい、のりたけワールド。

トイレまみれの世界は、見ているだけで笑えちゃう。私は行きたくないけど!笑

最後にみんなで夜明けの街の上空をトイレっしゃに乗ってレールを滑り下りる様なんて、なんかもう最高にファンタジー!うつくしー!

 

 

 

一人でニヤニヤ、みんなでゲラゲラ、楽しい絵本でした。

 

 

 

ちなみに、この本を読んだ直後に息子がトイレに行こうとしていたので、私がニヤニヤしながら「ねーねー、うちのトイレがジェットコースターになってたらどうするぅ…?」と聞いたら本気でビビってトイレ行かないとか言う始末…!絵本の力はすごい。笑

一人でおトイレに行けなくなっちゃうと面倒クサイ…ゴホン、もとい、可哀想なので、そういう意地悪は控えたいと思います。えへ。

 

 

その後は普通に一人でおトイレに行けているのでご安心くださいね。笑

 

『ぼくのトイレ』 2011年

発行所 PHP研究所

作・絵 鈴木のりたけ