絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

いいからいいから

『いいからいいから』 長谷川義史

 

表紙には、どでーん!と、おじいちゃん。朗々としていて、なんかちょっとデリカシーの無さそうな、それでいて超チャーミングなお顔。THE☆おじいちゃん。

魅力的な表紙だなぁ。

 

 

主人公は、ぼく。そして、おじいちゃん。

ある日の夕方、雷が落ちると、目の前にかみなりの親子が座っていた。

おじいちゃんは、

「いいから、いいから。せっかくきてくださったんじゃ。ゆっくりしてください」

と、かみなりの親子にご飯を振る舞い、お風呂で背中を流してもてなしたのだけれど、気付いたら、おじいちゃんとぼくのおへそがなくなっていたのです!!…さぁ、どうする!?

 

 

いやぁ、もう、おじいちゃんったらお人好しにも程がある。友愛・博愛・もはや慈愛の精神。

どんな危機も、心配も、遠慮の気持ちさえも、「いいから いいから」の言葉で乗り切って&押し切ってしまう。

 

驚くべきは、お母さんもぼくも、おじいちゃんに引っ張られて素晴らしく優しくお人好しだということ。

 

この間放送していた「はじめてのおつかい」に出ていた女の子が、この本を読んでたよ!と、息子が教えてくれました。

 

おへそが戻ってこなかったら、迷子になったら…

子どもの頃って、いろんなことが不安だったりする。

そんな時、「いいから いいから」の精神が、不安な気持ちをなだめて、前を向かせて、勇気をくれる。

 

 

優しさとは、強さだ。

 

読み聞かせテッパン本ですね。私もボランティアさんに何回も読んでいただいたなぁ!

楽しい1冊!

 

『いいからいいから』 2006年

発行 絵本館

作 長谷川義史 

 

 

あいすくりーむにありをのせたらあいうえお

『あいすくりーむにありをのせたらあいうえお』 accototo ふくだとしお+あきこ

 

目に留まったのは、発色のいい、かわいい表紙!

 

あいすくりーむに

ありをのせたら

あまかった  

 

いつのまに

いちごがひとりで

いえでした  (本文より)

 

 

こんな感じで、頭文字を揃えた言葉遊びが、50音順に進んでいく。おー!これは、かるただ!ひらがなを読むスピードがどんどん速くなってきた息子。練習しながら一緒に読むのに、ぴったりでした。

絵は、コラージュ。よくよく観察して、どんな風に重ねられているか、見るのも勉強になりそう。見れば見るほど、のりで手をベッタベタにしながらコラージュを作りたくなる。コミカルでカワイイ絵。

 

小学校1年生の国語で「あひるのあくびはあいうえお」…というような教材があったのだが、この絵本も導入や発展で一緒に活用できそうだなぁ。オリジナルあいうえお作文的なのを作ったら、それをオリジナルかるたにするのも楽しいかも。息子がもっと大きくなったら、家族でやるのも楽しそう。

 

言葉のチョイスも、1年生がドンピシャでゲラゲラ笑いそうな感じ!なんなんだろ、あの子どもたちのよくわからない笑いのツボ笑…でも、みんなで楽しそうに笑ってるのって、すーごくかわいいよね。

息子は「はだかのはかせがはいきんぐ」でめちゃ笑ってたよ!

年中男児には一部まだ分からない語彙もあるようだったので、これからに期待ですね。

 

 

言葉遊びってさ、大事だよね。

 

遊び心ってさ、大事だよね。

 

『あいすくりーむにありをのせたらあいうえお』 2017年

発行所 イースト・プレス

著者 accototo ふくだとしお+あきこ 

 

 

なでて なでて

『なでて なでて』 え/日隈みさき ぶん/西川季岐

 

ふっくふくのねこちゃんの表紙。

ちいちゃなぷくぷくのおてて。

ねこ、いぬ、わに、たこ、はりねずみ!…

 

紙に描いてある絵なのに、なでたくなっちゃう、不思議。

手のひらに、感覚が伝わってくる、不思議。

 

絵本を通して、なでて、なでて、愛でる。

 

動物たちはもちろん、なでてる子どものおてての絵がまた可愛いんだよなぁ~!ちっちゃなお爪、えくぼ、手首のくびれ…子どもの手ってかわいいな。まじで。

奥付に“こども編集部員”っていうキッズのお名前が連なっているのだが、モデルかっ!?手タレ!?

みんなで作った絵本なのかなぁ~。素敵!

 

 

 

たまたまペットショップでかわいいワンニャンたちを眺めていた日に読んだので、息子と絵をなでなでしながら、今日のあのねこちゃんがかわいかったねぇとか、ここをなでてあげると喜ぶんだよ~とか言いながら読むのが幸せだった!!

 

赤ちゃんから楽しめる絵本。

 

『なでて なでて』 2017年

発行所 エンブックス

え/日隈みさき ぶん/西川季岐

 

 

11ぴきのねことへんなねこ

『11ぴきのねことへんなねこ』 馬場 のぼる 

 

11ぴきのねこシリーズ!

 

11ぴきのねこたちが、みんなで川で魚釣りをしていると、見たことのない水玉模様のねこが橋を渡っていくのが見える。その「へんなねこ」は、その後も度々現れて、不思議な行動をするのだけれど…なんだかカタコトなその「へんなねこ」の正体は、なんと…

 

 

 

なんかさ、11ぴきのねこシリーズはさ、少し前からさ、リバイバル的にさ、グッズとか売ってたりとかさ、懐かしくてさ、私のお友達でも結構好きな子がいたりしてさ、もちろん有名なシリーズだから知ってはいたけれどもさ、何というかさ、とにかく画が昭和感漂っているやないですか。それで何となく敬遠?していたんだけれどもね(なんとも失礼!ごめんなさい!)、息子も幼稚園で読んでもらっていて、読みたい!というわけで、ひとまず図書館で借りてみたら…!

 

超・面白いねぇ~!!!!!!!!

 

私はまだこの1冊しか読んだことがないんだけどもね、他のも読んでみたくなった!!

 

11ぴきのキャラクターもいいし、オチも楽しい!

 

そして、やっぱり、限りなく、昭和!でも、それがいいんだな!もう!

表紙のフォントとか!手書きでしょうね。あぁなんて懐かしいフォルム!丸文字的な。朝幼稚園に行く前にテレビでやってたワイドショーのテロップとか、こういうフォントだったなぁ、と思い出す。

 

 

そして、気付いたのです。長めの絵本も、息子氏、結構ちゃんと理解して楽しめるようになってきたなぁ~、と!嬉しい。最後まで楽しめる魅力が、この絵本にあるからこそだけれどもね。

 

ニャゴニャゴ。

 

またひとつ、名作シリーズを知ることができて、嬉しい。

 

『11ぴきのねことへんなねこ』 1989年

発行所 こぐま社

著者 馬場のぼる

 

 

ゆうたはともだち

『ゆうたはともだち』 きたやまようこ・作

 

ばーばの家のトイレには、いつも、きたやまようこさんのカレンダーが貼ってある。

便座に座ると目が合う、びろ~んと縦に長い、セキスイハイムから毎年貰うカレンダー。

可愛い絵と短い言葉で書かれたエピソードが素敵。トイレに入る度に、めっちゃ癒されてます。

 

 

『ゆうたはともだち』は、幼馴染の友達(おっさん)の家にあって、何回も読んだ記憶がある。

実を申しますと、私ったら本当にボリュームのある本をほとんど読まない子どもだったので、読書といえば文字の大きい短いお話ばっかり読んでいたのでありまする。単行本を読むようになった時期を思い返してみると、中学生の時に星新一に超ハマったことを思い出したけれど、思えばあれもショート・ショートだわ。笑

まあ、読書が大好きな姉と比べると、とにかく根気が無くて、1冊を何日もかけて読むとか、何回かに分けて読む、みたいなのが苦手だったのかもしれない。絵本は大好きだったから、なんていうか、あれですね、そうですね、成長してないんですね。

  

『ゆうたはともだち』の主人公は、シベリアンハスキーの“おれ”。そして、もう一人の登場人物は、ゆうたくん(推定3才)。いばりんぼうの“おれ”と、あどけないゆうたの日常が“おれ”目線で描かれている。

 

 

犬って、家族を順位付けして主従関係を結ぶっていうじゃないですか。完全に“おれ”は、ゆうたより上にいるんですね。だって、ゆうたのこと「おまえ」って呼んじゃってるからね。

でも、すごくお互いを愛しく思い合っている。

こんなにも短い文字数で、その愛しさと面白さを表現できるなんて。手腕。敏腕。

なんかさ、Eテレの0655とか2355の「おれ、ねこ」は、ここから発想を得ているのではないかと思ってしまうよねねねん。

 

さてさて、息子と読んでみたら、大好評!

1ページ毎にゲラゲラ笑っておりました。そうだ、そうだ!これ、子ども好きなやつだ!笑

 

短くて、笑えて、愛に包まれて。読み聞かせにもぴったりだと思います。

 

他己尊重。きみも、わたしも、そのままで、いいんだよ。

そのままが、だいすきだよ。

 

『ゆうたはともだち』 1988年

発行所 あかね書房

作者 きたやまようこ 

 

 

でんしゃが まいります

『でんしゃが まいります』 秋山とも子 さく

 

新宿駅の5・6番線ホームの一日を描いたこの作品。

まだ日も昇らない夜明け前に、大量の新聞紙がトラックいっぱいに運ばれて来る絵から始まる。

朝・昼・夜。時間帯によって客層が変わったり、いろんな人がいろんな仕事をしていたり。

 

ストーリーは淡々と進んでいくのだけれど、ページいっぱいの挿絵の中では、お客も、働く人々も、思い思いに何だかかんだかやってて、たくさんの人の、それぞれにその瞬間を生きている姿が細かく細かく描かれている。

知らなかった駅の裏側を知ることができるのもいい。車掌さんのアナウンスが書いてあって、ちょいと鼻にかけて読み上げてみれば、完璧に車掌さん気分になれるのもいい。電車好きはもちろん、電車が好きじゃなくったって、何かしら引っかかる嬉しさがあるのがいい。

読み聞かせも楽しいけれど、一人でじっくり眺めたり、少人数であーだこーだ楽しいところを見つけながら読むのにぴったりだと思います。息子はなぜか無心で小学生の人数を数えていた。笑

たのしー

NHKの番組でドキュメント72時間ってのがあるけれど、それに近い感覚かも。定点観測的な。人間模様を味わう1冊。

 

絵も、お話も、今の子どもたちからすれば、ちょっと古い感じがするかもしれないんだけど、それが、なんともはや、懐かしい。ちょうど私が子どもだった頃くらいの感じ。

子どもの頃となりのトトロを観てたら、母が「お母さんが子どもの頃の時代のお話だなぁ~」というようなことを言っていて、まさにそういう感覚なんだろうなぁ~と思った。

ファッションセンス、ヘアスタイル、暮らしの道具たち。小学生だったあの頃。全てが新鮮だったあの時も、ちゃんと、もれなく、過去になる。

なんだか、くわっと胸の奥が熱くなってしまう。

 

 

 

それにしても、人々が大口を開けて笑い、喋り、のびのびと行き交う様子が眩しくて、ギュウギュウ詰めのホームを見てたら、つい「密です!」なんて思っちゃう自分がいて…

 

本当に、切ない。

 

こんな呑気な毎日が、また来るのかな。

 

来てほしいな。

 

神様。

 

『でんしゃが まいります』 2014年(月刊「こどものとも」は1990年)

発行所 福音館書店

秋山とも子 さく

 

 

おもちゃの迷路

『おもちゃの迷路』 作・絵 香川元太郎/香川志織 

 

5歳児は、走る。喋る。触る。

 

特に3つ目は今のご時世、お互いに気を遣うことだから、老若男女たくさんの方が利用する図書館に息子を連れて行くのは自粛していたんだけれど、この間、どうしても時間のやりくりができず、一緒に図書館へ行くことにした。もちろん息子は大喜びだったし、私も、できるなら、一緒に図書館でのんびりしたりしたいんだけど…そうもいかない今の現実。

「走っちゃダメよ!!!!!!!」と言い聞かせて(我が子はこれが一番心配。)、できるだけ早く…!と私は鼻息を荒くして本を選んでいた。すると、息子が自由閲覧コーナーのテーブルに背中をピン!と伸ばして座り、静かに何かをやっている…こないだまで使えなかったテーブル、使ってOKになったんだ…よかった…とか思いながら近づいてみると…この『おもちゃの迷路』に真剣に取り組んでいたのでした…!!

 

 

サブタイトルは“夜中にめざめるふしぎな世界”…超わくわくするや~ん!

おもちゃの国の12個の迷路。積み木、お人形、ボードゲーム、パズル、伝統おもちゃに、からくり人形まで!まだまだアルヨ!いろんなおもちゃが迷路を構成していて、眺めているだけでも面白い。いろんなミッションがあるから、1回クリアしたページも、何回でも楽しめる。巻末には、オマケの絵探しやいろんな紙ヒコーキの折り方なんかも載っている。

 

…パラダイス!!!!!

 

事実、息子は借りている間じゅう、何度も何度も指でなぞって取り組んでました。小学生にもイイネ!

 

表紙の裏側には、迷路シリーズがズラリと紹介されていた。面白そうー!頻繁に通っている耳鼻科の薬局にこのシリーズの『昆虫の迷路』があって息子がすごくハマっていたので(今は感染拡大防止のために撤去中…切ない!)、こんなにシリーズがあるなんて、びっくり&嬉しい!

そうね、息子は迷路大好きボーイなんですね。そうですね。いいね、いいね。嬉しいね。

 

迷路は、粘り強さや見通しをもつ力などなどが育つらしいよっ!!

試す、ダメだったら、イケてたところまで戻る、また違う方法を試すっていうプロセスは、今話題のプログラミング的思考にもつながるんではないかと思うんですね。

別に焦ってプログラミングを教える教室に通わせなくったって、ICTを使わなくったって、紙の上でプログラミング的思考を育てることは、できるんだと思うよ!!!

 

とか、適当な言い訳をしながら、つまるところは、静かに集中して楽しんでくれることが、すごく助かります。

 

迷路、イイネ!!!!!!

 

『おもちゃの迷路』 2017年

発行所 株式会社PHP研究所

作・絵 香川元太郎/香川志織 

 

 

字のないはがき

『字のないはがき』 向田邦子=原作 角田光代=文 西加奈子=絵 

 

見よ!!この豪華な作り手を!!!

 

私は何年か前にものすごく黒柳徹子さんにハマって、徹子さんの本を読みまくっていた。向田邦子さんと徹子さんはとっても仲の良いお友達で、何かと話に出てくる。

 

最初、私にとって、向田邦子さんといえば、飛行機事故で亡くなってしまった作家、という印象だった。

中学や高校時代の授業中、暇だな~と思うと、国語の便覧をベラベラとめくって、中原中也イケメンだな、とか、三島由紀夫やべー奴だなとか、草野心平間寛平に似てるけど名前が似てるのは関係あるのかなとか、愛人と心中する奴多すぎだろ、とか、とにかく、いろんな作家の写真やらエピソードやらを、ぼーっと眺めるのが好きだった。便覧に載っている名作なんて、もう、全くと言っていいほどに読んだことがないけれど、載っていた作家たちの、顔と、名前と、死因とかは覚えていたりする。…不謹慎です。ごめんなさい。

私の使っていた便覧に載っていた向田邦子さんの写真は、とっても意志のある眼差しが印象的で、なんだか、それが悲しく、怖いほどで、さぞ、急に亡くなってしまったことを悔やんでいるのだろう、と、思ったものだった。

そんな向田邦子さんが、今もキラキラ輝き続ける黒柳徹子さんの親友だったなんて!

NHKトットてれびでミムラが演じた向田邦子さん、素敵だったな。

 

さて、そんな向田邦子さんが原作のお話。家族との思い出を綴ったエッセイ『眠る盃』に「字のない葉書」というお話が収録されているという。

そのお話を角田光代さんが書き、西加奈子さんが、描いている。西加奈子、絵かよ!!!西加奈子の無駄遣い!いや、嘘、嘘。絵がまた、とっても素晴らしい。

 

 

 

戦争が激しくなり、一番ちいさな妹も、とうとう疎開することになった。

お父さんはたくさんの葉書を用意して、字の書けない妹に、元気な日には葉書に丸を書いてポストに入れるように言うのだけれど…

 

 

この妹、というのは、向田邦子さんの一番下の妹、和子さんのことだという。

戦争のお話というのは、誰かが死んでしまうことが多い。このお話も、きっとそうだろう、と私は覚悟していた。でもね、大丈夫。お話の中で、誰も命を落とすことは無いの。でも、だからこそ、生きていてくれたからこそ、胸が、ギューっと締め付けられる。子どもが戦争に巻き込まれるということが、どんなに残酷なことか。元気で、生きていることが、どんなに尊いか。

 

終戦からもう75年。

私が子どもの頃は終戦50年、というのが印象的で、まだまだ50年なんだ、って、私のお父さんやお母さんは、本当に戦争が終わって10年やそこらで生まれたんだって、目の前にいる優しいおじいちゃんやおばあちゃんは、あの悲惨な出来事を体験した人たちなんだって、なんとなく、まだ、自分事として捉えることができたような気がする。でも、時が経ち、いろんな、悲しいこと、苦しいことがたくさん起きれば起きるほど、それは、遠くへ、遠くへ、押しやられてしまうみたいに感じる。おじいちゃんも、おばあちゃんも、あの頃みたいに戦争の話をしたりしないしね。

だからと言って、平和ボケしてる、なんて思わない。

むしろ、今の子どもたちなんて、きっと、十分過ぎるほどに、いろんな“大変なこと”に、たくさん触れて、必死に想いを巡らせて、生きているのかもしれない。

戦争。災害。疫病の流行。世界は、どうなるんだろう。どんな世の中になってしまうのだろう。

 

 

ひらがなで書かれているので、小さい子にも、易しく読める。

美しい、伝わる、文章。読み聞かせにもぴったりだと思います。

 

 

本書の最後に載っている写真の向田邦子さんは、もちろん、強さも、かっこよさもあるんだけど、風をまとって、ふわっと笑っている。素敵な素敵な、写真。

ああ、こんな表情もするんだ。

読み終わった私の心に、さわやかに、すーっと染み込んでいくようでした。

 

『字のないはがき』 2019年

発行所 小学館

原作 向田邦子 文 角田光代 絵 西加奈子