絵本ライブラリー 読む、残す、思い出す

2020.4.1スタート。元小学校教諭,小2&2歳兄弟育児中の筆者が,読み聞かせをした絵本を中心に書籍の記録・紹介を行っています。自分と、子どもたちと、本との軌跡を記しておきたい。筆者の肌感覚によるカテゴライズもしております。昔の記事も振り返って楽しんでもらえるブログを目指したい。

ぼくとばく

『ひともじ いれかえ あそび ぼくとばく』 鈴木のりたけ


「ぼく」と、「ばく」

「ぼ」と「ば」を入れかえたら

「ばく」と、「ぼく」


あれ?いれかわっちゃった!


「こんぶ」「おうじ」

「こ」と「お」を入れかえたら

「おんぶ」「こうじ」

 

「ばす」の「なか」

「ば」と「な」を入れかえたら

「なす」の「ばか」…


一文字入れ替えるだけで、ぜ~んぜん違うものになっちゃう面白さ!

 

5才なりたての我が息子には、一文字で言葉が大変身する面白さはまだピンときていないようだったけれど、鈴木のりたけさんらしい、コミカルな絵、台詞、世界にひっぱられて、楽しんでいました。

息子がツボったのは、「うっかりパンチ」と「ぱっかりうんち」

小学生、好きだろうなぁ~笑

 

自分たちで入れ替えると面白くなる言葉探しをするのも楽しそう!

 

『ひともじ いれかえ あそび ぼくとばく』 2017年
発行所 小学館
作・鈴木のりたけ

 

こんやはてまきずし

『こんやはてまきずし』 五味ヒロミ 作 石井聖岳 絵

 

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手巻き寿司は、エンターテインメントだ!!

 

表紙には、でっか~い手巻き寿司。素朴であったかい、親しみやすい絵。

 

「こんやのばんごはんあみだくじ」で、今夜は手巻き寿司に決定!

みんなで楽しい、手巻き寿司。

あたしは、サーモン。おとうちゃんは、まぐろ。おかあちゃんは、たい。弟のけいたは、おばあちゃんは…家族み~んな、自分のお気に入りの具を巻いていく。

いろんな変わりダネも出て来るよ!仲良し家族の一夜が楽しく描かれています。

  

ちなみに、私が手巻き寿司で一番好きなのは、まぐろと納豆と大葉ときゅうりとカイワレの一気乗せ!あぁ!思い浮かべるだけでヨダレ出るっ。

 

子どもの頃は手巻き寿司といえば父の出番で、お刺身を巻きやすい大きさに切ってくれて、ちっちゃいときは私の好きな具を巻いて作ってくれた。

…でも、今思えばご飯を炊いてくれて酢飯を作ったりお野菜を切ったりしてくれたのは母だし、ちょっとお料理するだけで「お父さんが台所に立つ嬉しさ」みたいなボーナスポイントが貰えちゃうお父さんって、得だな~。今の時代はまた少し変わってきてるかもしれないけれど。

 

我が家も、お好み焼きはパパの料理として定着している。キッチンでビール飲みながら焼いてくれる。

でも、タネを作っているのは、私ですよっ。(←夫は、その辺、ちゃんとフォローしてくれる良い夫です。照)

 

 

絵本を読んだら触発されちゃって、我が家も手巻き寿司パーティーをしました!

 

やっぱり、楽しかった!美味しかった!

 

『こんやはてまきずし』 2017年

発行所 株式会社岩崎書店

作 五味ヒロミ 絵 石井聖岳

 

おかあさんといっしょ

おかあさんといっしょ』 薮内正幸 さく

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某ロングヒット親子番組と同名の絵本!つい手に取ってしまいました。

 

 

表紙は、ふくふくのパンダの親子。お互いに愛しくハグしているのが伝わってくる、いい絵だなぁ。

 

「こいぬが おかあさんと いっしょに あそんでいます。

なにをして あそんでいるのかな?」(本文より)

 

犬、猫、ライオン、鹿、熊、猿、うさぎ、りす、キリン、象、カバ…

動物の親子が遊んだり、食べたり、のみ取りをしたり、水浴びをしたり、あくびをしたり。

 

文章が質問になっているから、読み手と聞き手でお話をしながらやりとりを楽しめる。

 

触った感触を手の平に感じるような動物の毛並み・質感がとても素晴らしい。写実的だけれど、親子の仲睦まじい様子や、口元がきゅっと上がったニコニコな表情がほっこりさせてくれる。

 

動物をなでなでして、親子の愛情をたっぷり味わって、一緒にふれあえる一冊です。

 

裏表紙はビーバー!

 

 

NHKの親子番組とは一切関係なさそうでした!笑

 

おかあさんといっしょ』 1985年(こどものとも年少版は1983年)

発行所 福音館書店

薮内正幸 作

 

ぼくのふとん

『ぼくのふとん』 鈴木のりたけ

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ぼくの、シリーズ!! 

前に書いた『ぼくのおふろ』はこちら☟

bg8qp.hatenablog.jp

 

今度は、布団!

 

座れる椅子布団、宙吊り布団、ドーナツ布団に、布団カー。

 

もちろん、まだまだアルヨ!

 

今回息子がハマったのは、全自動布団システム。

全自動で寝かせてくれて、起こしてくれて、布団干しに掃除までしてくれる!確かにこりゃいいわ。母ちゃんが欲しい。

 

そして、また、事件は起きる。

 

今度の犯人は、ひげの生えた羊。

 

楽しく絵探ししながら、つかまえるぞ!!

 

いやぁ~、やっぱり、素敵だね!

 

 

 

鈴木のりたけさんの文章って、リズムがいい。

七五調テイストでグイグイ進んでいく。弁士になった気分。

 

オチまでオーケー!子どもの気持ちを掬い上げてくれる、のりたけワールドです。

 

『ぼくのふとん』 2013年

発行所 株式会社PHP研究所

作・絵 鈴木のりたけ

 

おこりんぼママ

『おこりんぼママ』 ユッタ・バウアー 作 小森香折 訳

 

 

これは、素敵なお友達から貸していただいた本。

 

いつも丁寧に温かく、気持ちをまあるく包んでくださるお姉さま…年下の私がお友達、と呼ぶのは図々しいかもしれないけれど、いつも私のがむしゃらを、奔放を受け止め、背中を押して下さる、大切なお友達です。

 

その名も“大人のための絵本よみやさん 香(かおり)”さん。

 

出会って、もう、きっと10年近くなる。あるライブをきっかけに連絡を取り合うようになり、その間に、香さんは、流しの絵本よみやさん、大人のための絵本の朗読会など、いろんな面白い活動を展開されてきました。まだまだ小さい息子を連れて香さんに絵本を読んでもらいに(息子に、でなく、私に!)行ったことや、絵本と音楽のセッションという試みで一緒に共演をしたこともありました。楽しかったなぁぁぁ!!!

私が絵本のことを書き留めてみよう、と思ったきっかけの一つとして、香さんのご活躍がキラキラと私の目に飛び込んできていたことは、間違いない。

お会いした時から素敵な方ですが、いつまでも、ますます、素敵に輝いていく香さんです。

 

そんな香さんが、今の状況でできることを…ということで、期間限定・お友達限定で絵本の貸出をしてくださいました。

いろいろなテーマで3冊の絵本を組み合わせてご提案してくださるなか、「お任せセット」をお願いすると、私のために、3冊、選んでくれる!というではあ~りませんか!そりゃ~、選んでもらっちゃうよね!ドキドキ…♡

 

『おこりんぼママ』は、香さんがSNSで紹介されていて、気になっていた絵本。

お任せの3冊のうちの1冊に、選んでくださっていました。あぁ~もう!粋!です。

私ときたら、本当に正真正銘のおこりんぼママなので、ワクワク、ヒヤヒヤ笑、ページを開きました。

 

 

 

「きょう、ママが、ものすごく どなった。

 あんまり すごく どなるもんだから、

ぼくは、バラバラになって とんで いっちゃった。」…(本文より)

 

出て来るのは、ペンギンの親子。

ママが怒鳴ったら、息子ペンギンの体は、頭は宇宙へ、お腹は海へ、翼はジャングルへ、くちばしは…おしりは…ぜ~んぶバラバラになって飛んでいってしまった。

脚だけになってしまった「ぼく」は、バラバラになった体を探しに出かけるのだけれど…

 

かわいい絵とフォント、装丁。いろんな場所にポツンとある体たちが、笑える!

そして、最後は、愛。温もり。

 

 

いやぁ~もう、分かっちゃいるけど、怒鳴っちゃう毎日…母ちゃんって、親子関係って、どうしてそうなんでしょう。

いつもごめんね。いつもありがとう。

でも、もし君がバラバラになっても、きっと探して、見つけてあげる。

 

そして、ここにいる「ぼく」が、私が、1つの体で、考えたり、動いたりできることが、どれだけ尊いか。

君と君、君と私。

体が、心が、つながっていることの奇跡、その幸せにも、思いを巡らせていました。

 

未熟な自分も受け止めて、まったくもう!と鼻息を荒くしながら、ごめんねと、大好きだよ、を伝え続けていこう。

 

 

 

香さん、絵本を読む前用と、読んだ後用にお手紙を付けてくださって…本当にもう、なんて素敵なんでしょう!いろんな場面で、いつも、素敵な言葉をプレゼントして下さるのです。

 

あと2冊も、また、ご紹介するね~!

 

『おこりんぼママ』 2000年

発行所 小学館

絵・文 ユッタ・バウアー  訳 小森香折  日本語版デザイン 小西啓介

 

 

ただいマンモス

『ただいマンモス』 鹿又広祐・きょうこ 

 

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ダジャレはなぜ嫌われるのか。

 

 

 

私は、小さい頃からダジャレが好きです。

 

思いついたら言わずにはいられない。

 

でも、言うと冷たい目で見られる。つまんないとか寒いとか言われる。なんなら反応してもらえないことすらある。だから最近は控えるようにしている。←結局やられてる。

 

 

 

なぜだろう。

 

高尚な言葉遊びをなぜ人々は拒絶するのか。

 

なぜダジャレを「寒い」とする慣習が蔓延しているのか。

 

そもそもなぜ「ダ」ジャレと言うのか。駄!

 

平安の世でも機知に富む女性がモテモテだったというではないか。

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、『ただいマンモス』は、タイトルからも分かる通り、ダジャレたっぷりの絵本です。

 

「ただいマンモス」

「おかえリンゴ」

「おちゃでも イカが?」(本文より)

 

…こんな感じで、進んでいきます。

 

絵がまたなんともシュールで、魅力的。色遣いもカワイイ。

 

作者のお二人はご夫婦なのだそう。なんかオシャレそうな夫婦だっ!!

 

 

 

私、思ったの。

 

ダジャレが寒いのではなく、ダジャレを言う時の「面白いやろ?」的なテンションが寒いのかもしれない。

 

淡々と、笑かしていくこの絵本、ダジャレにピッタリのハイセンスさです。

 

ちっちゃい子どもたちが、喜びそう!

 

あれ、それすなわち私って精神年齢が低いのかしら。

 

 

 

いいえ、だれでも。

 

『ただいマンモス』 2020年

発行所 こぐま社

鹿又広祐・きょうこ 作

 

わにわにのおふろ

『わにわにのおふろ』 小風 さち ぶん 山口 マオ え 

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おうっ!右綴じ!!

最近の絵本は左綴じが多いですね。教科書も、国語以外は左綴じだもんね。横書き文化!
かくいうこちらのブログも完全横書き。

 

さて、知り合いの先生に教えていただいた、わにわにシリーズ!縦書きです!

絵は、木版画。たまらねぇ。もしかして、文字も版画で彫ってるかな!素敵!とってもかわいい1冊です。

 

主人公、わにわに。結構迫力ある、ワニ。アリゲーター。リアリー?
わにわにはお風呂が大好き。
お風呂を入れて、おもちゃを用意して、大好きなお風呂に入る。
わにわにのお風呂は、なんとも、昭和!木の引き戸に椅子、タイルの床と壁。赤と青の蛇口がまた懐かしい。ネジで留められた鏡もいいね。おばあちゃんの家のお風呂を思い出します。
洗面器をかぶって、シャワーのマイクで歌っちゃったりもするYO!
オリジナリティに溢れる擬音の数々も、素敵!

 

ゴツい体で、嬉しそうにお風呂に入るわにわにが、とってもかわいいのです。


コワモテのオジサンが嬉しそうにバニラアイスクリーム食べてる、みたいな。

 

少しずつ、シリーズ開拓、していこう~!

 

『わにわにのおふろ』 2004年(年少版・こどものとも発行は2000年)
発行所 福音館書店
小風さち 文/ 山口マオ 絵

 

まよなかのたんじょうかい

『まよなかのたんじょうかい』 西本鶏介/作 渡辺有一/絵

 

 

初めて読んだ時、胸がしめつけられるような気持ちになったことを覚えています。

往年の名作…かと思いきや、発行年月日を調べると6年半くらい前なので、最初に読んだ時は、きっと出たばかりの新しい本だったんだなぁ。

息子が先月お誕生日を迎え、誕生日シリーーーズ!と思って図書館で借りてみました。

 

主人公のさきちゃんは、おばあちゃんと、お母さんと、3人暮らし。お父さんは、さきちゃんが赤ちゃんの時に病気で亡くなってしまったけれど、3人で仲良く暮らしている。

お母さんは、タクシーの運転手。朝早くから夜遅くまで、一生懸命に働いている。

6歳の誕生日、バースデーケーキやおばあちゃんが作ってくれたごちそうの並ぶテーブルに座って、お母さんの帰りを待つさきちゃん。でも、夜の9時になろうというのに、お母さんは、まだ、帰ってこない。その頃、お母さんは、遠くの町で道端に倒れた男の人を見つけて…

 

 

絵は、渡辺有一さん。東京書籍の4年生の国語の教科書に載っていた『走れ』の絵の人だよなぁ。

目に留まる表情。いきいきしていて、気持ちが、ぐぐっと、伝わる絵。

小学生が、真剣に、聞いてくれそうだなぁ、教材になりそうだな、とも思う。

 

 

お母さんが帰ってくる、って、すごく、安心すること。

お誕生日を祝ってもらうって、自分は大切なんだって、確認できること。

 

敏感な息子は、なんだか、ちょっと、途中で悲しくなっちゃったみたいでしたが、ちゃんと、ハッピーエンドです。

 

小学校で読み聞かせしたい1冊。

 

 

『まよなかのたんじょうかい』 2013年

発行所 鈴木出版株式会社

作/西本鶏介 絵/渡辺有一

 

【宣伝】ブックレコメンドに私の新しい記事が掲載されました。

『ケーキの切れない非行少年たち』の次に読む本、です。

寄稿者募集も引き続き行っているそうです。ぜひぜひ!!☟☟